2001年7月 西国制覇(8)

目が覚めると、拙者は出石におりました。

昨日の夕暮れ、地図を見たオイラは朝一でどの城を攻めるかを考え
周辺の状況を調べたんだけどね。和田山と同じページに載っているのは
夜久野町に点在するいくつかの城か、その先にある福知山の城、
それに出石だったんです。んで、どこにしようか選ぶ訳ですが
夜久野は城の数が多いので心惹かれましたけど、
下調べもせずいきなり現地の山城に入るのは無理だろうという事で却下し
福知山は幹線道路の国道9号線で一直線に行ける便利な所だけど
ここは前に行った事があるので、同じく却下。出石は未踏の地だし
何より、但馬の小京都として有名な観光地ですから、
ここを見るのが良かろう、と思って決定。日が落ちた和田山から
国道312号線、兵庫県道2号線を伝って出石へ走ったんです。

ところがこの話には続きがありまして…。
和田山から出石への道中、どこかで夕食を摂ろうと思っていたんですが
(何せ姫路で昼食も抜いていましたからw)
どこにも食事が食べられるようなお店が無い。あっても営業終了。
出石町内に入ったのは午後7時過ぎでしたけど、
これまた閑静な山中の町では、もう寝静まる時間。
えーっと、オイラのメシは… (^^;
これはかなりヤバい、と(ようやく)気が付いた拙者は
元来た道を引き返し、県道2号→国道312号→国道9号と走って
結局、福知山へ至ったのであります。
だったら最初から福知山へ行けば良かったのに(爆)
流石にこの地域最大の都市である福知山は夜通しやっている店があり
(まぁ、ファミレスでしたが)何とか食事は摂れました。
で、どうしても出石を見ようと思い(←半分意地です)
またまた国道9号→312号→県道2号をひた走りました。
1日に何度同じ道を通るんだか(笑)
再び出石町にやってきたのは夜の11時過ぎ。
もうあとは寝るだけだべ、とようやく落ち着き
誰も居ない出石町中心部の観光駐車場で車中泊したのでありました。
出石 辰鼓櫓
出石 辰鼓櫓

朝日に輝いて、静かな山の町に
1日の始まりを告げてくれる大櫓。
ホントにこれ、高いッスね★
そんなドタバタした一夜を明かし、夜明けと共に登城したのが出石城
出石の町のシンボルとなっている時計塔「辰鼓櫓」は元々出石城の鐘櫓で
まずこれがお出迎えをしてくれる。その先に踏み入れば、
平成6年に復元された目新しい大手門が堂々と構えている。
早朝の城跡、大手口は何やら神懸かった雰囲気で清々しいですな。
門の向こうには夏の樹木が生い茂り、その木立の合間から
櫓が顔を覗かせています。おぉ、これぞ城跡の情景!
出石城にて
出石城にて

鳥居と城櫓の組み合わせ…。
これ以上ない“和”の味わいですね。

城から出て町並みも少しばかり散策。
江戸時代の城下町の姿を今に残している出石の町は
武家屋敷の跡や古い町屋も現役で使われているんです。
瓦葺きの家が軒を連ね、江戸時代のままだと思わせる通りを歩いていると
早朝から家の前を掃き掃除しているお婆さんが声をかけてきました。
お話を伺えば、出石は景観を守る為、
早い時期から電柱を地下に埋め、中空に電線がぶら下がるような
見苦しい情景は出さないようにしたとの事。
そういえば、ここには1本も電柱が無い。
なるほど、それで江戸時代さながらの風情なんですね。
現地の方の生の話を聞くと、勉強になりますなぁ。
出石市街 武家屋敷
出石市街 武家屋敷

こういう建物が道の両側に連なっているんです。
いいなぁ、この情景 (^-^)

さぁ、旅は十分に堪能したので帰り道に着きましょう。
昨夜散々312号線は走ったので、今度は国道426号線を使って福知山へ。
舞鶴自動車道に乗って大阪方面に進みます。
その途中、ふと立ち寄りたくなって丹南篠山口ICで高速を下り
丹波篠山城へ。何度か訪れた事のある城ですが
1つだけ、南馬出しを写真に撮り忘れていたのでそれを見ようかと。
これまたマニアックな話で恐縮ですが、近世城郭の馬出し
それも土塁造りの角馬出しが完全な形で残っているのはここだけでして
今更ながら、何で前回見忘れたんだろうという失態を補うべく
今回帰路の途中、立ち寄った次第でございます。
これでカメラの中のフィルムも丁度1本撮りきりました!

篠山から亀岡、そして京都へ抜ける定番ルートをひた走り
後は名神高速・東名高速を乗り継いで茅ヶ崎へ帰参。
さまざまなトラブルもあった旅でしたが、無事に帰り着きました。
いやそれにしても収穫の多い旅だった!攻略した城も33箇所!!
念願の四国発上陸も果たしたし、何よりも
国宝・姫路城と天空の聖地・竹田城は素晴らしかった〜!


◆◇◆ 白鷺が 天空羽ばたく 夏休み 神を頂く 峰の間に間に ◆◇◆




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