★★★相州乱波の勝手放談 ★★★
#42 久々にEXPOのレポ上げたるぞ!2022
 




えーっと、すっかりレポを上げる事の無くなった「お城EXPO」ですが…まぁ改めてご説明致しますと
2016年の12月以来、毎年年末になるとパシフィコ横浜(国際展示場)で開催されるのが恒例になった
全国のお城を紹介&専門家の講演など諸々のお城イベント集大成!という感じ?(どんなやw)ですわな。
オイラは初回から毎年参観しておりまして、最初は懐疑的だったんですがそのレポを都度上げてきました。

初年度の様子「お城EXPO2016」についてはこちらのレポで…。

次年度の様子「お城EXPO2017」についてはこちらのレポで…。

三年目の様子「お城EXPO2018」についてはこちらのレポで…。

番外編の様子「出張!お城EXPO」についてはこちらのレポで…。

四年目の様子「お城EXPO2019」についてはこちらのレポで…。

さすがに5年目ともなれば、見る方も出す方も慣れたものになりまして、もう今更何か
レポ上げるでもないかと云う感じになったので省略してきましたけど、今年(2022年)は久々に
「レポート希望」のリクエストを頂戴しましたので、ご期待に副うべく執筆してみます★(←何だか偉そうw)
レポート上げていなかった2年の間、世の中はコロナ禍だったり、それでもEXPOは
パシフィコ横浜会議センターからパシフィコ横浜ノースに場所を変えて開催するようになったり
夏には「城熱祭」なんて新しいイベントも立ち上がったり、更には大阪でも「お城フェス」のようなものが動き出し…。

少しずつ周囲の環境が変わりつつある中、今年のEXPOはどのようになるのか?いや、何も変わらないのか?
…なんて事を気にしつつ、今回のレポを上げてみる次第にござりまする。

それにしても毎回の事ですが、何でこんな暮れの押し迫った時にやるんだろう…。
オイラだけでなく、世の中として年末は皆さん常識的にお忙しいでしょうに (^ ^;
むしろ年明けにやってくれればどれほど楽な事か(個人的愚痴)
パシフィコ入口にて※画像をクリックすると別頁で拡大表示します(以下同じ)
エントランスにはお馴染みになったこの看板!
そして開城時刻より前にも関わらず、もう数え切れない程の入城待ち大行列…コロナ禍とか関係なしに人出が凄いw
TV局か何かの取材クルーも動き回っておりました。

以下、とりあえず以前と同様に主な展示内容をダイジェストでご紹介していきます。


@日本100名城&続日本100名城パネル展 / 城の基礎知識
まぁコレはもう毎年同じ内容という事で(爆)去年あった物と全く同じパネル展でしたが、
お城初心者には必須、お城マニアには常識、という事なのでこれ無しでのEXPOはあり得まへんわなぁ(笑)
とは言え、内容的には何も変わらないので…流石に目新しさは無いなぁ。
見物する人も少なく、ちょっと閑散とした雰囲気。ここは何かテコ入れが必要なのでは?
100名城パネル展 城の基礎知識

Aよみがえる中世城郭模型展
その「テコ入れ」替わりになるモノなんでしょうか、同じフロアに並べられていたのが中世城郭のミニ模型の数々。
A5サイズくらい?のかなり小さな模型なんですが、なかなか秀逸な作品&ラインナップでして…
我が家の近所の大庭城!大庭城模型この城を選んでくれた関係者各位に感謝!!しかも現状で欠損した部分も再現してる !!!
湧水に包まれた幻の城…泉頭城模型 河村城模型畝堀が見事な神奈川県屈指の名城!本当に良いチョイス!
城友のおーちゃんさん一押しの安田城安田城模型郷土の誇りになる城って良いですねぇ。
この他、菩提山城とか東金城など、どれもこれも渋い名城揃い。
もうすぐ終わる今年の大河ドラマ「鎌倉殿の13人」に関連してか、衣笠城なんてのも…そこ狙うかぁ、と思わず感心w
ちなみに、城の模型関連は今年は大幅縮小。他に「EXPO」のコンテンツとしての目立つジオラマはありませんでした。
これって「城ラマ」の二宮さんが自前で「城熱祭」をやるようになっちゃったから?というのは邪推でしょうか…。

