2008年1月 第十回全国一斉お城の日

旅行期間:2008年1月12日(土)夜出発〜1月13日(日)帰着

主な滞在地
1月13日(日):

小田原城・石垣山一夜城・山中城・沼津周辺各城郭
山梨県内各城郭・津久井城跡・田村館跡・大庭城址
第十回全国一斉お城の日行程地図




「全国一斉お城の日」とは?

全国から集まられたお城好きの皆さんが同じ日に一斉に好きなお城を巡り、
それをスレにつなげていくというものです。
当日の城攻めとして有効になりますのは当日の24時間です。(AM0:00〜PM12:00)
なお、当日お城にいけない方も皆さんのお城レポートやケータイによる
実況レポートに対して随時感想、応援を書き込んでいただいて結構です。

有名なお城、近場の小さな城跡、陣屋跡などどんなお城でも結構です。
めざせ全国制覇!!

(mixi「お城めぐりしよう!」コミュ イベントトピより抜粋転記)


次男が生まれたり、他のイベントが諸々あったりして
暫くまともに参加できずにいた「お城の日」ですが
今回、久々に完全参加ができる態勢になったので、満を持して参戦。
どうせやるのなら、丸1日24時間フルに動き回ってどこまでやれるのかチャレンジ!
これは自分との戦いだッ(そうなのか?w)
加えて、同じコミュの方が山梨方面を回ると事前に仰ってたので
わざとその辺りを攻め、不期遭遇戦になればと思い
一番の目標を北杜市近辺に設定。真冬の山国に出掛けるなんて
寒がりのオイラとしては有り得ない話なんですが、どうなる事やら?(笑)

そうは言っても、最初っから山梨に行ったんじゃ面白くない。
はじめは別方面を攻め、違うとみせかけて山梨を攻略する作戦に。
という訳で、前日の夜に家を出たオイラは
まず手始めに勝手知ったる小田原城へ。
ここで深夜0時、つまりイベント日の日付に変わるのを待ちました。
で、0時になった所でトピに報告!もちろん、一番槍です。
しかしまぁ、さすがにこんな時間じゃ誰も居ないだろうと思ってたんですが
真夜中なのに、城址公園を通り抜けて行く人が結構チラホラと…。
大学生風?のカップルとか、普通に城内を通り道にして行きます。
写真も撮れないような真っ暗な場所で、突然他の人が現れたりすると
さすがに驚きますね。まぁ、向こうも「何だコイツ?」と思ったでしょうが(爆)

この時間、天気は前日からの雨がまだ残っている状態。
しかも深夜0時過ぎ、どう考えてもお城に行くようなコンディションじゃないんですが
続いて小田原市内の別の城、石垣山一夜城を攻略。
山城の夜間行軍なんて、常識的にはやるもんじゃないんですが
そこは地元の城、懐中電灯を装備してれば何とかなると思って訪城しました。
ちゃんと本丸まで到達しましたよ〜!
とは言え、雨の夜では何も見えず、写真も撮れず (^ ^;
もちろん、ここでは誰にも会いませんでした(当然だw)

そのまま東海道を西へ進み、日本百名城にもなっている箱根山中の山中城へ。
これも山城ですが、難無く攻略。でも普通の人はやらないでねwww
さらに箱根を越えた先、泉頭城沼津(三枚橋)城へ。
泉頭は柿田川公園という有名な景勝地、三枚橋は市街地の繁華街にある城ですが
さすがに誰もいませんわな(爆)ここまで一気にトピ報告した後、
この後は山梨へ向かう事を悟られないよう、わざと隠密行動。
北へ取って返し246沿いの長久保城を攻め落とします。
ここは今やショッピングモールになっている場所なんで
城跡めぐりと言っても、昼間にカメラ片手でフラフラ歩いていたら不審者にされそう。
むしろ深夜、誰の目も気にせず歩く方が無難なのかもねwww
さて既に6箇所を攻略しましたが、本番はこれから★
夜明けと共に北杜市内を見て回れるよう、籠坂峠を抜けた後
富士五湖道路→中央高速で一気に北上しました。
山梨県内に入ると同時に雨もやみ、明朝への期待が高まります (^-^)

