★★★相州乱波の勝手放談 ★★★
#37 お城EXPO2018を見てきました…わ
 




はい、すっかり年末の恒例になりました?2018年12月22日〜24日の3日間パシフィコ横浜会議センターで
「福山☆冬の大感謝祭」…もとい、「お城EXPO2018」というイベントが開催されました。簡単に言えば
福山雅治さんの年末ライブ…が一緒に行われるスケジュールの中(この3年、そういう状態ですw)
「お城をネタにした、全国の観光物産などの一大展示会」という感じ。

一昨年の様子「お城EXPO2016」についてはこちらのレポで…。

昨年の様子「お城EXPO2017」についてはこちらのレポで…。

初年度、2016年のイベントじゃ「これ、そんなに有意義な出展ってあるか?」と訝し気だったんですが
前回のイベントでは格段に内容が改善されたので「石の上にも三年、今年も行ってみるか」という感じで、
今回の展示にも足を運んでみた次第。年末忙しい仕事柄なんですが、何と奇跡的に3開催日のうち
飛び石で2日も(オイラの職業では奇跡!)休みを確保できたのでねぇ(笑)
結果的にこれで3年連続参加の「かいきんしょー」(←(C)大戸島さんご)←だから分からんってw

#でも実は内容的に一番面白そうだったのは出勤日になっていた中日なんだけどね(ボソッ)

それにしても毎回の事ですが、何でこんな暮れの押し迫った時にやるんだろう…。
オイラだけでなく、世の中として年末は皆さん常識的にお忙しいでしょうに (^ ^;
※画像をクリックすると別頁で拡大表示します(以下同じ)パシフィコ入口にてエントランスにはお馴染みになったこの看板
今年の初日は曇天模様…この後、雨も降りだしました (T-T)

以下、とりあえず去年と同様に主な展示内容をダイジェストでご紹介していきます。


@日本100名城&続日本100名城パネル展
えーっと…まぁコレはもう毎年同じ内容という事で(爆)去年あった物と全く同じパネル展でしたが、
お城初心者には必須、お城マニアには常識、という事なのでこれ無しでのEXPOはあり得まへんわなぁ(笑)
ただ、去年は通路の脇に並べていただけの展示だったのに対して、今年はきちんとそれ専用のスペースを確保。
導線の邪魔にならないような配慮がされていて、前年までの反省→改善という工夫がされていました。
以下、同様に今年は色々と改善点が! (^-^)b
100名城パネル展こうやって1フロア確保!ゆっくりじっくり見られます
先日行った向羽黒山城と三春城続100名城パネル展個人的に今年のキーワードは“続百名城にハズレ無し!”
おーちゃんさんが鬱屈した地元愛を注ぐ?富山城と拙者の関係者向け?wゆーかさんを拒み続ける鮫ヶ尾城(苦笑)
まるでこのHPでネタにせよと言っているかのような並びです(爆)


A熊本城復興支援コーナー
お城EXPO常設展示になりつつある、熊本地震による熊本城の被災状況説明ですが
もう今年は修復状況だけを一覧展示、更には熊本城で実際に使われていた
瓦を数点お持ち頂いての“実物を見せる”内容に。そう、いつまでも痛々しい話をするよりも
「これだけ前進しているんだ!」と言う内容になっていてくれるのが嬉しい限りです。
今後の公開予定との事! 実物の鯱鉾破片
「今後の公開予定」というパネルに感慨ひとしお。急がなくても良い、オイラは何年でも待つつもりですが、
復旧に御尽力されている方々の努力によって今後の道筋が立ち始めた事にちょっと感激&安堵しました。
そして実際に城で使われていた鯱鉾の破片もこんなに登場。熊本城の復興には20年はかかると言われていますが、
もうこうなったらEXPOが続く限り、毎年の進捗報告を展示し続ければ良いんじゃないかと (^^)
それにしても、来年10月の特別公開予定は―――きっと猛烈に混むんでしょうねぇw
でもそのレポートがEXPO2019に紹介されるのかな〜?(笑)


