2014年12月 皇居乾通開放日(秋)

旅行期間:2014年12月5日(金)

主な滞在地
12月5日(金):皇居・皇居東御苑
皇居乾通開放日(秋)行程地図 (C)MapFan


皇居―――そこは都心の一等地にある緑のオアシス。
皇居―――そこは皇室御一家がお住まいになられる禁断の地。
皇居―――そこは城好きにとって聖地と言える日本最大の城郭「江戸城」の西ノ丸跡!

年に2回、新年の一般参賀(1月2日)と天皇誕生日(当時は12月23日)のみ、制限された区域だけではあるが
自由に入る事が許されていたものの、どちらも真冬の“色味に乏しい時季”だった訳で。
ところが2014年、天皇陛下(当時のね)傘寿を記念して、春の桜の季節と秋の紅葉の折に
乾通(皇居内、坂下門から乾門へと抜ける蓮池濠沿いの道)が特別開放される事に!
花や木々の色合いを国民に楽しんで貰おう、と言う企画ではあるのですが
城好きとしては、皇居内に入れるまたとないチャンス!
春の公開日である4月4日にも行きましたが、当然ながら秋の様子も眺めるべく
12月5日の金曜日、平日にもかかわらず東京まで向かったのでございます…。

坂下門前
坂下門前

春と同じく、入口は坂下門。
4月の時より1時間ほど早く、9時半すぎには到着したのですが
既に大行列…みんな皇居に入りたいんだねぇ(オイラとは目的が違うだろうけどw)
4月4日は曇りのち晴れと言った感じの空模様でしたが、
今回は朝から猛烈なピーカン!空が真っ青だ!!

順番を待っていたら、上空に飛行機が。
青い空に真っ白い飛行機がキレイに目立ちます。
時間を潰すのにちょうど良く、のんびりと眺めておりました。
B-787?

坂下門(外側)

と、待っていたらそろそろ順番になりました。
さぁ、坂下門をくぐります!
門に掲げられたランプがオシャレ。
純和風建築の城門と洋風ランプの組み合わせ、
ミスマッチなんだけど何だか整っているw

坂下門(内側)

そして木々の隙間から見える
江戸城の代名詞・富士見櫓。
この先でじっくり見られるんだけど
待ちきれなくて思わず撮影。
あーんもぅガマンできなーいっ!!(笑)
門のランプ"

富士見櫓

ユーロコプター EC135 秋の皇居
空を見れば、今度は警視庁のヘリ。これは警備のためでしょうね。尾翼がキラりと光ります。
そして都心のオアシス、皇居は秋の色合い。皆さんこれを見に来た訳ですよね。

#でもさ、紅葉を見るんだったら別に皇居じゃなくてもっと他に良い所があ…いや、何でもない (^ ^;

秋の富士見櫓
秋の富士見櫓

では改めて、威風堂々とした富士見櫓です!
春は桜の花と一緒に撮りましたが、
秋は燃えるような赤さのもみじと隣り合わせの構図で。
普通に紅葉を見に来た方々は、順路から外れた位置にある
富士見櫓には見向きもしないんですけど、いや皇居に来たんだから
コレを見ないと話しにならないでしょ…と言うのは城マニアの勝手な言い分?
軒丸瓦に御注目! 水抜管に御注目!!
江戸城、徳川将軍家の城…なんですけど、今では皇居ですので軒丸瓦には三ツ葉葵ではなく菊の御紋が。
そして個人的にどこの城でも見てしまうのが窓枠の水抜管。富士見櫓は四角形の断面だ!
だいたいは丸いストローみたいな管なんですが、四角形なのは姫路城で少し見かけるだけ…。

富士見櫓は関東大震災で倒壊し、デタラメな再建をした…と言う噂が立つのですが
これを見る限り、きちんと古材を使って、古態に則った建物だと思うんですけどねぇ?

では富士見櫓を後にして、先へと歩を進めます。
蓮池濠越しの石垣! 石垣!! 石垣!!!
近代的なビル群と石垣の対比。そして木々が覆いかぶさるような石垣と、既に冬枯れの様子が見えるポイントも。
ひと口に「皇居の紅葉」と言っても、場所ごとに見える景色が違います。
蓮池濠と本丸石垣
春先は重苦しい曇り空だった蓮池濠の景色でしたが、今日は爽やかな秋晴れで風合いも軽やか!

