2010年8月 名古屋城工事見学?

旅行期間:2010年8月17日(火)

主な滞在地
8月17日(火):

古渡城趾・末森城址・荒子城址
清州城跡・犬山城・名古屋城・吉田城址
名古屋城工事見学?行程地図


2009年から本丸御殿の復元工事が開始された名古屋城
その工事現場は一般公開され、まさに「築城中」の様子をリアルタイムで見られるように
なっており、当然…城マニアとしては目に焼き付けたい!と思うものでして。
夏の暑いさなかではありましたが、たまたま1日動ける日が出来たので
名古屋へGO!と相成りまして、まだ夜も明けない時刻から東名高速をひたすら走行。
気が急く思い、同じ趣味の方ならばお分かり頂けると思います。

で、名古屋城の前に到着したのは―――午前4時半!
流石にまだ早過ぎたw夏とは言え、まだ夜も明けない時間(爆)
当然ながら、こんな時刻に名古屋城内に入れるワケがありません (^ ^;;;
ですがその分、これほど神秘な光景が…
早朝の名古屋城西北隅櫓
早朝の名古屋城西北隅櫓

ご覧下さい、まだ陽が登る前の暗闇に
うっすらと浮かび上がった櫓の姿。
まさしく幽玄…。
夜明けと共に光を増していく名古屋城の姿を見るのも一興でしたが
さすがにここで何時間も待つのは徒労ですので、ここからあちこち動き回って
時間を潰す事に。で、まずは名古屋市内の手近な城跡を攻略しようかと。
払暁の東別院
払暁の東別院

東別院こと、浄土真宗名古屋別院の本堂。
まだ薄明かりの中なので、何となくモノトーン。
そして勿論、ここは城跡。織田信長の父、
信秀が築城した古渡城の跡地です。
東別院にて

東別院で撮影した1枚。
望楼、まるで城の櫓のよう…。
東別院にて
これに続いて末森城荒子城を立て続けに攻略…。

さて、ようやく時刻は午前8時になろうかという頃。
町は眠りから覚め、出勤に動く人々が道路を行き交うようになってきましたが
オイラは城攻めにいよいよエンジンが掛かり、名古屋市中心街から北へ移動。
やってきたのは清洲文化広場こと清洲城址。ここには…
清洲城模擬天守
清洲城模擬天守

こんな立派な模擬天守が建てられています!
黒い下見板張りに赤い高欄が鮮やかですねぇ。
まぁ、まだ朝早くですから中には入れませんけどw
でも別に良いんです。何せ―――
清洲城があった本来の場所は、この天守の隣に流れている五条川の対岸(爆)
そもそもこの天守自体が“模擬天守”つまり“なんちゃって天守”ですから
それほどこの建物に興味なし(←言いすぎw)ま、城跡巡りと言うならば
肝心なのは川向こうの敷地の方ですし、もちろんそっちへ赴いてしっかりと見学しましたので。

清須市から更に北上、愛知県の北端・犬山市までやって来ました。
犬山と言えば(岐阜県じゃないよw)言うまでも無く犬山城!!!
こちらも川っぷちにある城ですが、平地の清洲とは異なり小山を利用した険峻な平山城。
普通に登城する感覚で通路を登って行くだけで、けっこう息が上がります。
これ、攻めるつもりで突撃するのはかなり無謀だぞ?!
ですがその先には立派なご褒美が―――
国宝 犬山城天守
国宝 犬山城天守

こちらは正真正銘のモノホン!
しかも国宝!!!
夏の青葉に見え隠れする姿、
実に爽やかな美しさです♪
天守より望む

眼下に木曽川!これが犬山城を
堅城たらしめている天然の外濠です。
そりゃねぇ、現存天守なら登りますって★
上から望む風景、大パノラマで素晴らしい!
この後、上空を岐阜基地の
自衛隊機が飛び去って行きました。
天守より望む

さて、これだけ見て回ればヒマつぶしには十分(ってオイ、国宝天守をヒマつぶし扱いかよ!)
かなり遅めの朝食を某チェーン店系喫茶店(コ×ダ珈琲店ね)のモーニングで頂いた後
改めて本日の本題、名古屋城へとGo!!
国重文 名古屋城西南隅櫓
国重文 名古屋城西南隅櫓

夏のちょっと蒸し暑い青空の下、
西南隅櫓の向こうには天守の金鯱が。
名古屋城でも屈指のフォトスポット、
ありきたりな写真ですが…でも撮っちゃうよねぇ♪
しかし、本丸御殿の工事が見学できると云うのに何だか静かだなぁ。
それほど人だかりもないし。まぁ空いているならそれに越したことはないけどね。
西ノ丸から本丸方面へ進みつつ、逸る心を押えながらまだ本丸には入らずに一旦二ノ丸へ。
名古屋城二ノ丸 埋門跡
名古屋城二ノ丸 埋門跡

空堀に向かってせり出した石枠ですが
往時はここからスロープのように堀底へ降りる
「秘密の通路」がありました。普段、二ノ丸で
生活していた藩主が非常時に脱出する為の路。
堀底からは北側の水濠まで進み、船で城外へと
逃れるようになっていたとの事。ですが結局、
明治維新までこれが使われる事はありませんでした。
南蛮たたき土塀

二ノ丸の北辺はこのような土塀。
たたき(三和土)とは和製コンクリートのようなもので
漆喰塀ではなく三和土で塀を作った珍しい構造物。
塀の向こうには広大な濠、その対岸は名城公園ですが
当時、この公園敷地は巨大な沼地だったので
実際にこちら側から攻め込むのは無理だったようです。
南蛮たたき土塀
那古野城跡