B麒麟から悉く / 宮下英樹 センゴク“大”原画展
2020年の大河ドラマは明智光秀を主人公にした「麒麟がくる」に決まりましたが
それに関連して…ではなく、信長と秀吉による天下統一の過程を紐解く展示がこちら。
サブタイトルは「―信長と秀吉の天下統一―」とされている通り、彼らが発給した禁制や手紙から
どのように地域支配を広げていったのかという事を考察する内容でした。
古文書を読めないオイラにとってありがたかったのが、文面の活字化に加え、現代語訳も載っていた点。
それを読むと、天下人となる彼等でさえたかが(と敢えて言っておきます)国人衆や、農村の住人に
宛てた文書なのに極めて丁寧な言葉遣いや謙遜した文面を用いていたと云う事に驚かされます。
勿論、命令書のような内容だと語調が厳しくなるのですが、それに対して
村の豪族のような武将に対しても協力を求める際には極めて謙った様子になっており
「いつの世も、絶大な権力者であっても、人付き合いは気を遣う」という普遍性が垣間見えました。
当然、展示物は実物の文化財ですので…これは写真撮影禁止という事で (^ ^;

他方「センゴク」に関しては―――すいません、私は読んでないので全然世界観が分からんのですが
(宮下氏が執筆している仙石秀久(戦国武将)を主人公にした漫画だそうで)
とりあえず、ブースの前にはこんな大きな看板が…
秀吉の顔ハメ個人的には天下人になるよりも天下人を操る軍師になる方がいいwww
こちらのブースは写真撮影不可ではなかったようなのですが
流石に絵描きさんの作品をそのままアップするのは憚られるので載せません (^ ^;

Cお城ジオラマ・お城模型展
これまた例年のコンテンツなんですが、今年は一工夫!
まぁ説明するよりも実物をご覧下さいませ★
スケール感が分かる展示→スケール感が分かる展示“大きな城”その向こうには“国宝5城”
松山城模型 安土城模型
模型に合わせて、お城絵画の第一人者・香川元太郎先生の鳥瞰図を合わせて展示!
なるほど、これは一本取られた!城の構造を絵で見ながら
模型で立体感を同時に味わえる展示。こりゃ良いアイデアですなぁ(誰が考えたの?)
このコーナーは予想の上を行く改善がされたので◎(二重丸)の評価ですぞ!
戦国山城の典型例、増山城(富山県)の模型→城ラマさんの展示例
そして城ラマのメーカーさんは、EXPOの為の新作多数&総合展示的なものも。
もうね、城ラマさんは安定の素晴らしさですよ(脱帽)

実物と 模型
ちょっと遊んでみて…会津若松城の現物(左写真)と模型(右写真)w

D歴食パネル展 / 城の自由研究コンテスト 優秀作品展
歴食って何ぞや?って感じですけど、まぁ「当時のメニュー」とか
「地域ならではの食事」についてのあれこれ。
ははぁ、そういう切り口でEXPOのネタを持ってきたのね〜?と云う点で
これは予想の斜め上を行ってるコンテンツが登場(爆)
(これまたこの題材誰が考えたの?w)
一方、全国の小中学生を対象にした「城の自由研究コンテスト」での受賞作も
またもや展示されてました。「子供ならでは」と云う面白い着眼点で
色々な研究成果が展示されており、最近のお子様はスゲーと思ったりして。

Eお城シアター / イベントステージ / お城EXPO検定 / ワークショップ&セミナー
ま、これは昨年と同じですなw

#ちょめさん、いったい何回出演されているんですか?

