2010年3月 比企城館めぐり
旅行期間:2010年3月6日(土)
主な滞在地
3月6日(土):松山陣屋跡・吉見百穴・武蔵松山城址・腰越城跡・杉山城跡・越畑城址・菅谷館跡

今回はみんなで出かける城めぐりのオフ会!
狭いエリアに良い城が凝縮されている比企への旅です。
まぁオイラとしては何度も行った事のある場所ではありますが
みんなで行けばひと味違うし、取りこぼして未訪の城も拾っていこうかと。
で、まず訪れたのは東松山市役所。え、何で市役所?という感じですが
この市役所、実は江戸時代の陣屋跡。前橋藩の飛地を支配する為の役所、
松山陣屋がありました。昔も役所、今も役所。
城跡とか陣屋の跡って、そのまんま同じような使われ方しますよねぇ。
とは言え、遺構は全っっったく残っていないのですけど… (^ ^;
さてさて、東松山と言えば…一般的に言えば、吉見百穴(よしみひゃくあな)が観光名所。

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国史跡 吉見百穴
山の斜面にボコボコと穴が…何かのアトラクション?
謎の秘密基地?(秘密工場だった事もありますがw)
いや、これは古代の横穴墓。つまり集団墓地。
でもこれ、パっと見では何だか分かりませんよねぇ。
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以前来た時よりも、草木が刈られて見やすくなってました。
その時の写真は月見櫓の頁に載ってますので、見比べてみて下さい(全く同じアングルです…)
さて、オフ会にしては珍しく普通の観光名所に立ち寄ったのですが
実は百穴のすぐ隣にあるのが武蔵松山城なワケでして。
もちろん、こっちがお目当てですので喜び勇んでいざ登城!

国史跡 武蔵松山城
土の名城でありながら、土塁の無い城として有名な武蔵松山城。
左の写真は城外側から城の奥を眺めたものですが
土塁が無い為、あまり高低差を感じられず
それが故に、先に何があるか分かりづらい。
ところが右の写真、同じ位置を城内側から外へと見たら
バッチリと敵の姿を窺う事が出来る構造。
土塁が無くても、いやむしろ土塁が無いから
敵を誘い込んで討ち取るような構造なんですわなぁ。

ちなみに、松山城が国の史跡になったのはこのちょっと前。
元々良い史跡でしたが(何で国史跡じゃないんだと思っていた程)
国史跡になった事で、より綺麗に整備される事になりました。
鬱蒼としていた木々が切り開かれ、眺めも良くなり、空堀の形もクッキリと。
城の形が分かり易くて素晴らしい〜! (^-^)b
さて東松山市から西へ向かい、小川町へ。
小川町と東秩父村の境目あたりにある山、腰越城が次の目的地。
山の麓に車を停め、いそいそと登り出しましたが
小さな山の筈なのに、これがなかなかハード。さすが山城、侮れません。
ほぼ直登のような急坂を登って尾根筋まで辿り着くと、今度は城内エリアに入って
右へ左へグルグル回されますが、この辺りから見どころが沢山現れて
今までの疲労が吹っ飛ぶような素晴らしさ!しかもこの山、山塊から突き出した独立峰のような
位置にあるので、眺望は抜群!と言う事で、彼方を望めば…

腰越城跡からの眺め
実はこの日、天気予報は東日本全般で雨との事。濡れて山城は無理だと分かっていたものの
イチかバチか、とりあえず行ってみようと思ってオフ会を決行してみましたが、案ずるより産むが易しで
埼玉では一日まるまる雨は降らず、それどころか曇り空ながらも想像した以上に見通しが利いて…。
腰越城からはさっきまで居た東松山方向までハッキリと見えたし、背後の連携とかも良く分かり
城が密集するこの地域の“城郭ネットワーク”を実感する事ができました。
ちょうどそんな話をしていたタイミングで、城仲間の小城さんから電話が。
小城さん達は静岡方面へ行っていて、久能山に登っている所だったそうです。
「そっちはどうですか?」と訊いてみた所、「雨と濃霧で何も見えない」との返事。
「こっちは景色が綺麗に見えてますよー♪」と返したら騒然としてました(笑)
やった!小城さんに勝ったぞ!!(謎)
さてさて、お昼時をすっかり過ぎてしまったので
国道140号線沿いのお菓子工場まで足を延ばし、そこでランチを。
人気の施設なので、この時間からでも順番待ちになりましたが
バイキングで色々と好きなものを食べ、もちろんお菓子工場ですからスイーツも充実… (^-^)

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花園フォレストにて
ケーキだけでもこのバリエーション!
他にも色々あって、あぁ選びきれない〜★ (><)
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お腹も満たした事だし、さぁ後半戦!(と言っても結構な時刻になってましたがw)
目指したのは土の城の傑作、杉山城です。
まぁここは城マニアには説明不要な程の名城(謎城かも?)ですが、初訪城の人も一緒だったので
じっくりと見学。オイラとしても、あまりしっかり見ていなかった東郭周辺を再確認。
いやぁ何度訪れても良い城跡ですよねぇ。隅々まで見て回り、井戸跡までやって来ると…
国史跡 杉山城跡
やっぱり!前日まで降っていた雨のせいで、井戸の穴に
水が溜まっています。井戸穴に大岩を投げ込む事で
「この城はもう使わない」という廃城の証としていますが
機能は失われていないという事ですよね。当時はこうして
穴に水を溜め、生活用水に用いていたのでしょう。
雨だからこそ見えてくる城の姿というのもある好例です。
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それにしても、背後の曲輪が綺麗に重なって見える事…。
杉山城をゆっくりと見て回ったら、時刻は17時を回ってしまいました。
もう日暮れが間近だ〜!という事で、とりあえず手近な越畑(おっぱた)城を攻略。
と言っても、ここは遺構らしい遺構は殆ど見受けられない城なんですが(爆)
何せ関越自動車道に半分以上削り取られている城跡なモンで (^ ^;
猶も日没ギリギリ、泣きの一城(?)という事で急行したのが菅谷館跡。
ここも国史跡、しかも平城なので危険な事は無く見学できる場所なので
一番最後に回したというワケ。山城で日没になっちゃったら遭難確実ですからねぇ。
さりとて、流石にもうこの時間から全部見て回るのは無理そう。
なのでサラサラっとポイントを押さえた感じで軽く見学。
土塁が分厚かったり、絶妙な折れが入っていたりで良い城なんだけど
暗すぎて写真は満足に撮れず…ま、こんな感じでタイムオーバーですかな?(苦笑)
とりあえず、何とか一日傘を使わずに見学できたのでひと安心。
雨が降っているのといないのとでは全然コンディションが違いますからねぇ。
と言うか、雨だったらそもそも無理だろ…(滝汗)
無事に城めぐりを終えられた事に感謝です。
◆◇◆ 梅の頃 降るや降らずや 上の空 気を引き戻すは 比企の名城 ◆◇◆
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