2000年11月 北陸再訪(4)

唐突ですが、わたくしはかなりな晴男であります。
今まで何度も旅行に行ってきましたが、
雨降りだった事はほとんどありませんし
以前、富山県の称名滝(落差日本一の滝)へ行った時には
オイラが観光していた時間“だけ”霧が晴れたほどです。
ところが今回の旅行だけ、珍しく雨降り。
昨夜は夜通し豪雨が降り続いておりました。
さすがの拙者も今度ばかりは雨に祟られたかと半分諦めていた程。
しかーし!ここで晴男の本領発揮 !!
21日のスタートは日本三景の一つ、天橋立。
夜明かしした天橋立観光駐車場から歩き出し、
松並木へと踏み込んだ途端、雨はピタッと止みました。
砂嘴を歩くほどに、急激に雲は消え去っていき
橋立の対岸、山の上に登り展望台から見下ろすころには晴れ間が見えたりして…。
と、これだけ聞いたら単に天候が回復しただけだと思うでしょ?
いやいや、帰ろうとして車に乗りこんだらまた雨が降ってきたんだよねー。
(ホントにまぁ、驚くほどのタイミングで、ドアを閉めた途端にポツポツと…)
オイラが橋立観光をしている間だけ、雨が止んで晴れた訳ですよ。
我ながらスゴイ晴男ぶり。もはや神業かも?!
国特別名勝 天橋立
国特別名勝 天橋立

そんなワケで、神業を使って晴れにした風景がこれ。
この直前まで曇天から雨が降ってたし、
オイラが出発した途端にまた雨天になりましたが
橋立散策中だけは痛快なほどの快晴でございました。
青空と青海を味わって頂く為、敢えて逆光で撮影 (^ー゚)b

次に行く先は決めかねていたんだけど、天橋立で仕入れた情報によると
何でもこの近くに古いSLを集めた鉄道公園があるとか。
本当は京都中心部へ近づこうと思っていたのですが、急遽予定を変更し
その鉄道公園へ行く事にしました。天橋立から国道176号線で南西へ、
たどり着いたのは加悦(かや)町にある加悦SL広場。
ここの展示はなかなか素晴らしいですなぁ。
1985年に廃線となった加悦鉄道の旧資材をそのまま活用し、
昔懐かし転車台(ターンテーブル)の周りにいくつもの車両が並んでいます。
その中で特に目を引くのが2号機関車とマッチ箱客車。
鉄道に興味のない人にはイマイチわからないでしょうが、要するにこれ
明治時代、日本で初めて鉄道が開通した時期に用いられた機関車と客車なんです。
(正確に言えば2号機関車は名前通り2番目に使われ始めたSLです)
しかもそのマッチ箱3等客車の中に入って、座席に座る事もできる!
座ってみると、車内は少々薄暗く、座席も硬い。
今の列車の感覚とは全然違いますなぁ。
ひととき明治にタイムスリップした気分はかなり鮮烈でありました。
鉄道に興味のない方でも、結構楽しめると思いますよ、ここ。
加悦SL広場
加悦SL広場

こんな感じで、古い鉄道車両が色々と並んでいます。
写真真ん中のSLが2号機関車です。
ローカル色たっぷりな風景の中、
ノスタルジックな旧型車両に囲まれると
鉄道ファンならずとも、思わず心躍ります♪
ちなみに、加悦町に入った頃にはまた雨が止み次第に晴れてきました。
おかげでSL広場でも傘は不要。
ふっふっふ、晴男パワー全開ぢゃぁ〜! (^-^)