Fお城EXPO フォトコンテスト
これまた恒例のフォトコン…なんですが、今年の展示はやや少なめ?
しかも同じ人の出展が何品も?? もしかして応募数が減ったのかな???
う〜ん、今年はフォトコンに出してみようかと思える自信作の城写真があったんだけど
でもわざわざ応募手続きするのが面倒だったから辞めたんだよねー。
これだったら出しても良かったのかなぁ? (^ ^;
そうは言っても、きっと来年はこの反動で沢山の人が応募するだろうから
やっぱり次回も出さない〜(何だこの文章w)

G駿府城出土の金箔瓦
さて、2018年秋のお城ニュースで一番の話題だったと言っても過言ではない
駿府城址から出土した金箔瓦がEXPO会場にて展示!本当は何トン単位で出たと云う金箔瓦のうち
ここに持って来られたのは僅か2点だけではありましたが、こういう“最新ニュース”を取り上げてこそ
EXPOとしての存在価値なんじゃないかなぁと思っていたオイラとしては、納得の題材。
(欲を言えば、もっと気前よく何点も持って来て欲しかったけどねw)
金箔軒丸瓦 金箔軒平瓦金箔軒丸瓦(左写真)と金箔軒平瓦(右写真)
静岡ご出身の小城さんと一緒に見学したんですが、やっぱり感慨深いものがあるようで。
流石、お世辞抜きに駿府城は天下の名城という事でございますよ。
個人的には、これから「駿府城ブームが来る!」と思ってる位でしてねぇ。
本丸御殿に続いて天守の木造復元を狙っている名古屋城や
地震で被災さえしなければ城郭完全再現を計画していた熊本城に続いて
これからは駿府城が城マニアにとって“台風の目”になるような気がしてます。
もっとも、駿府は「日本最大の天守台に、その天守を再建しよう!」と目論んでいたようですが
天守台の発掘成果が上がれば上がる程、逆に手出し出来なくなってしまっているようでして(爆)
だからね、あの天守台はむしろあのままの状態で常設展示するようにしちゃって
その代わりに、駿府城公園内の別の場所に改めて再建天守を建てちゃえば良いんじゃないかと。
そして研究を進めて、豊臣期(中村一氏時代)の天守も並べて建てちゃえば良いんじゃないかと。
(復元天守の上から、本物の天守台を見下ろす…と云うのも乙なモノじゃないかと)
本物の天守台と、大御所家康の天守+豊臣政権宣伝塔の天守が勢揃いすれば
こりゃぁもう強烈な目玉商品になりますわなぁ、静岡市さん?
駿府城はそれくらいのポテンシャルを秘めている筈だと思うのですがねぇ。

#とは言っても史跡なんだからそんな簡単に建物建てまくる訳にも行かないという罠www

H土産・グッズ・書籍販売会
さて、去年はこれに関して「レジの回転が悪すぎる!」と不満をぶつけた訳ですが
今年は、グッズ販売、ご当地物産、歴史ネタアイテム、それに書籍…の販売ブースがあちこちに分散。
会場に行くまでは「何だこれ?!?!買い物するのにグルグル回らないといけなくなったのか!」と
半ば絶望感に近い予想を立てていたのですが、いざその場に行ってみたら「これは正解」だと。
去年まで「全部の品物を、全部まとめて買う」状態だったから大渋滞になっていた訳で
この方式だと「欲しい人が、欲しい物だけ買う」ようになったので、どの販売所もスムーズ。
そして予想外だったのが「EXPOグッズでもなく、ご当地モノでもなく、混むのは書籍販売だけ」という実態。
あぁそうなんだ、みんな本が欲しいのね―――まぁそう言われれば自分もそうだわなぁ(爆)
その書籍販売も、誘導や案内をこまめに行っているので行列の流れは比較的良好。
講演会の直後など一時的に大行列が出来る事はあっても、それなりに掃けて行きました。
グッズ販売であちこち動き回るには動き回るんですが、でも結局いずれのブースにも
必ず立ち寄るような配置になっているから、最初の危惧も全然気にならず。
クレジットカードについての要望も、JCBにも対応するようになってました。
(でも相変わらずVISAには未対応、そして運悪くそれに引っ掛かる人もチラホラ)
まぁ今後もまだ改善点は在るんでしょうが、とりあえず来年もこのスタイルで行けば良いんじゃないかと (^-^)