夜明けと共に長坂ICを降り、目に飛び込んで来たのは…
甲斐駒ヶ岳
甲斐駒ヶ岳

昨日の雨の名残か、一筋の雲をまとった姿。
しかし天気は快晴、朝日が射し込み
ほのかにピンク色がかった絶妙な色合い。
寒いのは大嫌いですが、この空気感は最高ですな!
そして程なく到着したのは長坂長閑斎屋敷跡。屋敷跡、と言っても立派な城館です。
武田勝頼の家臣・長坂長閑斎光堅(ながさかちょうかんさいみつかた)の城跡で、
今でも切岸は綺麗に残り、雰囲気はバッチリ。真冬の早朝、
凍るような寒さですが、清んだ空気にこの城跡は鮮烈な興奮を覚えさせてくれました。

その興奮のまま向かったのは笹尾塁
釜無川の侵食谷に突き出した崖上に築かれた砦ですが、これまた最高!!
これでもか!というほど土塁が盛り上がって、かなり技巧的な作りだった事が
容易に想像できます。最近整備されたらしく、広い駐車場もあって◎♪
何より、そこから見える景色は
笹尾塁にて
笹尾塁にて

こんなに開放的!
眼下の田圃が、まるでジオラマのよう…。
霜柱の河
霜柱の河

笹尾塁の駐車場前、城跡へ至る道は
氷河ならぬ、霜柱の河になってました。
凍れる世界でしたが、不思議とそれほど寒さは感じず…。

いやぁ、北杜の城はどれも良いぞ!と思いつつ次に立ち寄ったのは谷戸城
今回の城めぐりの中で一番メインに考えていた城です。
何と言っても、国指定史跡ですから。
期待に心躍らせながら、駐車場に車を入れると出迎えてくれたのは
八ヶ岳連峰
八ヶ岳連峰

今度は八ヶ岳が堂々とした姿を見せてくれました。
この時、温度計を見たら−3℃。でも寒くない!
そして肝心の城跡は…
国史跡 谷戸城跡
国史跡 谷戸城跡

このクッキリした土塁!キッチリした空堀!!
いやもう、これは期待以上の素晴らしさですよ♪
そして遠景にはアルプスの峰々…言う事なし!
とにかくスゲーよ、ここは (^-^)

何とも言えない満足感に満たされながら
続いて、谷戸城の南側にあったというもう1つの城館跡を訪ねるべく
車を走らせました。ところが、これがどこにあるのか全然分からない。
地図と照合しつつ、ここ?いや、むしろこの地形か??
あれ、この段々に造成された宅地は…?でも、う〜ん。
30分ほど悩み続け、ここは諦めようと決断。しかし、痛恨の敗退&時間ロス (><)
その場を離れた所、目に入ったのは…(城ではありませんが)
国史跡 金生遺跡
国史跡 金生遺跡

古代の住居痕跡と言われる遺跡で
史跡整備され、当時の建物を再現しています。
でもさぁ、日本の古代住居と言ったら
藁葺の竪穴式住居が一番に想像されるんだけど
ここのはちゃんと壁が作られた建物…。
何かちょっとイメージと違う(苦笑)
どっちかと言うと東欧とかにありそうな? (^ ^;
(まぁ、勝手な想像なんですがwww)
ちなみに、探し当てられなかった城館跡は
4年後にリベンジしてきっちり訪れ直しましたが、その話はまたいずれ(苦笑)

今度はちょっと山の方へ向かい、林道を登った先にある朝日山塁を攻略。
でも、山深い中では少々わかりづらい…。早々に退散し、返す刀で若神子城にも攻めかかります。
ここは再訪の城なんで軽めに見て回るだけにしておきましたが
それでも、写真に撮っておきたくなる風景がこれ!
富士山
富士山

