2001年7月 西国制覇(3)

どうやら夜の間にも降ったらしいんだけど
とりあえず朝には雨があがり、次第に山霧が晴れてきた感じです。
宿の部屋から見下ろす景色は、遠くに薄く白雲がたなびく山並みに
眼下の吉野川、そして池田大橋と白地交差点の大ループ。
何だかとても絵になる風景だねぇ。
さて、宿を引き払って出発しようとロビーを出たら
ん?なにやら玄関前に史跡案内と思われる白い看板が。
え、まさか、やっぱり…と思いつつ見てみると、
案の定、この宿が昨日探し回っていた白地城の跡だとさ!
あはははは、こりゃ傑作だ。
城好きだけに、知らないうちに城跡に泊まってたんだねぇ。
って事は、部屋で見た景色はさながら昔の城主が眺めていたものと同じって事やね。
道理で街道や川の流れが良く見える訳だわ。
城跡として抜群のロケーションだもの。
とりあえず、昨日の謎が解けてスッキリしました。
これで心置きなく今日の目的地に出発できる (^-^)
さぁ、国道192号線を愛媛県方面に進むぞ!
宿からの眺め
宿からの眺め

ちなみに、これが宿からの眺め。
吉野川の水運とそれを跨ぐ橋、
大きな幹線道路の交差点、
如何にも交通の要所ですよね。
時代を遡って、戦国時代でも
変わらぬ情景だった事でしょう。

と言っている間に、その名も境目峠を抜けて県境を突破。
峠のトンネルをくぐった所から愛媛県です。
徳島自動車道・高知自動車道・松山自動車道そして高松自動車道と
4つもの高速道路が分岐・合流するJCTを横目に見つつ、
当時の川之江市中心部、現在の四国中央市川之江町に入りました。
このあたりは“紙の町”として有名で、いくつもの製紙工場が並び
その関連で大型トラックも多数行き交ってますな。
そうした工場の中を抜けて行き、国道11号線を北に進み町外れへ。
ここにある小さな山・鷲尾山が今日最初の目的地、川之江城址です。
御多分に漏れず、これまた天守の無い城に現在は模擬天守が建つ観光地ですが
歴史は古い城跡で、別名で仏殿(ぶつでん)城とも呼ばれていました。
要するに、元々はお寺があった由緒ある山を要塞にしちゃった訳ですよ。
だから仏殿城。それにしては、何度も落城して御仏の御加護はあまり無かったようですが…。
あ、御加護じゃなくて罰が当たったって事なのか?!

川之江から国道11号線を北上すると、今度は香川県。
結局、愛媛県はほんの30分ちょっとしか滞在しなかったなぁ(笑)
燧灘(ひうちなだ)を左に眺め、次に向かったのは有名な銭形です。
そう、時代劇「銭形平次」のオープニングに出てくるあの銭形(って古いか)。
あれ、セットとかじゃなくてちゃんと実在する史跡なんですよ。
その銭形を一望できるのが琴弾公園でして、拙者もその公園の展望台から
眼下の銭形を見下ろしました。おぉ、確かに寛永通宝の形になっている!
緑の松原の中に白く光る銭形の砂地、そしてその向こうには青い海…。
確かにこれは素晴らしい観光名所でありますなぁ (^-^)

琴弾公園から更に北上、琴平町方面を目指します。
琴平と言えばそう、金刀比羅宮ですね。
城めぐりツアーですが、金刀比羅宮くらいの有名観光地は行っておかないと (^^;
そんな訳で、少々道に迷いつつ、国道377号線で琴平町へ直行し
やってきました金毘羅さん!駐車場に車を入れたら、ここからは徒歩で石段を登ります。
参道の両脇にはいくつもの土産物屋が並び賑わっていますが
それを横目に見つつ、ひたすら前進。いやしかし、長い階段だなぁ。
金刀比羅宮参道
金刀比羅宮参道

神社やお寺に石段はつきものですが
さすがに四国きっての有名処だけあって
堂々たる構えでございまする。
城攻めで山登りは比較的慣れているオイラでも、少し疲れを感じてきたところで
ようやく拝殿に到着。おー、さすがに風格ある立派な社殿ですね。
こうやって見ると、(城ばかりじゃなく)神社やお寺も惚れ惚れしてきます。
とは言え、次の予定(もちろん城です)があるのでそんなにのんびりとはしていられず
奥社までは登らず、ここで撤収する事にしました。さらばぢゃ、金毘羅さん!