それはともかく、今更思うにこの辺りは城が沢山あったんだよねー。
もっときちんと下調べして行けば色々見られたんだけど…。

そうそう、城。城ですよ。そろそろ城攻めの時間です(何だそりゃ)
国道176号線を南下、丹波の山道を抜けて国道175号線、国道9号線と乗り継いで
福知山ICから舞鶴自動車道に。IC近辺は道路工事による渋滞があったため
やや時間をロスしてしまいましたが、それを挽回するべく
たった2区間だけですが高速を使って移動、丹南篠山口ICまでやってきました。
目指すは丹波の名城・丹波篠山城
去年も行ったんですが、その時は本丸大書院の復元工事中で
中に入れなかったものでして。リベンジの為に再訪した訳です。
で、今回はバッチリ見て回りましたよ。見事さで有名な高石垣に
周囲を綺麗な四角形で囲う水濠、それにもちろん大書院もね!
完成したばかりの大書院は史料に基いて設計された精巧なもので
当然、本格木造建築の立派なもの。かつての城の在り様を正確に再現しています。
国史跡 丹波篠山城
国史跡 丹波篠山城

精緻に再現された復元大書院の勇姿を
紅葉の木々と絡めて撮ってみました。
これだけでかなり嬉しいんですが、それ以上に感激したのはやはり石垣。
歴史を紐解けば、徳川幕府が大坂の豊臣秀頼を封じ込めるために
強固な要塞として築き上げた篠山の城は、
全国の大名を動員して作らせたものなので
そりゃぁ凄い出来なんですね、この城郭は。
更に更に、特筆するのが馬出しと呼ばれる構造物。
城の出入口を防御するための堅牢な構えとして造られた馬出しですが
土塁作りの馬出しが近世城郭で用いられ、しかもそれが現存しているのは
日本全国でここだけ。石垣に馬出し、見事な大書院など
篠山の城は見所が満載なのでござるぞ。
言うまでもなく、城下町の風情も色々と楽しめまする♪

篠山の町を後にする頃、時刻は既に午後3時過ぎ。
ここからは京都市方面に向かうべく、国道372号線を東へと進みます。
車を走らせていくと兵庫県から京都府に入り、亀岡市街地へ。
ところがこのあたりから帰り車の渋滞にひっかかり、ノロノロ運転に。
国道9号線に入ってからは更に渋滞が酷くなり、
老ノ坂峠を越えるのにいったい何時間かかったのやら…。
本能寺を目指した明智光秀は、深夜の電光石火でこの峠を越えたのでしょうが
渋滞の車列に捕まった拙者は、夕暮れの中で諦めモードに突入。
あわよくば京都の町でどこかのお寺を観光しようと思っていた企みは
ものの見事に打ち消され、京都市街地に入った頃にはすっかり夜になっていました。
こりゃもうどこも見物なんかできないねぇ。
観念した拙者は考えを切り替え、明日の朝一番で見物する場所を決めて
あらかじめ夜のうちにそこへ移動しておこうと決定。
晩秋の京都と言えば、紅葉が見事だと決まってますが
観光客があまり来ない穴場で、その見事な紅葉を楽しめる場所はどこかなと
あれこれ思いを巡らせ…洛北に向かおうと定めました。
西大路を直進して北上、どうせ今夜は移動だけだからと
もう渋滞なんか気にせずのんびりと走り、
金閣寺の前まで来たのは午後8時近く。う〜ん、いくら何でも時間かかりすぎだなぁ (^^;
ようやく見つけたファミレスで夕食というのが少し悲しいものの
腹ごしらえも済ませて京都府道31号線、西陣杉坂線で更に北へ。
ここまで来れば、と言うか、この道をこの時間に北上する車は他になく
ようやく渋滞ともオサラバした我が車は、今度は峠攻め状態で突っ走ります。
程なく高雄から来る国道162号線と合流、猶も北上し
京都市から京北町に入りました。100万都市の京都と言えど、
山一つ越えて隣町に入る道は人っ子一人いない寂しさ。
しかも街灯もない山道は午後9時過ぎにして既に深夜の様相です。
京北町役場の近辺で右折し国道477号線に変化した道ですが
相も変わらずひと気のない真っ暗闇のまま。時折、集落があるにはあるのですが
それもすっかり寝静まったような静けさで、本当にここが政令指定都市の隣なのかと
疑いたくなるような状況でした。で、無事に目指すお寺の駐車場に乗りつけたので
ここで本日の行動終了!周りには何もないので、とっとと寝る事にしました。
おやすみなさ〜い…zzz (-_-)




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