で、やっぱり書籍は欲しい物に色々と目移りする事ばかりでしたが
「買ってもなかなか読むヒマが無い」という現状に追われているので、ほぼ全て買うのを我慢(爆)
結局、買った本は講演会の内容が素晴らしかった平山優先生の最新作と(サインして貰っちゃった♪)
小城さんに紹介されたマンガ本だけ(おいおい) (^ ^;

I城めぐり観光情報
さてさて、初年度は“間に合わせ”的な観光案内でお城とは関係ない地元紹介ばかりだったのが
去年はガラっと進歩して、お城メインにした情報ブースになっておりましたが
今年は更に進化!とうとう「城だけ」に関しての観光情報となってしまいました(笑)
そう、お城EXPOの展示なんだから来“城”客は城の話を欲しているんだもんねぇ。
他の観光イベントとは一線を画して、この展示でむしろOKなんですよ (^ー゚)b

てなワケで、目に付いた観光ブースをいくつか御紹介★
無敵のひこにゃん♪ひこさんは安定の大人気…
田丸城の案内
今年は天災ばかりで、全国各地の城址が
被害を受けましたが、ここ田丸城も石垣が崩落。
そのあたりのお話をちょっとお訊きしたところ
天守台裏手あたりが集中的に崩れてしまったと
伺いました。でも地元中学生たちが整備を手伝い
とりあえず遊歩道は通れるようにしたとの事。
今後も頑張って復旧出来れば良いですね…。

津市ブース、高虎公甲冑の後ろに…シロモチ君のカブリ物?!?!
津市ブース
外人さんを甲冑武者にするのは
格好良すぎて反則やろ〜!(笑)
(トム▼ルーズかよ!w)
そして九戸政実の幟に描かれている
超イケメンキャラも反則やろ〜!!(爆)
だいたい、九戸政実と言えばむしろ
剛腕バリバリの猪武将って感じじゃ? (^ ^;

九戸政実…?

※九戸政実(くのへまさざね)
岩手県二戸市にある九戸城(ややこしいw)主だった武将。元々は岩手県の大大名
南部氏の一族でしたが、宗家の乗っ取りに野心を燃やし、遂には叛乱を起こします。
南部家は豊臣秀吉に臣従していた「天下公認の大名」でしたから、それに逆らうのは
詰まる所、天下人・秀吉に喧嘩を売ったのと同じ事―――という豪胆そのものな暴挙で
政実は“天下統一の最後の最後に大叛乱を起こした人物”に…そして最期は
オールジャパンという戦国大名の総攻撃を受けて散っていきました。


鬼瓦片用途不明?狭間の枠材
姫路城はもちろん「世界遺産」とか「しろまる姫(ゆるキャラ)」を
売りにしてはいますが、今年はようやく?遂に?本物の部材を展示品として出展。
EXPO来城者のようなマニアには、この程度は持って来ないとダメかと(苦笑)


津久井城出土物
ですがね、我が神奈川の名城
津久井城からは発掘出土物を惜しみなく出展。
どうせならこれくらい持って来てくれないかなぁw
この「展示勝負」に関しては、世界遺産の城にも
地元の山城は負けてませんって (^ ^;;;

「平成最後の城」―――なるほど、尼崎城は
色々な意味で上手く勝ち逃げしたわなぁ(笑)
(↑個人的には褒め言葉として使ってますw)

話題の尼崎城…
イカスミ石!
弘前城の展示は「イカスミ石(のレプリカ)」!
いやーこれは確かに目に付くけど、でも
それだけって言う割り切り方も凄いw
あ、何せ天守そのものが「表側だけ派手」と
思いっきり割り切ってるから当然か…。
(↑勿論これも褒め言葉ですw)


※イカスミ石
弘前城は現在、天守台石垣の修復工事中。いったん石垣を全部解体し
部材を点検し積み直している所です。そんな中、烏賊の形をした隅石が発見され
「イカスミ石」の名で話題に!この石材、創建時からあった物なのか
それとも明治の修理時に作り直された物なのか全く分からないナゾの部材。
今後の研究成果が気になります〜!


