2001年7月 西国制覇(6)

夜が明けるや否や、姫路に向かう気合十分の拙者は
他の宿泊客がまだ朝餉を取っている時間にもう出発 (^^;
赤穂の町に別れを告げ、国道250号線で相生市に入りました。
国道2号線に合流しようという計画なんですけど、地図帳を見ると
その道すがらに城跡のマークが…。
目の前に城があるというのに放っておくのも気が退けるので
じゃぁとりあえず攻略するか、と向かったのが大嶋城跡。
芋谷川が相生湾に流れ出る河口、そこに単立する小山が城跡で
それほど大きな城ではなかった為、気軽に攻め落とす事が出来ました。
朝のウォーミングアップには丁度良かったかな(←謎)
聞けばこの城、相模国と関わりのある一族の城だったそうなので
後学のため、無視せず見ておいて正解でした。

相生市の中心部を通り抜けて国道2号線へ。
ここから真っ直ぐ東に行けば姫路市に辿り着きますが
でももう1箇所、見ておきたい城跡があったのでまずは北上、
兵庫県道5号線に出て龍野市へ入ります。ここ龍野も昔ながらの城下町で
揖保川の西側に並ぶ旧市街は蔵屋敷や古民家が沢山ある「江戸時代の町」です。
そんな町並みを眺めつつ抜けて行き、到着したのは龍野城址。
元々は播磨守護・赤松氏の城でしたが、江戸時代になって
外様大名・脇坂氏が構築した城です。現在、城跡にある建物は復元のものですが
城下町の風情とあいまって、なかなか趣があります。
龍野城址
龍野城址

小ぶりながら威厳のある隅櫓。
鉄砲や槍を突き出すための石落しですが
その下にあるのは、美しい花が咲く花壇でした。

龍野から国道179号線を下って国道2号線に帰ってきました。
さぁいよいよ姫路に…と思ったら結構な渋滞。時刻は午前8時半、
考えてみりゃ通勤通学のラッシュにブチ当たってるわ (^^;
まぁ、こればっかりはどうにもならんのでひたすら待つしかありません。
30分ほどかけてようやく渋滞を突破、姫路公園隣の観光駐車場に着いたのは
そろそろ9時半になろうかという刻限でした。うーん、思った以上に
渋滞で時間をとられたなぁ。どうせ今日は一日姫路で時間を使うつもりだったけど
それにしたってグズグズしていられない。さ、早いとこ姫路城攻略に出発だ!

姫路城周辺地図 (C)まっぷるnet

白鷺中学校北側にある駐車場から、まず西側へ歩いて市之橋交差点へ。
ここから反時計回りにぐるりと外郭をほぼ一周するつもりです。
世界遺産を見るんだから、生半可な見方ではいかん!
できるだけ隅々まで見回る覚悟でやって来た訳だし
もともと今日は姫路で1日潰しても構わないと思ってるんで。
市之橋門跡から天守を望めば、濠と石垣越しにキリリと引き立つ姿。
何でも、この眺めは姫路城十景に数えられるんだそうな(後から知ったけど)
市之橋門にて
市之橋門にて

天守遠影を望む1枚。
石垣と石垣の間に見える白亜の天守は
遠くからでもやっぱり立派です。
この門から濠沿いに南へ歩く路は、千姫の小径と呼ばれる散策路で
外濠にあたる船場川と中濠の外縁部が並行している“濠と濠の狭間”。
水辺のせいで、心なしか涼しく気持ち良い。
車門跡を過ぎて、千姫の小径が国道2号線と交差する地点が白鷺橋交差点。
城の中郭石垣に沿って、今度は2号線を東へ歩きます。
この2号線はかつての西国街道で、それを監視するように築かれた
中郭の石垣が、城の内山下と外山下の境界となっていました。
埋門・G門・中ノ門といった門跡が並びますが
いずれも巨大な虎口!さすが天下の名城、桁外れの規模ですな。
そうこうして歩いているうち、大手前通りに差し掛かりました。
ここは姫路駅北口から天守方向へ真っ直ぐ伸びた道。
本来の姫路城下町にはこの道は無く、石垣で塞がれていましたが
ここだけは近代化の波で改変を受けた箇所。
でもまぁ、通りから見る天守は真正面(?)を向いているので壮観。
これはこれで良しとしましょう (^^;