B企画展示「城郭と技術」
「EXPO」としてのアカデミックな題材、今年はこれでした。
知識として「石垣の種類(野面・打込接ぎ・切込接ぎ…等々)」とか「縄張の技法(連郭式やら、虎口の導線やら)」なんてのは
お城を好む方々なら多少は分かっていると思うのですが、では具体的にその方法は?技術や計算は?と言われるとなかなか。
そんな工学的な話題を、当時の資料ではどのように表現していたかというお話でして…。
土塁の解説書 測量機器の解説書
なるほど、こういう解説書があっての築城術な訳ですよね。そして和算の凄さに改めて脱帽。
西洋の代数幾何学とは別次元でのレベルの高さに驚かされるばかりです。一方で、その西洋が日本に対して
どれだけの関心を寄せていたかが分かる展示物もあり…
幕末頃の江戸府内地図幕末頃の江戸(“JEDO”です)府内地図があったり
それよりもっと古い(1750年)ケンペルの
「江戸近郊図」があったりするのですが
ケンペル/ショイヒツァー「江戸近郊図」
この「江戸近郊図」を良く見ると…
「江戸近郊図」拡大
小和田(Kowara)南湖(Nango)
中島(Nakasima)馬入(Banju)
Matsyaは松尾?と、我が茅ヶ崎近辺がやけに詳細。
江ノ島(Ile Jenosima)の左隣にある岩は烏帽子岩か?
地元民としては、思わず目が釘付けに(笑)
で、築城に限らず地図というのは重要な軍事情報な訳で、古代から現代まで如何に正確な測量を行うか?がキモ。
いわゆる「行基図(ぎょうきず)」から始まり…
「扶桑国之図」1662年
「行基図」と云うのは、奈良時代の高僧・行基が救民のため
全国を行脚したという伝説に仮託し、畿内を中心に日本の諸国が
どのように連なっているのかを示した“模式図”的な地図の事だそうで。
実際に行基さまが地図を作ったと言う訳では無いそうですが、
弘法伝説と同じく、全国行脚をなされた事で
「日本の国の姿を明らかにした」という話に繋げているようですな。

江戸時代中期には、精度を高めた
「赤水図(せきすいず)」が出て…
「改正日本輿地路程全図」
「赤水図」と云うのは、江戸時代中期の
地理学者・長久保赤水図(ながくぼせきすい)が
当時の技術を駆使し、ある程度の測量・計算を
行った上で制作した地図。「伊能図」が出るまでは、
これが最新の精度に基づいた地図で
実用に耐えうるものとして重宝されていたとの事。

そして皆様御存知の「伊能図」の登場!
「大日本沿海輿地全図」小図
所謂「伊能図」正確には「大日本沿海輿地全図」
江戸時代後期の地理・天文学者である伊能忠敬が
全国をくまなく実測調査したデータから制作した地図。
その精度は、現代の衛星地図と遜色ないレベルです。
伊能忠敬は、測量によって地図生成に必要な「データを収集」し
(なので、必ずしも本人が行った測量だけではない)
その数値を元に、図面が制作されたもの。ですから
忠敬の死去の後、この地図は完成したのですが
(忠敬はあくまで地図データの収集と制作方法を示した形)
その偉業は間違いなく、彼の功績という事になります。

という「地図の歴史」なんかも表示されていて、個人的にはかなり興味深い展示内容でございました。
ちなみに、今年(2022年)は伊能図完成から201年…。

Cコーエーテクモゲームス特別展示「信長の野望」で描く日本の城
で、日本地図に関連してこんなモノが―――
「信長の野望」全国地図
昨今は大河ドラマでも「3D地図監修」なんて肩書で出て来られるようになった
シブサワ・コウさん…と言うか、光栄(敢えてこう書きますが)さん。
何せ「全国統一を目指す戦国シミュレーションゲーム」がウリですから
そりゃ「信長の野望」は地図や城と切っても切れない関係ですわな。
(ウチのHPでも色々と使わせて頂いておりますしw)

