2000年10月 北東北旅行

旅行期間:2000年10月3日(火)夜出発〜10月9日(月)朝帰着

主な滞在地
10月4日(水):
胆沢城跡・江刺周辺・遠野市内各所・浄土ヶ浜・龍泉洞
10月5日(木):

久慈城跡・九戸城跡・三戸城跡・八戸市内各所
七戸城跡・小川原湖・六ヶ所村
10月6日(金):

浅虫温泉・八甲田山・奥入瀬渓流・十和田湖
大湯周辺・大館城跡・浪岡城址・弘前城夜景
10月7日(土):
碇ヶ関御関所・弘前城・岩木山神社・三内丸山遺跡・青森市内各所
10月8日(日):
龍飛岬周辺・十三湖・中里城跡・種里城跡・十二湖・桧山城跡
北東北旅行行程地図


この年は有給消化の都合で、1週間の“秋休み”(!)を
しかも2回も( !! )貰える事になったんですよ。
そうなったら旅好きのかすこばですから、当然旅行に行かにゃアカン。
ってな訳で、せっかく1週間も休めるんだから遠出するに決まってまして
今回はとことん遠くまで行ってみよう!というセンで計画を立てた次第。
車で行ける最果てまで…。南にするか、それとも北か?と少々贅沢に悩みつつ
今まで東北は福島、宮城、山形あたりまでしか行った事が無かったから
これを機会に青森や秋田まで制覇しよう!と決定。
とは言え、北東北は如何にも遠そうなので、イマイチ距離感が掴めない。
とりあえず前半戦3泊だけ宿を決めておいて、後は出たとこ勝負の予定にして
その日、行けそうな所で飛び込みの宿泊でもするようにしようと考えた。
最悪、拙者の車なら余裕で車中泊が出来るしね。
(↑これが出たとこ勝負を賭けられる気楽さの所以ですな)
10月3日の仕事を終えたら、その晩に出発して東北道を北上する予定にしたのでした。

ところが!
旅行前日の10月2日、どうやら風邪をひいたらしい。
明けて当日の3日になっても体調は良くならず、頭がガンガンに痛い…。
こんなんで運転できるかなぁ、やっぱ新幹線にしようかなぁと迷ったものの
仕事を終えたところで意を決し、当初の予定通りに車を使う事に。
どうにもならなきゃ旅行中止すりゃ良いや、と開き直り
とりあえず車を出してみると…あら不思議。
運転すると気分が良くなってくる ?!
やはり私は風邪の病より旅行病のほうが強いみたいです (^^;
案ずるより生むが易しとはまさにこの事!
一人旅の程よい緊張感が「風邪などひいていられない」と自らを律したのでしょうなぁ。
一路東北自動車道を岩手県の水沢ICまで北上です。

前沢SAで夜明かしし、日の出と共に起床し水沢ICを出た拙者は
朝一で胆沢城址へ。ここは平安時代初期の政庁跡です。
古い時代の史跡ですから、遺構らしいものは特に見当たらず
石碑が立っているだけなんですが、日本史の上では非常に重要な場所!
岩手県まで来た以上、拙者にとっては避けて通れない城跡なのでございます。
朝早すぎて私は立ち寄りませんでしたが、文化財調査センターがあるので
そこで色々と史料を見学するのも良いかもしれませんな。
続いて北上川を渡り、当時の江刺市で岩谷堂城を探したのですが、入口がわからん!
城の大手(正面入口)側と思われる方へ進んだのですが、入口がない…。
いったん城から離れてぐるっと大回りし、
怪しげな鳥居をくぐっていくと城の搦手(裏口)に出ました。なるほど。
表口は隣りの山から橋を渡ってくるんだと。これじゃ分からんって (^^;
でもまぁ、この搦手口の土塁や虎口の遺構が見事でして
城マニアの拙者としては、ここから入城して正解だったかなという感じです。
ちなみに表口の橋、その先には平安時代の奥州藤原氏が支配した頃の情景を再現した
「えさし藤原の郷」なるテーマパーク(?)があります。これも行かなかったけど(爆)
その後は豊田城を見学。これはそういった奥州藤原氏の館跡なんだそうな。
東北の城跡は平安時代・南北朝時代・戦国以降が入り混じってて
どの城がどの時代のものなのか把握するのも一苦労です。

さて、江刺はこれで切り上げて遠野へ向かいます。岩手県道31号線から
国道107号線へ進み、田瀬湖を横目に見つつ、今度は国道283号線に。
と簡単に記しましたが、これがなかなか長い道のり。
地図で見る限りそれほどの距離とは思えないのですが、やけに時間がかかる!
江刺から遠野まで2時間以上もかかりました。そんなに遠い場所なのか ?!
何だか地図に騙されているような気がしないでもなかったんですが…。
ともあれ、道の駅「遠野風の丘」で一休みして、いよいよ遠野の街中へ。
「遠野には日本のふるさとがある」と書いたのは井上靖だったか、
藤沢周平だったかよくわかりませんが(多分どっちも違う)、確かにそんな感じ。
どこにでもありそうだけど、でも探すとなかなか見つからないような
民話の風景が広がっておりました。
カッパ淵にて
カッパ淵にて