富士見多聞櫓
更に先へ進めば、今度は富士見多聞櫓が見えてきます。これまた紅葉の木々が見え隠れ。
皇居の紅葉 皇居の紅葉 皇居の紅葉
赤いもみじと富士見多聞
春は桜と石垣の組み合わせが襖絵のようだと例えましたが、秋はもみじの赤さと櫓の白さが絵画っぽいコントラスト。
秋の色
空の蒼さと葉の赤さも
非常に良い対比。
都心で自然の風景が
こんなに広がっているのだから
まぁ、確かにみんな見に来るか(笑)
秋の色

さて、ここまで南から北への進行方向で右側(東)を重点的に見てきましたが
歴史的な遺構は、左側(西)にも残されています。
秋の道灌濠(下道灌濠)

徳川将軍家の城、と言う江戸城ですが
歴史を遡ると、室町時代の名将・太田道灌(おおたどうかん)の築城。
その太田道灌時代からあったとされる堀がこの道灌濠。
こちらも秋の色合いが、水面に映り込んでおります。
秋の道灌濠
道灌濠は皇居の中に入らないと絶対に見られない場所。
これを見るのも、城マニア的には大きな目的ですが…一般の方はあんまり興味が無いようでwww

再び右側に目を転じると
秋の西桔橋 秋の西桔橋
 
秋の西桔橋

江戸城の本丸(現在の皇居東御苑)と西ノ丸(皇居)を繋ぐ西桔橋(にしはねばし)
これもこのイベントでしか通れない(一般参賀の時は開放しない)通路ですので
桜の季節に続き、今回もこちらを通るルートを選択します。

秋の色
空の蒼さと葉の色合いが
鮮やかで目に眩しい(笑)
西桔橋に向かって
「紅葉のトンネル」を抜けて行きます。
秋の色

秋の乾濠

乾門方面へ直進する道と
西桔橋へ曲がる道の分岐点までやって来ました。
ここから北側に広がるのが乾濠。
まるで鏡のように秋の風景が水面に広がります。
秋の乾濠

乾濠の出隅
蓮池濠の眺め

分岐点から西桔橋方向へ歩き出すと、乾濠にある出隅が良く見えます。
城マニア的にはついつい気になってしまうポイント。石垣の隅部が綺麗…。
そして反対側、蓮池濠の眺めも(春も見たのに)やっぱり撮ってしまうw
春の写真と見比べて下さい(笑)

「西桔橋」の標識 西桔橋を守る石垣 逆光は勝利!
西桔橋を守る石垣の高いこと!真上から撃たれます。そして逆光は勝利!(謎)
乾通りの紅葉
乾門へと抜ける乾通りも人だかりが凄い。
その道沿いにはカラフルな木々が。
純粋に紅葉を楽しむなら、あっちの方が良いかもね〜?
こちらはこちらで西桔橋の奥、狐坂と呼ばれる虎口に入って行きます。
狐坂 威圧する石垣 木漏れ日の色合い
坂の入口から急カーブ。先が見通せません。そして目の前には絶壁。侵入者は逃げ場がありません。
木漏れ日の色合い
ここは“裏口”だと言うのに、守りに抜かりはありませんでした。そして木漏れ日が紅葉をより一層鮮やかにしてくれます。
狐坂の上から乾通り方面を覗き見。
坂を登った距離はせいぜい50mくらいなんですが
確実に西ノ丸を“見下ろす”高さを稼いでます。
乾通りを上から見る
コケ好きの方へ
一方で細かい所に目をやれば、
石にしがみつくコケの青さに感動。
そして石垣の上には大樹の傘。
これも透ける光に葉の色が変化します。
葉を透ける光
ちなみに、この石垣天端(最上段)がちょっとだけ2段になっているのって
どういう意味があるんでしょうか?江戸城の築城時期からすると、技術的にはこれを作る必要性は無い筈だし
ここに建物を建てるとして、段差を取り込んだ建造物ってどんな物なのか?