そんな訳で「ノブヤボ(の最新作)」で登場する城を
いくつか御紹介…という感じの展示でした。っつーか、ほぼ
「スマホに今この場でゲームをインストールしてね」的なセールスコーナーでしたがw
肝心の「お城紹介」については動画を上映していたので、それは撮影する訳にもいかずここでは割愛しますけど
こんなパネル展示があったり小田原城は最強!小田原城は最強じゃ〜!!!
恰好えぇフォトスポットが用意されていたり信長の野望フォトスポット
なぜ“手ぬぐい”なのでせう?ゲームをインストールすると貰えるプレゼントも
最近は御無沙汰しておりますが、往年の「ノブヤボ」ファンとしては「待ってました!」と言う展示。
城でしょ?戦国でしょ??そりゃEXPOに信長の野望があって当然だと思う訳でして。
いや、むしろ何で今まで無かったの?という位。と云うか、ノブヤボで城ネタと言うならば
もっと色々とあっても良いだろうと。何せ、コーエーの本社は横浜ですしねぇ。EXPOとコラボ、いくらでも出来そう…。

D長野 剛 武将イラスト原画展
で、ノブヤボに関連してこんなモノが―――
大谷刑部石田治部島左近
西軍三首脳、そして東軍三本柱…
井伊の赤鬼東照大権現様ホンダム…
とまぁ、ノブヤボのパッケージイラストで御馴染みの長野画伯が描いた武将イラストが数点。
こうなると「お城」とは無関係では?(まぁ「城主」ではありますが)と思えなくもないんですが、それもアリかと。
この他にも数点、島津義弘や黒田長政、齋藤道三それにもちろん信長とか、有名武将の絵画が並んで壮観でしたが
その中に、ひときわ(個人的に)目を惹いたのが…
金吾中納言
焔硝蔵の第6話でも取り上げた、小早川秀秋の像。
西軍ファンの方々からすれば“A級戦犯”な武将ですから、一般的に知られた
秀秋の絵画をして「タレ目」「惰弱」「情けない」とボロクソに酷評されますが
(詳しくは第6話を御参照下さい)
こうしてきちんと描けば、やっぱり凛々しいお姿。そりゃね、一軍の大将ですから。
皆様もう少し秀秋さんの事を見直してあげて下さいよ〜、って
何でこんなフォローしてるんだ俺?! (^ ^;;;

Eお城シアター / イベントステージ / ワークショップ&セミナー
は、例年通りと言う事でw

F城の自由研究コンテスト 優秀作品展
小学生が作ったこの模型、どの城だと思われます?
関ヶ原合戦の直前、上杉家が新たな会津の首府にしようとした
未完の大城郭・神指(こうざし)城の想定模型です。
神指城とは、また最高にマニアックな題材を選んだものですなぁwww
神指城模型
と言った具合に、年々レベルの上がっている小中学生の自由研究ですが
今年の内容は一段とハイレベル。選ぶ題材然り、研究のアプローチ然り、
追及の深度然り、纏め方の文章力然り、めっちゃ凄いですわ!
中学生のレポート文章なんか、大人顔負け…と言うか、俺あんなに凄い文面書けんわ(脱帽)

G土産・グッズ・書籍販売会
新たにパシフィコ横浜「ノース」が会場となって以来、物販ブースや書店ブースが上手く分散し
まぁ混むには混むのですが、それでも何十分と待たされると言うような事も無く
そこそこスムーズに流れるようになったかな?というのがこの数年の感想。
ですが、今年はちょっと気になった所が。物販ブースのレジ、4レーン用意されていたんですけど
そのうち、キャッシュレス決済のレーンが「1レーンだけ」残り3レーンは「現金専用」。
う〜ん、これだけコロナ禍で非接触決済が“当たり前”になった状況なのに、この比率は…むしろ逆でしょ?
実際、オイラが買い物した際にはカード決済待ちで滞留。現金レーンは空いていて
オイラもカード決済するつもりだったんだけど、待つのも時間の無駄だから現金でいいや、ってな事に。
機材の問題やコストの問題とかもあるでしょうが、ちょっと時代に合わない対応は改めた方が良いかと。

