2012年3月 名古屋城工事再見学
旅行期間:2012年3月10日(土)
主な滞在地
3月10日(土):名古屋城

ちょうど1年前、名古屋城本丸御殿の工事を見に行ったんですが
その後の進捗状況が気になって、再び名古屋へ。前回は家族旅行として行ったけど
今度はオフ会として、城仲間を募っての見学会。ですので、目的地は名古屋城「のみ」!
ひたすら名古屋城だけを見学するので、現地集合・現地解散です。
各地からメンバーが集まるので、集合は正門前に11時。
早くもなく遅くもなく、と言った具合でしょうか。

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名古屋城 正門
威風堂々とした佇まい。それもその筈、この建物
将軍の城・江戸城の蓮池門を明治時代に移築したもの…
だったんですが、太平洋戦争の空襲で焼失。
現在の門はそれを戦後に復元したものです。
それにしても、土曜日だと言うのに結構静かだなぁ。
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刻印石

名古屋城は天下普請で築かれた城。門を入るや否や、そこかしこに刻印石が存在します。
天下普請というのは将軍の命令で全国の諸大名を動員して築城させる事。なので大名らが
「これはウチの家が持ってきた石!」と分かる目印を付けている訳ですね。
こういうのを見るのも楽しい〜★


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工事中の名古屋城東南隅櫓
去年に引き続いて東南隅櫓は工事中。
すっぽりと屋根をかぶり、鉄骨の足場に
囲まれておりました。その足元には櫓から
取り外した瓦などの部材が。本丸御殿の
工事現場を見学しに来たんですけど、
こっちの中身も見られたら良いのになぁw
(ここは見学出来ません!)
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正門を入って西ノ丸、東南隅櫓前と来たら大概の観光客はそのまま本丸方面に進むんですけど
今回、本丸は最後のお楽しみなので我々は北へ向かって御深井丸(おふけまる)へ。
当時、この御深井丸には本丸御殿建築用の木材を加工する建物が置かれておりました。
内部には入れませんが、窓から覗き込む事は出来たので、外から見学すると…

加工された木材が並びます。そして建築技法の展示も!これは良い〜♪

木材って、しっかり乾燥させてから使わないとヒビが入るんですよね。図面的なモノも?

玄関?に使う部材でしょうか。ホゾ穴がキッチリ!同じ規格の材木が沢山あります。

組み子になっている部材の展示。一度填めたら外れないんだから、日本の匠は凄いねぇ。

こちらは彫刻の展示。綺麗…。そして墨壺。和大工の伝統的な道具で、木材に真っ直ぐな線を引くもの。
この道具さえも芸術的です。やっぱり日本の匠は素晴らしいねぇ。

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加工場の一番奥に置いてあった…屋根の軒の部材?
これは展示用じゃないのかな。そのまま実際に使う物?
それとも採寸用の見本のような物?
ちょっと分かりませんでしたが、異彩を放っておりました。
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さて、御深井丸と言えば乃木倉庫。明治初期、名古屋城が陸軍によって利用される事になった頃
建てられた火薬庫ですが、これが明治っぽいハイカラな風情を出しておりまして…。
国登録有形文化財 乃木倉庫
国の登録有形文化財になっております。
「乃木倉庫」と言う名前は、名古屋鎮台に
後の日露戦争で壮絶な戦闘を指揮する事になる
乃木希典(のぎまれすけ)が赴任していたのを
由来にしているとか。不思議と、城内の
景観にマッチしております。
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そこから振り返りぃの…

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名古屋城 大天守
御深井丸から見た大天守。ほぼ真下から見るので、大迫力です。
この大きさがたまらないんですよねぇ。
大きすぎて見上げるのも写真に収めるのも大変ですがwww
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御深井丸から本丸の北側へ回り込んで、不明門(あかずもん)の前へ。
大天守の北東隅側でして、その石垣を良く見てみれば…