もしもし?お仕事は??(笑)こちら、スマホに夢中な鎧武者さん達… (^ ^;
こっちはNHKの番組でも取り上げていた
吉田郡山城(広島県)調査の赤色立体地図と
その模型。やっぱり赤色立体地図は城郭研究に
欠かせない手法となってきましたね。当然、
EXPOの展示も幅を利かせるようになりましたが
でもこの手の出展、去年は群馬県ブースが
岩櫃城を大々的に取り上げてましたよねぇ。

吉田郡山城!
沼田城天守模型
個人的に去年のMVP認定(?)だった、その群馬県ブースは
今年は沼田城内の資料館に常設展示している“幻の5重天守模型”を
そのまんまEXPO会場に運び込むという気合の入れよう!
それでいて昨年出展していた岩櫃城の立体模型はどこにもなく、
「以前と同じ展示はやらねぇゼ」(と思ったかどうかは知りませんが)
という矜持が感じられました。すげぇなぁ…。
やっぱり今年もここがMVPかな? (^-^)


とまぁ、挙げればキリがないくらいにどの自治体も力を入れていらっしゃる。
そして3年目ともなると、どこも手慣れた感じになってきて
このイベントではどういうニーズなのか、どういうアピールをすれば良いかというのが
お分かりになってきたように見受けられました。その一方で、今年の豪雨災害で
甚大な被害を被った丸亀城のブースが無かった事が気がかりで…。
やっぱり今年はEXPOに出られるような状態じゃなかったんでしょうか?
もしかして来年は熊本城と同じような特設ブースになっちゃうのかなぁ??

もちろん、昨年に引き続いて専門業者さんの出展も充実。
中でもオイラが最も心奪われたのが―――
凸版印刷さんのブース
凸版印刷さんのブース。近年、全国各地の博物館などで
上映されているリアルな城郭CG映像を一手に引き受けて
いらっしゃいます。で、その技術をスマホアプリで公開も
している訳で、それをPRしてました。まぁ、オイラはスマホ
使ってないのでこのアプリも無縁なんですが… (^ ^;
でもこういう技術を広く浸透させて、色々と使えるようにして
下さるのは嬉しい限りですねぇ。できれば、CG動画を
単独でDVDとかの映像ソフト化してくれると有り難いッスw


と、こんな感じの展示が並んでおりました。




そんなこんなで、今年の展示は取り立ててダメ出しするような展示はなく
どのコンテンツも、どの出展も、いずれも「上手く回せるようになった」と云うのが正直な感想。
さすがに3年やってりゃ、学習・上達するのが当たり前でしょうけどね(笑)
まぁ強いて苦言を呈するならば(←何でそうまでして文句言う必要があるんかいな)
イベントステージが一番混み合う3階フロアの入口に配置されていた事かな…。
みんなが必ず通る所に置いて、沢山のお客さんに見て貰おうという配慮は分かるんですが
正直、上演中はギャラリーの人垣が邪魔&ステージから聞こえる黄色い声が騒々しくて (^ ^;

屋外展示 古河城バルーンプロジェクト
今年は屋外展示も。古河城バルーンプロジェクトと題して
茨城県の古河城3重櫓をバルーンで再現。というか、実物よりも
遥かに巨大なスケールらしいですが(爆)
ステージイベントもこの隣でやっちゃえば良いんじゃない?
その方が「会場外」の人にも「EXPOやってます〜!」って
アピールできると思うんだけどさぁ。ま、天候やら騒音やら
そういう許可が必要とか、色々と制約があるでしょうから
素人がとやかく言えるほど簡単な話じゃないんでしょうけど (^ ^;;;
そういうアイデアは如何?っていう程度の提案で、ね。