H城めぐり観光情報
今やすっかり「全国各地のお城情報紹介場」となったこのコーナー。
初年度や2年目は「中途半端な観光情報」だったのが、すっかりお城に特化する形になりました。
「お城EXPO」ですから、これが正しい在り様と思うので、それについてトヤカク云う必要は無くなりましたねぇ。
なので、今までの傾向に比べて今年どうだったかを書いてみようかと思うのですが、
浦添城ブース首里城公園ブース沖縄県ブース中城村ブース
今年は沖縄勢強し!この他に今帰仁城とかも…
関ヶ原町ブース恵那市ブース岐阜県ブース中津川市ブース
そして岐阜シリーズも大〜きく面積取ってる!まぁ関ヶ原は来年の大河に寄せてる感じですがw

と言う感じで、今年は異様に沖縄県が拡大し、前から大勢力だった岐阜が益々大きくなったような印象。
その分、関西(滋賀・兵庫を除く)や北関東、特に四国勢が衰退しているように思えました。
四国で出展してたのは高知県ブースだけのような。関西系が弱くなったのも、もしかして大阪でのフェスに乗り換えた?
こうなると「EXPO」が唯一無二のお城イベントという事では無くなるのかも…。
去年までは「天下人・三好長慶の城」とか言って芥川山城などをガンガンに売り込んでいたのに
今年はすっかり鳴りを潜めてたんですよ…これってどうなんですか、はやま。さん?(←完全に私信w)

そうそう、大河ドラマ関連と言うと
三浦一族城郭保存活用会ブース
ギリギリまだ放送中だった2022年の大河ドラマ
「鎌倉殿の13人」に最後の便乗?と言う感じで
“三浦一族の城”という売り込み(笑)
えー?ちょっとそのくくりは無理矢理じゃね? (^ ^;
っつーか、三浦の城の保存状態って
お世辞にも(以下、自主規制)
横須賀市ブース
逆に来年の大河ドラマ「どうする家康」については
明暗ハッキリと分かれている感じ?愛知県勢は従来から
活発な情報発信で、それが今年も続いている感じでしたが
静岡県勢はどちらかと言うと控えめになってしまったような。
この「浜松ブース(という名の大河ドラマ館ブース)」以外には
諏訪原城を擁する島田市のブースしか見かけなかった…。
浜松市ブース
そうそう、ゆるキャラも仰山おりましたw戦国IXAよしもとくんちきりくんよう知らんけど(爆)
正直、ゆるキャラももう飽和状態だよねー (^ ^;頑張ってるのは分かるけど…。

さて、今回の展示で一番圧巻だったのはこちら!
対馬観光物産協会ブース
金田城の巨大ジオラマ!
「EXPO」公式の出展としてのジオラマは下火になった分
各観光情報ブースが自前で模型を持ち込むようになりましたが
その中でもこの「山そのもの」を持ってきた対馬のブースは凄い!
とにかくね、このジオラマがめっちゃデカいんですよ。
製作費のみならず、輸送費だけでもかなりかかりそう…。

とか言いつつ、今年の「個人的勝手にMVPブース」はそこではなくwww
滝山城“プロジェクションマッピング”ジオラマ

八王子市のブース。お分かりでしょうか?
滝山城と八王子城の「真っ白い山の模型」を置き
そこに「プロジェクションマッピングで」様々な内容を投影するという展示。
もちろん、好きに投影内容を選べるので
「縄張図」「現状の山林」「当時の推定復元図」「登城路」などなど
多種多様な情報が表示できるんです。
八王子城“プロジェクションマッピング”ジオラマ
 ↑
←同じ模型なんですが、投影内容を替えるとこんな風に変化!

八王子城“プロジェクションマッピング”ジオラマ
これはスゲー!と感心する事しきり。しかも八王子市ブースはそれだけでなく
焼物撒き菱(レプリカ)レプリカではありますが、昨今話題となった出土品「焼物撒き菱」!
忍者道具で良く登場する「撒き菱」、敵の足を止める為に地面に撒く簡易障害物ですが
一般的にイメージされるのは鉄で出来た物…ですけど、八王子城跡からは「焼物の」撒き菱が発掘調査により出土しました。
鉄ではなく焼物ならば、ローコストで大量生産が可能ですよね。耐久性も十分あり、焼物でも壊れず実用可能なんだとか。
戦国時代のSDGs?というような品が検出され大いに話題となったブツを、EXPOに持ち込んで下さって感謝!
八王子市、やりますねぇ♪ ( ̄ー ̄)ニヤリッ