さすが民話の里、カッパ淵には
ちゃーんとカッパ様がいらっしゃいます (^^)
もちろんカッパ淵やら田圃のあぜ道を散策しつつ、オイラが行くのはやっぱり城跡。
まず最初に行ったのは通りすがりに標識を見つけた横田城跡。
古い城館跡は今や寂びれ、薬師堂の小さな祠が建つのみ。
観光客が訪れるような場所ではないのですが、
そこにはヤマザクラとヒガンザクラの古木があり
往時からの歴史をやさしく見守っておりました。
2本の大木はどちらも遠野市指定天然記念物です。
さて、遠野は南部氏支藩の鍋倉城もあります。
いやこれが素晴らしい!本丸跡地が広ーく残されているのも然る事ながら
遠野の町が一望できる絶景。こっちは歴史マニアのみならず一般にもオススメの場所です。
JR釜石線の遠野駅から真っ直ぐ南へ歩いた突き当りですので、
電車利用の観光客でも簡単に行く事ができまする (^^)

見所満載の遠野はもっともっとじっくりと見たかったのですが
時刻はもう午後2時近く。いやー、時間が過ぎるのが早すぎる!
すっかり押し気味のペースなので、名残惜しくもこれ以上留まる事はできず
後ろ髪引かれつつ、出発する事にしました。勿論、昼飯を摂る時間もないので
コンビニでパンやおにぎりを買って車中で食べつつ運転。
かなり飛ばしながら東へ進みます。向かうは太平洋岸のリアス式海岸!
当初は国道283号線で釜石市へ行く予定だったのですが、
とても釜石の街を見て回る時間はなさそうだったので、泣く泣くカット。
もう1本北側を走る県道38号線で山越えをし、大槌町に出るコースを取りました。
この道沿いには橋野高炉跡なる史跡もあったのですが、それもパス。
それでも時間は容赦なく過ぎていく。しかも途中、道路工事まで…(泣)
うぁー、これじゃ全然進まないよぅ (><)
ようやく海沿いの大槌湾に出た所で国道45号線に入り北上。
その道には城山トンネルなる隧道があり、山の上には
大槌の城跡があるらしかったのですが、これまた通過。
井上ひさしの作品で有名な吉里吉里の郷もありましたが、これも通過。
こんなにいっぱい見所があるのに、何一つ相手できないのもツラいッスね。
これだけ沢山の名所をすっ飛ばし、次の観光地と定めた
宮古の浄土ヶ浜へ着いた時点で時計は既に4時近く!
風光明媚なこの場所だけは、いくら何でも外せませんから。
とは言え、ゆっくり見る時間もなく、ダッシュで駆けずり回って見物するハメに。
それでもまぁ、美しさは十分堪能できましたぞ。
とても綺麗でした、浄土ヶ浜…(感激)
浄土ヶ浜
浄土ヶ浜

浄土ヶ浜の海岸から島々を望みました。
秋の海は波も穏やかでござるな。

で、次にどうしようかと悩むかすこば。もう時間切れになりそうなので
このまま国道45号線を北に行って宿へ向かうか、それとももうひと踏ん張りして
あと1箇所くらい観光するか…。いやでも、時間的に厳しいなぁ。
う〜ん、でも、岩手県まで来るなんてそうそう無い事だしなぁ。
決心して大慌てで次の目的地を龍泉洞に定めました。45号線から分岐する
国道455号線に入って内陸部へ向かいます。岩泉町役場のそばにある
龍泉洞は地底湖のある洞窟。その龍泉洞に着いたのは閉門1分前!
ちょうど団体客も同着だったので何とか入れてもらえました。
危なかった〜 (^^;;;
この洞窟は日本3大鍾乳洞のひとつとされ、その延長は2500m。
地底湖は何と水深120mにもなるそうです。さすがに走るのは危ないので
ここではやや小走りで(?)見物。で、地底湖を見ましたが…。
青い!この青さは素晴らしい !!
欲張って来た甲斐がありましたよ♪
こんなに凄い所だとは思ってませんでした。ここは是非、オススメです!

龍泉洞と道を挟んだ向かい側には龍泉新洞もあるのですが、
とてもとても、それは見られませんでした…。

さぁ、陽はとっぷりと暮れました。辺りはもう暗くなってきています。
大急ぎで宿に向かう事にします。この場から宿に行く最短ルートを考え、
県道8号、久慈岩泉線を北にカッ飛ばします!
日没後、どんどん周囲の風景は姿を消し
安家洞まで来た頃にはもう真っっっ暗!
この安家洞も有名な洞窟で、総延長8000m、日本一長い鍾乳洞なんだとか。
でもまぁ、とっくに見学時刻は過ぎてますからな。見られる訳がありません。
ここから分かれる地方道を北東に向かい、安家渓流沿いに
一気に太平洋岸まで出るかすこば。しかしまぁ、初めて通る慣れない道、
しかも街灯も民家も無い夜の山中では、心細くもなってきます。
えぇい、どうせこんな所を走っているのは俺だけだ!と開き直り
下り坂の勢いに任せ、曲がりくねった道でもお構い無しに急行。
明るいうちならば安家渓流の綺麗な景色が見られるのでしょうが、
こんな夜では、何も無いのと同じですからね。
我ながらかなりの勢いで山を下ったと思いますなぁ。
この夜の宿、野田村営の国民宿舎・えぼし荘に着いたのはもう6時半。
東北広すぎー! (><)




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