ところで、ここまでこの頁をご覧頂いてお気付きかと思いますが
2017年の書式と全く同じ構成で2018年のレポを書いているんですよ、今。
つまり3年目ともなると「良くも悪くも」体裁が整ってきていて
今後もこのスタイルでEXPOが運営されていくんだろうなぁ、と。
ですから逆に言えば、4年目以降はどうなるの?という危惧が早くも感じられる訳で。
やっぱり初年度のレポートでも書いた通り「その年のウリ」になるような、「その年ならでは」な
新しい企画を立ち上げていく必要があると思うんですよね。もちろん、今年の展示では
例えば駿府城の金箔瓦の特設コーナーを作ったり、「麒麟から悉く」の所には
新発見の「明智秀満書状」が展示されていたりして、ニュース速報的なものは
取り入れられているんだけど、何と言うか「企画そのもの」として新しい何かを
来年のEXPOでブチ上げる必要があるような、そんな時期に来ているような気がします。
(オイラがそんな偉そうな事を言える立場ではありませんけどねwww)

#じゃぁ何をすれば良いんだよ?と言われても即答は出来ませんが(爆)

本当は年末のギリギリにやる日程もどうなの?と思っているんですけど
でもそれを逆手に取って「来年のお城展望(スケジュール紹介)」とか
TV局を巻き込んでお城EXPOの番組を収録するとか、あとは横浜では年末で開催し
年明けには関西でも開催する“2場所制”にするとか(企画運営は大変そうですけど…)
ネタは色々とあるような気がしますけどね。




さてさて、有料イベントである「お城EXPO」ですが(入場するだけで入“城”料がかかるのねん)
その中で更に別料金を払って見られるのが「厳選プログラム」有名人や、城郭専門家などの方々が行う
講演会やトークイベントといったパフォーマンスです。去年はとりあえず1つくらい…と云う感じで
千田嘉博教授(奈良大学)の講演を拝聴させて頂きましたが、千田先生のお話はヒジョーに面白い!
そして為になる!!と感激。で、今年も千田先生のお話を―――聞きたかったんですけど、
今年の御登壇はオイラの行けない日だけだったんで残念ながら無理 (T-T)
とは言え、逆に参加可能な3日目の厳選プログラムもかなり興味ある話題揃いだったので
初日は各ブースを総なめで一通り見物し、3日目は厳選プログラム専門で見てみようと決意!
結局のところ、初日の講演も小城さんからチケットをお譲り頂いて1回分拝聴したので、都合4回分
厳選プログラムを聞く事に成功しました。で、その4話について簡単にまとめを(と言うかほぼ備忘録w)



★信長の城を語ってみよう(12月22日 13:30〜14:30) 春風亭昇太師匠&萩原さちこさん
・大河ドラマ以来「心は常に今川義元」の昇太師匠は…桶狭間で討死したので信長の城は知らない(爆)
・という冗談はさて置き、小牧山や岐阜など信長の城は今注目の的
・でも逆に言えば、織田信長ほど歴史上著名な人物の城でさえ「これから」研究が進むという段階
・もしかすると今日の新発見さえ、明日には過去の話になり得る可能性だってある
・小谷城攻めの虎御前山城、鳥取城攻めの太閤ヶ平(たいこうがなる)など、
       織田軍の陣城は“驚異的な近さ”で築かれる
・そこで羽衣石(うえし)城攻めの陣城も、もしかするとすぐ南側にある小山である可能性?
・実際にその山へ入ってみると、遺構らしいものが多数!一方で旧説の陣城址は大したものが無い
       やはり旧説は覆される傾向にある?


★関東戦国史と城郭攻防戦(12月24日 10:30〜12:00) 伊東潤先生
・講演の分量が多くて時間内に全部語り切れないと言いつつ、
       最初の15分+最後の5分は著作の宣伝ばかり…てのは無しでしょ? (- -;
・長尾景春の乱は単に景春個人の叛乱ではなく、関東諸勢力を巻き込んだ広域戦乱
・それが故に多方面作戦とその防衛線構築の為に城郭ネットワークが必要となる
・実際、名将・太田道灌でさえ“ダミーの城”の攻略に踊らされた局面も
・景春の乱から引き続き、北条早雲の勢力拡大も同様の状況に
・鎌倉の都市防衛は常に「守る方が負け」の戦訓、だから玉縄城が必要となった
・早雲は攻勢側というイメージが強いが、玉縄築城の時期は南(新井城)に三浦道寸
       北(武蔵国境以北)に扇谷上杉勢力があり、挟撃される危機であった
    それが為に鎌倉市街地で守るのではなく玉縄城が戦略拠点として有効
・国府台合戦も、後背地となる小弓御所や関宿城など広域戦略と城郭網がカギとなった