あぁそれから「話題の品」と言えばこちらもかな?
福山城天守に貼られた「鉄板」福山城天守に貼られた「鉄板」そのまんまの展示です♪
今年リニューアル工事が終わり、新装成ったばかりの福山城から鉄板の「現物」。触われます。叩けます。結構薄いのね(笑)
まぁ実際には「鉄」ではないそうで。建築基準法の制約で何たらかんたら(以下略)

当然、天守リニューアル勢として岡山城なども大々的に頑張ってましたし、丸岡城は国宝化アピールの熱気がw
大和郡山城からは「かわらけ」の現物なんかも持ち込み。やっぱり実物は強い(笑)反面、地元の神奈川勢からは
伊勢原市が“ささやかに”丸山城の発掘現場を写真展示など、手探りで頑張ってる感があって好感が持てました。
丸山城は糟屋館の伝承地?とも考えられる城跡ですから、もしかして大化けする可能性もありますよね。
室町ブームは密かにキてますし、個人的にはゆうきまさみ先生の「新九郎、奔る!」でこれから大フィーチャーされる?と
予想してるので、伊勢原市さん来年に向けて作戦練って下さいね〜★ (^-^)b


# それに比べて我が茅ヶ崎市は…せっかく大河ドラマで懐島館を売り込む機会だったのに一切スルーだし。
  そもそも、隣の寒川町が梶原景時で半ば無理矢理盛り上げている位だったのに大庭景義の取り扱いなんか皆無って。
  もっとNHKの制作側にアピールするとかさぁ、コロナ禍だからこそ観光振興に話題を提供するとか何も無いの?
  まぁ近所の人間としてはいきなり懐島館に大挙して観光客が来られても困ると言うのが本音だけど
  こういうEXPOみたいな場所を利用する知恵とか芸当とかが全く無いというのも、ちょっと情けない… (T-T)
  ―――ここで愚痴ってもどうにもなりませんがねwww




そういう感じで、簡単ですが今年の展示物を一覧で御紹介しました。
個人的にはノブヤボが満を持して登場?して大いに嬉しい限り(いいぞもっとやれw)なんですが
その反面、今まであった模型展示は大リストラ、写真展は全く無くなってしまいました。
熊本城の地震復旧の話や、その年のエポック的な話題の展示もなし。
前は「駿府城の発掘結果!」とか「首里城の火災被害」とかあったんですけどねぇ。
観光ブースも“勢力拡大する地域(県)”もあれば、淘汰され滅亡する地域もあったりして
まさしく戦国時代、城の取り合いならぬブース面積の奪い合い…という具合になってきましたな。
そう言えば、去年までは講演会フロアも「ノース」の中にひしめいてましたが
今年はとうとう「城外」つまり「ノース」の外に出て「アネックスホール」と言う隣の建物へ移されました。
ですから、講演会を聞くには一度「退城」して、再入城するのが基本スタイルに。
これって良いのか悪いのか…場所は広く使えるようになりましたがどうなの?
幸いにも今年は天気に恵まれましたが(でも土曜日は雨予報だったんだよね)
雨とか雪とか降るような場合、外へ行き来するのはちょっとツラいよねぇ。
もし来年以降も同じようにするのなら、色々と工夫が必要なんじゃないかと思います(老婆心)


その講演会、今年は時間の制約があって平山優先生の「三河一向一揆と松平家康」だけ拝聴しました。
(何せ来年は「家康イヤー」ですから、少しは予習しようかとw)
内容はあまり大っぴらに出来ないので書きませんが、感想だけ述べるなら
「今まで漠然と“腑に落ちない”感があった点を、専門の研究者が調べると
 さすが“納得できるまでの追及がされるモンだ”と落ち着く」ってな感じでしょうか。
え、よう分からんって?すいません、これはあくまでも個人的感想なのでそれ以上言いようがありません(謎)

あぁそう言えば、講演会を「配信」してくれないかなぁと数年前のレポで書いたら
去年から実現するようになりましたな。まぁコロナのせいであって、オイラの意見は無関係だろうけど(苦笑)