二ノ丸の内部は現在、庭園になっておりますが
徳川幕府が「名古屋城」を築く以前、この場所が
戦国時代の「那古野城」として使われていたそうです。
と云う訳で、那古野城跡の案内看板と
巨大な石碑が鎮座しております。
那古野城跡
国名勝 名古屋城二之丸庭園
国名勝 名古屋城二之丸庭園

風光明媚な二ノ丸庭園は国の名勝!
(名勝指定では「二之丸」と表記されます)
庭石や木々を用いて、当時の庭園を偲ばせ
美しい情景を今に伝えております。
ちょっと夏草が多いけど… (^ ^;
名古屋城 本丸大手枡形
名古屋城 本丸大手枡形

さていよいよ本丸へ入ります。ここは本丸の大手口。
鏡石(石垣に組み込まれた権威を示す巨石)が立派!
ここから先に進めば、本丸御殿の工事現場になります。
石垣の向こうに見える、プレハブ倉庫のような建物が
工事現場を覆う仮設小屋なんですが…。

本丸に入ってみると―――何とこの日、工事作業はお休み!
毎週火曜日は休工日なんだそうです。当然の事ながら、
工事現場の見学は出来ません!
もちろん、工事現場の中に入る事も出来ず…(;´д`)トホホ、何の為にここまで来たのやらw

とは言え、仮設小屋の窓から中を覗き込む事はできるので、ちょっとばかり探ってみると…
本丸御殿工事現場(1)
本丸御殿工事現場(2)
本丸御殿工事現場(3)
名古屋城 本丸御殿工事現場

小さな窓から見える範囲を隠し撮り(爆)
中では柱や梁が組み立てられていますね。
この当時はまだ工事の初期段階だったので
“骨組み”部分が丸見えです。斜めの筋交いは
たぶん耐震構造として現代技術の計算で
組み込まれているんでしょう(知らんけどw)
工事現場を見に来たのに、ちょっと覗き見するだけに終わるとは…残念無念 (T-T)
名古屋城天守

工事現場越しに天守を撮影。
こんな日でも、天守は相変わらず
堂々と鎮座しておりました。
名古屋城天守
本丸御殿の工事工程表
本丸御殿の工事工程表

工事のガイダンス施設は開いておりました。
こんな感じで、工事が進められる予定との事。
先程盗撮した(笑)柱とかは、この図の一番
右端の部分に立てられたものですね。
木材の用法
木材の用法

丸太をどのように角材へと仕上げるか
そんな解説もありました。へぇ〜!
サムネイルだと見難い感じですので
拡大写真をご覧下さいませ。
金鯱

名古屋城と言えばコレ!
夏の強烈な日差しの下、
神々しく光り輝いております。
三ッ葉葵も凛々しい…!
金鯱

天守の中へと入ってみます。
本丸御殿の模型
本丸御殿の模型

天守内には本丸御殿の模型が。
これは昭和20年に戦災焼失した時の形で
再建される御殿は、創建当初の姿を再現し
屋根が柿葺きになります。
大天守から見下ろして
大天守から見下ろして

眼下に小天守、そして工事現場の仮設小屋。
本丸の敷地を埋め尽くすような大きさです。
この姿を見られるのは、工事期間だけでした。

さぁ、一通りの見物を終えたので撤収モードに移ります。
本丸の不明(あかず)門から出て、天守の裏側へ。
天守逆光

天守の北東隅から見上げれば
時間的にちょうど逆光…。
夏のギラギラした陽の光に
まるで刺されるような畏怖を感じますが
超巨大な天守は、それをものともせずに
跳ね除けます。逆光は勝利!!!
天守逆光
国登録有形文化財 乃木倉庫

名古屋城の御深井(おふけ)丸には
乃木倉庫と呼ばれるレンガ造りの倉庫が。
旧陸軍が構築したもので、太平洋戦争中は
御殿の障壁画など、避難できる文化財を
この中に保管しておりました。
現在では国の登録有形文化財です。
国登録有形文化財 乃木倉庫
天守台西面
天守台西面

天守の台座となる石垣、天守台。
名古屋城天守台の西面には、通路を
塞いだような不自然な切り欠きがあります。
実はここ、本来は別の建物を繋ぐ予定だったけど
それを中止して埋め戻してしまった部分です。
そそり立つ大天守
そそり立つ大天守

大天守、とにかくデカい…。

天守の前を歩いていると―――
おもてなし武将隊

あら、何処かで見た事のある方々。
何かの撮影中?だったようで、
タブレットを見ながら確認中…。
おもてなし武将隊

名古屋城の見学を終え、ここからは帰路に。
ですがまだ陽は高く、このまま真っ直ぐ帰るのはちょっと勿体ない。
そこで帰りがけに寄れる城を見繕って寄り道する事にしました。
吉田城 豊川夕景

吉田城

豊川を背にした堅城、愛知県豊橋市にある吉田城です。
石垣が見事な城で、実は名古屋城築城時に余剰となった石垣を流用した?とも言われており
今回の名古屋城見学のオマケとするには絶好の城です。そして時刻は夕暮れ時…。
櫓の向こうに陽が傾き―――逆光は勝利!!!
豊川の彼方に、太陽が沈んで行きました。

あとはひたすら帰宅するべく東へ。豊橋市から浜松市まで、県境は敢えて国道1号線で抜け
浜名湖の夕景や浜松市街の夜景を横目に見つつ、浜松ICから東名高速に乗りました。
お城三昧の余韻をクールダウンさせるには丁度良い塩梅でしたなぁ。
で、今回の旅を総括すると…
何でよりによって休工日なんだよぉ〜! (T_T)
という事でリベンジ決定です、はい…。



◆◇◆ 現代の 匠集えし 築城を 逃がし惜しける 名古屋の要塞(とりで) ◆◇◆




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