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名古屋城大天守石垣「加藤肥後守」刻印
「加藤肥後守 内小代下総」と書かれています。
加藤肥後守(加藤清正)家中の小代(しょうだい)下総守が
この石を組んだ、と言う意味です。加藤清正は言うまでもなく
築城の名人。その家臣・小代下総守親泰が巨石を構えたとされ
名古屋城大天守石垣の見どころになってます。
加藤家の面目ここにあり!
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ぐるっと回り込んできて、裏口である不明門から本丸へ。もちろん、本丸内では御殿の工事が行われている為
見学できるスペースが限られています。なので、工事現場を隔てるパーティーションがこのように…
国特別史跡 名古屋城 本丸
城の塀…をデザインした壁。
違和感が無くもないんですけど
天守前の広場を塞ぐには
精一杯の努力、と言った具合でしょうなw
この当時の風景を収めた1枚です。
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本丸の堀
本丸の堀には鹿が飼われています。
これ、近代になって観光用に飼われたもの?と思いきや
江戸時代の頃から住んでいたそうで、伝統的なもの。
だんだん数が減ってしまったんですが
空堀の草を食むので、残って欲しいものです。
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国重文 名古屋城 東南隅櫓
朝方は曇っていたんですが
だんだん晴れてきました。
青い空に白い櫓、良い組み合わせです。
ここで一旦本丸を出て
昼食の時間とします。
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本丸表二之門の前にあるきしめん亭にて、名古屋名物のきしめんを頂きます。
で、食事を摂っていたらお出ましされたのが…
はち丸君
名古屋市のゆるキャラ、はち丸君が御登場。
我々の目の前を横切って行きました。
その他におもてなし武将隊も通過。
それは人だかりが凄くて上手く写真が撮れず…。
とにかく、名古屋は賑やかですねぇ!
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で、食事が終わったらようやく!いよいよ!本丸御殿工事現場の見学です!!!
国重文 名古屋城 東南隅櫓
御殿工事現場への入口から東南隅櫓を眺めます。
建屋の上部から眺める為、地表目線ではなく
普段より高い位置からの視線になるので
このアングルで写真が撮れるのも、今だけ!
隅櫓とほぼ同じ高さでの情景…貴重です。
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さぁ、それでは中に突入!

柿葺(こけらぶき)の屋根が
綺麗に仕上げられていきます。
丸みを帯びた隅部、美しい…。
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去年の見学時には、まだこの屋根は葺かれていませんでした。

第2期工事区域にあたる対面所の建設も始まっていました。



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ちょっと角度が変わると、見える雰囲気が変わる。
そして屋根の軒を上から見下ろす不思議感w
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素屋根を支える柱が、絶妙に建物の僅かな隙間を縫って立つ。スゲー…。

第3期工事区域はまだ空き地…でも柱位置はキッチリと定まっている。

こうして着々と進む工事を目の当たりにするのって楽しいですね!今後の進展に期待!!
退出口目線での大天守…
さて、ついでと言っては何ですが(オイw)天守の中にも入ってみます★
天守台の石樋
この頃、名古屋城の模型作りに精を出していたので
取材を兼ねて、細かいパーツにも注目(笑)
個人的な話はさて置いて、こうした構造が
当時からきちんと組み込まれていたんだから
やっぱり築城技術者ってスゲー…。
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小天守から大天守へ至るのですが…
橋台の控え柱
これまた、橋台の控え柱の構造を
模型作りの取材として細かく撮影…(爆)
もはや何をしに名古屋へ来たのか分からないwww
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大天守最上階まで登り、眼下を見れば

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小天守の向こうに、御殿工事現場が。
本丸をすっぽりと覆っています。
西南隅櫓にも工事の素屋根。この時ならでは。
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さて、大天守の内部は博物館になっているので

御殿が完成したらはめ込まれる予定の障壁画が、一足早く展示されておりました。

戦災焼失前の本丸御殿を精密模型で展示。在りし日の名古屋城全景も模型で!

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E46集束焼夷弾弾頭
こんな物も展示品に。太平洋戦争で名古屋城に
落とされた米軍の焼夷弾の弾頭です。
お前かぁ!お前が名古屋城を焼いたのか!!!(怒)
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戦災で焼けた飾り金具
空襲で焼け落ちた飾り金具。
銅製なので、通常の錆なら緑に変色するものが
赤黒く焼けただれたままになっています。
本丸のほぼ全域が残ってた名古屋城は
そのまま現存していたなら、間違いなく世界遺産だったのに…。
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現代も世界各地で紛争が繰り返されていますが、人命や貴重な文化財を滅失させるのは愚かな行為です。
本丸からの帰り際、御殿の工事現場を窓から覗けば…

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建物の壁面がむき出しの状態。
これから土壁が塗られて綺麗になる筈です。
今後の進展が楽しみ〜♪ (^-^)
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国名勝 名古屋城二ノ丸庭園
帰路は遠回りをして、二ノ丸庭園を散策。
こっちまで観光客はあまり来ないので
静かなんですが、変化に富んでいて
綺麗な庭園です。
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東門を出て、愛知県体育館前の石垣。
横目地が通っていて、しかも石材の大きさが整えられ
非常に精巧な作りになっています。
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そんな場所にて、オフ会恒例となった…はやま。さんのセルフ撮影ネタw

あんさん、ホンマにアホやなぁ…(笑)
体育館一帯をぐるりと周り、名古屋城主要域をほぼ一周して正門方面へ戻ります。
二ノ丸大手二之門前で、メンバー解散です。
とにかく歩き詰めの1日でしたが、皆様お疲れ様でした〜! (^-^)/~~~
◆◇◆ 友集い 匠の技に 唸る春 城の歴史を 目に焼き付けて ◆◇◆
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