★戦国大名の生き残り戦略(12月24日 13:00〜14:30) 諏訪間順先生・平山優先生
・武田信縄〜信虎期は甲斐側上野原が半敵所?晴信期になると津久井内藤氏の方が迎合…
・甲相同盟とその破綻が繰り返される度に築城と破却の歴史
       (同盟中は「境目の城」不要の不文律)
・信玄の小田原遠征は示威行動のみならず駿河戦線から後北条軍を退き帰させる大陽動作戦
・勝頼と氏政の駿豆対決を築城〜奪取の時系列で見ると良く分かる
・秀吉来襲期の小田原城下町には120m超の直線街路が存在、豊臣軍側からの記録でも町家が密集
       → 当時の荒れ果てていた京都よりしっかりした碁盤の目の都市が繁栄?
・小田原市内を発掘すると、八幡山古郭より近世城郭や宿場町の方からばかり古い遺構が出土
       → 定説の八幡山古郭起源説は覆る?新たな「考古学と縄張論/文献説の対立」発生か??
・そもそも大森氏は宿場守から成立 → 城と宿場が密接に関連して当然 → やはり八幡山は遠い?
・一族結束していた後北条氏は一族を支城網に派遣できた → 領土拡張後も安定統治が可能
・武田氏は親子兄弟で常に相克 → 征服地には必然的に子飼いの譜代家臣を派遣
       → 手駒が無くなって新たな側近を取り立てる(どうしても一門衆は使えない)
       → 赴任先の譜代家臣は取り立てられた新参衆を「君側の奸」と敵視 → 武田家滅亡の遠因
・勝頼の新府城、氏政の小田原城大外郭拡張、共に「領国危機には強力な城を欲す」
・しかしそれは領民に多大な労役や臨時賦課をかけ、結果的に民の求心力を失う“滅亡の元凶”
・平山先生の名言「景勝はアホ!」←素晴らしい!(笑)


★名古屋城の御殿・天守復元の秘密(12月24日 15:30〜16:30) 三浦正幸先生
・ほとばしる地元愛が溢れすぎて予定時間オーバーwwwだが名古屋城スキーとしてはむしろそれで上等!
・独自見解に偏っていたりもするけど、三浦先生の話ものほほんと聴けるのが良い
・名古屋城本丸の堀は「鉄砲射程」ではなく「弓矢の射程」を基準としている
       → 慶長新築の城であっても、最終兵器は鉄砲ではなく「弓矢の必殺性能」
・鉄筋コンクリと木造どちらが強い? → そりゃ鉄筋コンクリの方が強いに決まってる
・しかし地震の揺れに対しては圧倒的に「自重が軽い方が有利」
       → 名古屋城天守を木造再建する最大の必要性は、その耐震軽量化にこそある
・黒木書院でありながら柱材を黒く塗らなかった復元本丸御殿…
・一級建築士が「数学苦手で」とか言うネタで密かに噴いた(笑)


提案なんですが、こういう「その場で聞いて終わってしまう」講演会とかも
映像ソフト化させるとか、有料でも良いので後日配信とかできませんかねぇ? (^-^;



そして今回も最後に今年のお城EXPOで一番“ネタ要素MAX”だった写真をご紹介↓
誤植誤植!w
おーい、加藤「文理」先生って!誤植誤植!!
正しくは「加藤 理文(まさふみ)」先生でしょ? (^ ^;
しかも千田先生と全く同じタイトルの書籍を隣同士で並べるって(爆)

―――運営の方、色々と狙ってるなぁ(いや、違うだろw)


(2018年12月25日 校了)




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