若神子城の展望台からは、
くっきりと富士山が見えます。
♪頭を雲の上に出し〜♪という歌の通りですな(笑)
さすが日本一の山!
それにしても、甲斐駒ヶ岳に八ヶ岳
とどめに富士山まで出てくるんだから
さすが甲斐の国は名峰揃いですなぁ。

さて、北杜市内最後の城として攻略したのが獅子吼(ししく)城
今までの城跡に比べると、ちょっと険しい(と言うほど凄くもないですが)山にある城です。
ただ、ここは甲州の戦国城郭にしては珍しい“石垣がある城”。
山の入口から、尾根道を5分ほど分け入った途端に壮観な光景が!
出るわ出るわ、お宝ならぬ石ころがゴロゴロと…。
北杜市史跡 獅子吼城址
北杜市史跡 獅子吼城址

そりゃ、江戸城名古屋城にあるような
キッチりした石垣とは違いますが
中世の城跡で、しかも山城で
これだけ石がザクザク出てくるのは異例なんですよ。
思わず「おぉ〜っ!!」と声を上げてしまいます。
山頂まで僅かな距離ですが、これを見ながら上がれば
なかなかの達成感… (^-^)
甲信地方の石垣って、平たい石を積み重ねていくんだよね。
地域独特の工法を目にして、色々と考えさせられました。

北杜市を離れ、韮崎市に移動。
ここではまず、能見(のうけん)城を見ようと思い
すぐ傍にある穴山駅までやってきたんだけど、地域の案内板を見てみると
なになに、穴山氏館なる城館がある…?
能見城は行った事がある城だったので、急遽予定を変更し穴山氏館跡を目指しました。
案内板は随分と簡略な(というか、曖昧な)地図だったんですが
それでも頑張って行ってみると、まぁ、何だ、その…藪ですな(爆)
とは言え、ちゃんと説明版と標柱だけは建っている。
立派なんだか、そうでないんだか (^ ^;;;

然る後に向かったのは新府城址。
ここは甲斐西部で中心となる程の大城郭なんで、以前に行った事はあるんですが
改めてもう一度見直したいと思ったので訪問。大手口から攻め上がれば
やっぱり凄い遺構がいっぱい現れてきます。前回、見落としていた場所も
多々あったので、再訪して正解でしたな。

不期遭遇戦があるなら、多分この辺りなんだけど…と想定していたんですが
さすがに予告無しじゃ行き会わないなぁ (- -;
そんな事を考えつつ、次に訪れたのは武田信義館跡。
こちらは住宅地の中に標柱が1本立っているだけなんで、オマケ的な1城(爆)
この後、さらに韮崎市内の山城も行こうかと考えていたんだけど
時刻は既に午後2時過ぎ、しかも昼食抜きだったんで諦めた。
場所を移す為、再び中央高速に乗りSAで遅めの昼御飯を。

#結果的に、その山城に登ってたら遭遇した可能性
  大だったようなんだけど…なかなか上手くいきませんなぁ(苦笑)

甲府南ICの目の前にあるのが八代郡の勝山城跡。
簡単に行けそうな場所と思われたので、いったん高速を降りて訪城してみた。
確かに、見つけるのは然程難しくなかったんですが
実際に行ってみると…城山まるごと桃畑。つまり農園。私有地。
これは迂闊に入れない〜! (><)
畑を荒らす訳にも行かないので、軽く中を覗く程度にしておきました。
とりあえず、城跡の石碑があったのでそれを撮影し一目散に撤退w
いやはや、石碑には「攻めるにかたし勝山城」って書いてあるんですが…ホンマやなぁ (^ ^;
ちなみに、桃の木って枝が低く広く伸びるんですよね。
桃畑に入り込むやいなや、天然の逆茂木状態で見事に行く手を阻んでくれました (T_T)