総社門跡で2号線を離れ北上、城見台公園に到着。
ここには鯱のレプリカがおいてあります。
2尾の鯱に挟まれるように天守が見えるんですな。
これまた観光撮影のベストスポットです(笑)
城見台公園
城見台公園

こちらは鯱と鯱の間に天守が見えます。
まぁ、観光案内に出てくる
定番の1枚ですやね (^^;
そこから東へ折れ、姫路郵便局と姫路警察署の間を通り抜ければ
内京口門跡に至りました。こちらは中濠の東端。
今度はこの濠に沿って歩いてみます。
天気は快晴、気温も暑くなってきたんだけど
水辺はやっぱり涼しいので良いねぇ〜。
久長門跡を横目に見つつ北上、民家の軒先を潜り抜けて歩くのに
ちょっと引け目を感じながらも次第に水路は左へカーブし
野里門跡に到着。そのまま通りを横断し、今度は城の北側を眺めながら進みます。
うーん、こっち側から見るのも違った表情だなぁ、姫路城天守は。
城の北辺は割りと手付かずで自然が残されているので
森の中に天守が建っているように見えるんです。
こうして見ると、やはり姫路城って平山城なんですなぁ。

城の北から更に折れ、南下すれば清水門跡。
ここには“鷺の清水”と呼ばれる井戸があることから、清水門の名が付いたとか。
このあたりで再び中濠は船場川と並行するようになります。
で、このまま南下するとスタート地点の市之橋門に戻るので
今度は中濠の内側へ入っていきます。清水門と二重関門を構成していた
北勢隠門を見学した後、県立歴史博物館方面へ。
さきほど、中濠越しに見た天守がだんだん近く見えるようになってきます。
歴史博物館の近代的建築に驚かされ、その南側へ目をやると
こちらはレンガ造りの重厚な姫路市立美術館。うぅむ、やるな、姫路市。
城があるだけでも素晴らしい観光地なのに、博物館や美術館まであって
しかもそれぞれ個性的な建物なんだから恐れ入るよなぁ。
で、美術館の南側へ出ると喜斎門跡。
おぉ、ここは凄い!門跡の石垣がド迫力で迫り
その頭上に天守を筆頭とする本丸櫓群が一堂に整列!
いやー、素晴らしいぞこの眺めは。思わず興奮…。
喜斎門にて
喜斎門にて

迫り来る巨大な石垣!
それを見つめる天守からの視線。
凛々しい、凛々し過ぎる…。
個人的に姫路城のベストアングルだと思います。

喜斎門からいよいよ中核部分へ突入。そのまま本丸搦手口である
との四門を見る。思わずこのまま搦手口から中に入っちまおうかという
衝動に駆られるものの、我慢我慢。やっぱり中に入るなら
堂々と正面側から入らないとねぇ (^^;
そんなこんなで、今までで天守に最接近しつつも
いったんその場を離れ、三ノ丸広場になっている大手方面へ南下しました。
三ノ丸広場にて
三ノ丸広場にて

夏の入道雲を背負った天守と
手前に広がる緑の草原。
これまた、姫路城を撮影する有名なアングルですね。
広場にてお約束という感じの天守遠景を写真に収め、時刻は既に午後1時。
うぁー、外周りだけでもう4時間近く経っている…(失笑)
さすが天下の名城、奥が深いのぉ。
ではいよいよ、中心部に突撃じゃ!
国重文 姫路城菱の門
国重文 姫路城菱の門

さぁここから中心部!
この門の中には、更に凄い遺構が待っています。
思わず武者震いが…。




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