一つだけ苦言を申し上げると…まぁこれはEXPOに対してではなく城ビジネスについてなんですが
あの「御城印」大量生産体制はどうなの?神社仏閣の「御朱印」(本家本元ね)も最近はトラブルの元になっちゃってますが
まるでスタンプラリーのように、お参りもせずに「金は払うから御朱印を書け、よこせ」みたいな風潮になって
「それじゃ参拝した御印にはならないだろ」って戒められる訳ですよね。御城印はまぁスタンプラリーみたいなモンですから
印刷した「スタンプカード」みたいな物なのは良いとして(だったら「ダムカード」みたいに「城カード」にすべきかと)
猫も杓子も御城印、もはや登城記念でも何でもなく「商品」のような流通方法って何なの?
EXPOでも、各市町村ブースが御城印を売り込んでいたのは百歩譲ってその土地の方だから良いとして
もはや現地とは全く関係なしに「御城印販売業者が手広く何百枚もの御城印を売り捌く」って
それじゃ登城記念でも何でもなく、各地の城の歴史や伝承もへったくれもなく、タダの紙切れを有り難がって買わされてるだけじゃね?
まるで中世ヨーロッパで退廃キリスト教会がボロ儲けした「免罪符」のように、それを買う人をターゲットにして
次から次へと、手を変え品を変え印刷しまくって、買う方も踊らされまくって良く分からないハイテンション…。
正直、全っ然有難味無いわ。いや、オイラが御城印に興味ないからというだけでなく
冷静に見て、随分と狂ってる―――と言うと随分辛辣な物言いになってしまうんですが
でもやっぱり狂乱的な流行を作り出したもんだなぁ、と。「これで経済回してるんだ!」と仰るなら
それに口出しするつもりはありませんが、ただ…城の楽しみ方とは「全く切り離された商売」になってるよなぁ。これで本当に良いの?
印刷された紙を、その土地に関係も無い印刷業者から買うだけだったら何にも意味が無いと思うだけど。
極端な話、自分でプリンタから出力すればそれで良いだけじゃん。それこそEXPO事務局なり日本城郭協会が
ある程度「御城印の指針」みたいなのを作って、乱発を防ぐ基準や販売体制を整えるべきなんじゃないかなぁ。
まだスマホの「城アプリ」の方が、とりあえず現地に行かないと登城達成にはならないだけ「健全な」スタイルかと。
海上自衛隊の護衛艦が来艦者に配っている「護守印」なんか、本当に乗艦しないと貰えない訳だし
むしろその方が“レア感”はマシマシになると思うんだよなぁ…。
これが護守印です(ちなみに「くまの」は現時点で最新鋭艦)
印刷されたペラ紙ではあるのですが
実際にそのフネに乗らないと貰えないので
「買い漁る」ようなものではなく、正真正銘
「乗艦記念」として頂けるもの。御城印には
興味の無いオイラでも、これなら「記念品として」
有り難く頂戴する事にしています。
護守印「くまの」「いずも」




さて最後になりますが、2019年のレポートで「勝手にMVP」とさせて頂いた安芸高田市の学芸員さん
安芸高田市歴史民俗博物館 副館長の秋本さん
今年も元気に、いや益々絶好調で解説をされておりました。と言うか、スケジュールを見れば
ほぼ1日中しゃべりっ放しという過密日程!凄いなぁと思いつつ、ついついこのブースの前を通りがかると
解説に聞き入ってしまうのであります。いや本当にトークが上手い!分かり易くて面白い!!
もうね、来年のEXPOは聴く側のこっちも1日中張り付いてやろうかと思う位に魅力的なんですが
何と!この学芸員の秋本さん、我が城友の小城さんとお知り合いなんだそうで
そのツテで、今回はちょっとだけですが個人的にご挨拶させて頂く栄誉に預かりました。
秋本さん、その節は大変お世話になりました。お名刺ありがとうございます。
昔もらった千田教授(奈良大のね)の名刺と一緒に家宝とさせて頂きます(いやマジで) m(_ _)m
来年も草葉の陰で…もとい、人垣の陰からじっくりと解説を拝聴致しますのでどうぞ宜しくお願いします〜!!!


(2022年12月19日 AM03:50 校了)
(2022年12月20日 AM00:00 追記/写真追加完了)





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