狐坂を登った先からは江戸城の本丸、皇居東御苑です。
東御苑は常時一般公開しているので、特別公開エリアからは外れます。
江戸城 天守台

狐坂の上にあるのが天守台。
しかも裏側。普段なかなか見ない構図。
春にも撮ったけど、ついついまた撮っちゃうんだよねー(苦笑)
江戸城 天守台
あっ、春撮った写真と全く同じアングルだ…(滝汗)
桜か紅葉かという違いだけ (^ ^;;;

ま、ここから先は普段から入れる場所ですからそれほど注目するものも無いのですが(苦笑)
本丸をそのまま横切って、西端から東端へやって来ると、眼下に二ノ丸が見下ろせる石垣の上に出ます。
眺めが良い場所なので、普段とはちょっと違った方法で写真を撮ってみようかと。
二ノ丸の紅葉
二ノ丸の紅葉

西ノ丸よりもこっちの方が鮮やかかな?
高台から見下ろすので、カメラのモード設定をいじって
普段はあまり使わない「ミニチュア効果」を使ってみました★
江戸城 百人番所

三ノ丸から本丸へ向かう道を検問する番所が
本丸の上から丸見えです。お城って、上(隣)の曲輪と
連携して守るようになっているのが良く分かる位置関係ですね。
江戸城 百人番所
江戸城 汐見坂
江戸城 汐見坂

本丸から二ノ丸へ下りる汐見坂。
見事な石垣で固められた要所です。
これも「ミニチュア効果」で撮ってみました。
ホントにジオラマみたいwww
その汐見坂を下りて、二ノ丸に入って行きます。 江戸城 汐見坂
江戸城二ノ丸の紅葉 江戸城二ノ丸の紅葉 江戸城二ノ丸の紅葉
やっぱりこっちの方が紅葉を見るなら良いような…全然混雑もしてませんし (^ ^;

冬の気配? 平川門の紅葉 平川門の紅葉
そこから北へ抜けて、平川門から外に出ます。
紅葉も盛りですが、椿も咲いて早くも冬の気配も?
江戸城 平川門
江戸城 平川門

江戸城主郭部から北東方向へ抜ける平川門。
いわゆる“枡形門”と言われる構造ですが、外へ通じる
高麗門が「2つ」つまり2方向への道が延びていた、変わった枡形。
と言うかこれは馬出なんだね。と、ついつい門の建物に
注目してしまいますが、石垣も見事。石材がキッチり整ってます。
そんな平川門を出た所にあるのが
一橋徳川家屋敷跡
一橋徳川家屋敷跡

御三卿・一橋徳川家の屋敷跡。
ビルとビルの間の道路沿いに、ご覧の石碑が立ってます。
11代将軍・徳川家斉、それに15代将軍・徳川慶喜が
一橋家の出身。江戸城の目の前(と言うか城内)に
住んでいたんですねー。ここも紅葉がキレイ (^-^)
日本橋川にて
日本橋川にて

一橋家があったのは一ツ橋という橋の袂。
その下に流れるのが日本橋川、江戸城の堀跡です。
ちょうどこの時、川を遡ってボートが疾走。
江戸城は水路で繋がっていた訳ですが、
現代でもそれは生きているようです。
波紋が見事だ…。

そこから東京駅へと歩いて行くのですが
江戸城 大手門
江戸城 大手門

見えてきたのは江戸城の大手門。
先ほど見えた百人番所の向こうにある、江戸城の正門です。
ここから三ノ丸に入る要衝ですが、この当時は工事中で覆屋に囲まれていました。
これ、東日本大震災で門の建造物が破損していたから。
2014年当時の状況を示した写真です。
ここからも人が沢山出てきますねぇ〜 (^ ^;

東京駅にて

で、家に帰るため東京駅へ。ホームに上がったら
目の前には(引退が噂されていた)185系。
しかも東海道線沿線の住民には馴染みの薄い
「EXPRESS185」塗装、上越線仕様が停車してました。
表示幕には「試運転」なかなか見られへんわなぁw
185系 新塗装「EXPRESS185」

そんなこんなで、皇居を一周した12月のアタマ。
とは言え、新年一般参賀まであと1ヶ月…結局、1ヶ月後にもまた皇居へ行く事になるのですが
それはまたその時に御案内を(笑)




◆◇◆ 都心(まち)の中 群れ為す人の お目当ては 色付く森か 千代田の城か ◆◇◆




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