※逆茂木(さかもぎ):木の枝や切り株(根っこの部分)を突き出して並べ
             城を守るバリケードにしたもの

甲府は「ついで」で寄っただけでして、次の目的地は都留。
ここでまず、市街地の中にある谷村(やむら)陣屋跡へ。
場所を確認した後、今度は町の裏山に登っていきます。
谷戸城に次ぐ本日2つめのメイン、都留郡の勝山城です。
ここも以前行った事がある城なんですが、実はこの時
勝山城では発掘調査をやっていて、地中に埋もれていた石垣が露呈しているとの
情報を掴み、それを見に来たという訳。喜び勇んで山を駆け上がると…
山梨県史跡 勝山城跡
山梨県史跡 勝山城跡

おぉ!見事に石垣が露出している!!
昔(10年ほど前)に来た時は、まだ城めぐり初心者で
山肌に1つだけ出ていた隅石を見ても
「こんなのタダの石ころだよなぁ」としか思わなかったんですが
今回、埋もれた石垣がこうして検出されている様子を見て
「なるほど、これは確かに石垣だ!」と再確認しました。
それどころか、この石垣は近世の組み方だよねぇ?
獅子吼城の荒々しい積み方とは打って変わって
きちんと加工した石が間を詰めて積んである…凄ぇ。
行って良かった! (T-T)感涙
ちなみに、この石垣
勝山城登城路
勝山城登城路

こういう登城路のキワに組まれたもの。
斜面の土砂が崩落して、すっかり地中に
埋もれていたようですが、発掘調査で
日の目を見る事になりました。
坂道の遥か遥か下には…都留の町。

城山から降りたところで、ほぼ日没。
山梨県内の城は存分に堪能したので、そろそろ帰るか…という時間ですが
いや、今日は「24時間耐久レース」と決めたのだからまだ終われない!
神奈川県内に戻ったところで、もう1城攻める事にしました。
斯くして向かったのは津久井城跡。神奈川県北の山城です。
日がすっかり落ち、真っ暗になった後の山城登り…。
まぁ、懐中電灯は持ってるし石垣山城や山中城だって行ったし
何とかなるんじゃない?と思って登ったのが運の尽き。
津久井城はそんな甘い城じゃなかった!
道は険しく、懐中電灯の明かりじゃどっちが山頂へ向かう道なのか分からない。
何より、石垣山や山中は普段から何度も行っている城だけど
津久井は今回が始めての登城。そりゃまさしく“右も左も分からない”状態だよ!
ヤバイ、これは遭難か?!と恐怖を感じたところで
ちょうど山頂に到着したので何とかなりましたが
夜討ちが如何に難しいものだったか、身をもって勉強させて頂きました。

後日、改めて昼間の津久井城を訪れましたが
日中登っても非常に険しい山道でした。これを夜中に登ろうとは
我ながら、かなり無謀な事を…と反省。皆さんもやめて下さ…え、やらんって?

この後は帰宅する方面の道すがら押さえられる田村館へ。
ここは住宅街の中に石碑が1枚建つだけなので危険は無し。
しかし流石に疲労感が増してきて、ちょっと動くのがつらくなってきた。
それでも気力をふり絞り、相模川を渡って一宮館へ進み
もう一丁、大庭城にまで到達。これで今日の訪城は合計22城。
まだ少し時間が残っているので、このまま横浜市内の城跡にも攻め込もうかと思ってたんですが
それをやっちゃうと、多分無事に家へ帰れないような気がする (^ ^;
いい加減、体力の限界を感じ&ここなら家に一番近い城跡なので
大庭で打ち止め、帰宅する事にしました。
いやぁ、山梨県内は素晴らしかったんですが
神奈川に戻ってきてからはグダグダになっちまったなぁ (x_x)



んで、イベントの集計を見てみると―――22箇所攻めても、記録は第3位。
2位の方は29城、1位の方に至っては31城も訪れてました。
うぇー、これは参った。上には上が居るもんですなぁ。
まだまだ修行が足りない事を痛感させられました。
さりとて、甲斐の城はどれも感動的…じっくりと楽しませて頂きました♪


◆◇◆ 刺すほどの 寒さ相手に 城攻めは 気迫十分 至る甲斐あり ◆◇◆




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