2000年11月 北陸再訪(3)

千里浜の国民休暇村に2泊し、今日はいよいよ若狭湾方面へ出立。
休暇村ともこれでお別れです。宿を発って早速走り出した道路は
何と砂浜!そう、能登の千里浜といえば堅く締まった砂浜が長く続き
その中の一部分、砂州北辺の約8kmは千里浜渚ドライブウェイとなって
車の通行が可能な、れっきとした道路になっているんです。
日本全国広しと言えども、砂浜が正規の道路として
一般通行可能とされているのはここだけ。
こりゃぁ旅の記念に走ってみなきゃ勿体無いっしょ!
という事で、オイラも気分良く走ってみた次第であります。
最初は「砂にタイヤを取られないか」と心配し
恐る恐る浜に繰り出しましたが、全然問題なく走れるので
おぉ、こりゃ凄いと感心しアクセルを踏み込みました。
さすがに塩水に浸かるのは躊躇われたので、
波打ち際までは寄りませんでしたが、
8kmの道のり、かなり楽しんで走りましたよ!
運転する皆さん、ここは一度体験してみる価値がありますぞ♪
千里浜なぎさドライブウェイ
千里浜なぎさドライブウェイ

拙者の街一番号の隣を
ウォーキングと思しき歩行者が通過。
さらには大型観光バスも爆走!
波打ち際の砂浜だというのに、
こんなに大きな車がガンガン走り抜けます。
これは絶対にHPに載せよう!と思って撮った写真です。

砂浜から離れる今浜インターからは一般の道路を走行。
国道159号線を使って北陸道の金沢東ICに乗り付けて南下します。
んでもって、まずは片山津ICで高速を下ります。
向かった先は那谷(なた)寺。北陸有数の大きな名刹として有名ですが、
それ以上に有名なのがこのお寺の庭園。所々に岩肌を露出させる山を取り込み
雄大な回遊庭園を造形しているのであります。
これがまぁ、奇岩と仏閣が見事な調和をしてました。
しかも季節はちょうど晩秋、紅葉の最盛期!
緑の常緑樹が立ち並ぶ中、赤や黄に色づいた落葉樹が点在し
何ともいえない素晴らしいコントラストを演出してくれていました。
さすがにここは有名な観光地とあって、多数の観光客が訪れてましたよ。
オイラもその人波に紛れながら、庭園を満喫させて頂きます。
う〜ん、山の傾斜地を使った庭園ですから階段を何度も上り下りせねばならず
城攻めに慣れている拙者でもちょっと息が上がり気味になってしまいましたが
それでもこの庭園は疲れを吹っ飛ばすような見事なものと言えましょう。
ここは文句なく、自然の造形美に賞賛を送りたいと思います! (^-^)b
国名勝 那谷寺庫裡庭園
国名勝 那谷寺庫裡庭園

山の谷間全体を庭園として取り込んでいますが
無駄に広いわけではなく、間延びせず
情景のエッセンスが凝縮されているんです。
これに紅葉が加われば…そりゃもう
素晴らしいに決まってますがな (^ ^)

那谷寺を後にし、再び高速に乗ります。
石川県から一気に福井県へと入り、高速を降りたのは敦賀IC。
ここからは国道27号線を西に向かって若狭湾岸を見て回ります。
目指すは三方五湖。若狭湾の海にくっつきそうなほど近い
久々子湖・日向湖・水月湖・菅湖・三方湖の5湖を総称したものです。
三方町で27号線を曲がり、国道162号線に入ると、
程なくして三方湖の姿が見えてきます。おぉ、これが風光明媚な三方五湖かぁ。
感心しつつ先へ進むと、次の湖が…いや、これはもう若狭湾の海です。
いやー、若狭は三陸と並ぶリアス式海岸で有名なところですから
本当に陸と海が入り組んでますなぁ。そこに湖まであるってんだから
う〜む、訳わかんねぇッス! (^^;

そのまま162号線を走ると小浜の町に入りました。
ここは以前、訪れた事のある町です。
何故って?そりゃぁ、城下町だからですよ(自問自答)
でもお決まりのパターンで、日が暮れた後に到着したもんだから
まともに城跡は見られなかったってヤツですね。
ですので、今回ここも改めて再攻略。小浜城跡を見学いたします。
前に来た時はもう夜になっていたので、城跡の様子が全然わかりませんでしたが
日が高いうちにきちんと見てみると、やっぱり立派ですねこのお城。
見事な石垣がぐるり一周して本丸跡の敷地を囲い込んでます。
天守台石垣の上からは小浜の町が一望できました。
一般の観光客からすれば「何だよ、石垣しかないんじゃん」という感じでしょうが
拙者のような城マニアとしては「おぉぉ、こんな凄い石垣が並んでいるなんてぇ!」と
大感激する遺構が、しかもこんな住宅街のド真ん中にあるなんて凄まじい話です。
これだから城攻めは止められないです!

小浜にはもう一つ有名な城跡があるんですが
そこへ行くにはどう考えても時間が足りません。
だって、思いっきり山に分け入るんですもん。しかも徒歩で。
車を置きっ放しにして山に入るなんて厳しいし、
だいたい、これから山に登るような時刻じゃありませんから。
そこは無念ながら諦めて、またもや西に向かいます。
小浜からは再び国道27号線に合流しますので、そこを通り抜け
原発銀座として名高い大飯・高浜を通過していきます。
この頃、丁度日が暮れてあたりが暗くなり始める時間。
しかーし!地図を見ると高浜にはお城があるとの表示が…。
しかもそこは風光明媚な景勝地として有名。山登りをする訳でもないので
ギリギリ、見学することができるかな?
一か八かで大勝負、負けて元々と腹をくくって(何だか良くわからんが)
国道を逸れてその城跡へ急行する事にします。
高浜町役場の裏、民家が密集する地域をどうにか突き進み
それでもどんどんあたりが暗くなっていく中、どうにか辿り着きました。
海が洗う岩肌の真ん中にぽっかりと丸い穴が開き
そこがまるで鏡のように思える景勝地、明鏡洞。
その傍らの起伏地を利用した城跡が高浜城
室町幕府3代将軍・足利義満もここへ逗留し、景色の良さを愛でたと言われる城です。
しかしまぁ、今のオイラにしてみれば
太陽がすっかり沈み、写真撮影ができるかできないかと言うような状況。
とても景色を愛でる余裕なんかありません。
兎に角、ここまで来た証拠になるようにと焦りつつ1枚だけ写真を撮影。
その直後、あたりは真っ暗になりもう景色なんか眺められませんでした。
う〜む、どうせなら明鏡洞とかの景色を堪能したかったんですが…。
やっぱり駆け足の行軍はどこかに無理が押し寄せますな (- -;
明鏡洞
明鏡洞

夕暮れ過ぎ、あっという間に暗くなっていく中
ぎりぎりセーフ(いや、アウトか?)で撮った1枚。
拙者の旅行はいつも時間に追われてばかりですが
もう少し早く来て、じっくり見たいと思った場所ですね。

もう日が暮れたので、どこも観光できません。
しかも追い討ちをかけるように今更ながら雨がしとしと降ってきました。
今晩以後の予定は決めていなかったので、特に宿の手配もせず
その場しのぎの野宿モード突入です。これからどないしよ?と少し考え
このまま西へ行って福井県から京都府へ足を延ばすことに決定。
国道27号線から国道178号線に乗り換え、宮津の某所で車中泊とする事にしました。
翌日朝一で見学するのは…そう、日本三景のあの場所です!




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