香川県、讃岐国と言えば讃岐うどんだよねー。
お昼時だし、うどんでも食べようかな。通りがけに手頃なうどん屋さんでもあれば
一杯引っ掛けようかな(←酒じゃないんだから)と思いつつ車を運転。
ところが…ありゃ、うどん屋より先に次の目的地に着いちゃった(爆)
着いたからには、食事は放っといて見学見学! (^^;
平気で食事を後回しにできる場所と言えば…城ですよ。
やってきたのは丸亀城。市内にある小高い山を丸ごと石垣で固め
その上に小ぶりな天守が現存している城跡です。
小さな城跡と侮る無かれ、この城の石垣は壮観!
これでもかこれでもかと屹立して斜面をがっちり固めた姿は
まさに「鉄壁の要塞」という表現がピッタリで、迫力があります。
とかく現存天守に目が行きがちになりますが、ここは石垣の美にこそ注目ですね。
本丸跡から南側を望めば、“讃岐富士”こと飯野山も綺麗に見えます。
国史跡 丸亀城跡
国史跡 丸亀城跡

石段に続いて石垣の写真…なんちゃって (^^;
あ、もちろん現存天守も見ものですよ。
妻側と棟側の比率が通常の建築物と逆ですし
何かと話題に事欠かない城です。

え、昼飯?城を見てたらすっかり時間がなくなりましたよ (^^;;;

丸亀から東へ進む国道11号線を走りつつ、途中でちょっと道を逸れて山の中へ。
坂出市にある城山は、古代山城である城山(きやま)城の跡。
ところがこの山、今やゴルフ場になってるんですよね。
クラブハウスの脇まで行けば、遺構が多少残っているっていう話なんですが
ゴルフやらない通りがけの観光客が、場内をうろつく訳にも行かないので
軽く案内板を眺める程度で、ここはスルー。再び国道11号線に戻り
高松市方面へ向かう事にしました。

国道11号線から左折し、国道30号線を北上すれば、次第に高松市街中心部へ。
四国を代表する名勝にして有名な大名庭園である
栗林(りつりん)公園が左手に見えてきました。
う〜ん、これも見てみたいんだけど、目的地は別の所なのでねぇ…。
帰りに時間があれば寄る事にして、まずは更に北上して海まで向かう事にします。
高松港に面した位置にあるのが高松城跡。
別名で玉藻(たまも)城と呼ばれ、
まるで海に浮いているように見えたと言う風光明媚な城です。
今でも、濠の水は海水が入るようになっていて
時折、瀬戸内の鯛が泳いでいるとかいないとか ?!
月見櫓・続櫓・水手御門、それに移築遺構である艮(うしとら)櫓が現存し
国の史跡に指定されている立派な城跡ですよー。
国史跡 高松城址
国史跡 高松城址

現存天守が4つもある四国は
城マニアにとって聖地。
水戸徳川家とも関わりのある
ここ、高松城は天守こそ失われたものの
それを補って余りある遺構が満載です。
それにしてもこの↑艮櫓、
不均整なほどに大きな石落しですよねぇ (^^;

えー、城跡をじっくり見たら(案の定)時間がなくなり、栗林公園は行かず終い。
今日の宿へ向かうべく、高松市から香川県道11号線を西の方へ進みます。
五色台スカイラインに入る直前、瀬戸内海の展望が開けた場所で一休み。
何だかとっても開放的な風景に心が動き、思わず写真を撮ってみたりします。
五色台にて
五色台にて

手前の島は小槌島。
奥の島は大槌島。
そのまた向こうには本州、
岡山県の姿が見えます。
見晴らしの良い絶景ですな!
うん、上等上等。良い写真が撮れた!
相変わらず駆け足の日程だったけど
今日は日暮れ前に宿に着いたし、じっくりのんびり寝るとしますか!




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