2000年5月 第一次東海諸城攻略

旅行期間:2000年5月7日(日)

主な滞在地
5月7日(日):浜松城・二俣城・天竜二俣駅・掛川城
第一次東海諸城攻略行程地図


この頃から本格的に城攻めを行うようになったかすこば。
という事で、今回は城めぐりをメインにしたドライブを計画したのでござる。
軽〜く高速使って、適度に離れた場所の城をいくつか回ろうと思い
向かったのは東海地方、遠州路でありました。
まずは厚木ICで東名高速に乗り、一路西へ。
丹沢山塊を越して静岡県に入ります。厚木から3時間弱で
天竜川を越しました。その直後にあるのが浜松IC。
ここで高速を降りて浜松市街地へ。楽器やバイクの生産で知られる
工業の町浜松ですが、拙者にとっては城攻めの舞台、歴史の町です。
此度の小旅行は、この地からスタートします。

もうおわかりでしょうが、浜松と言えば浜松城
これまた言わずと知れた徳川家康の居城です。
もともとは今川家の曳馬城であった場所に、家康が遠江国経営の本拠として
城の改修工事を行い成立したのが浜松城でありまする。
江戸時代には東海道の中間点として重視され、
徳川譜代家臣が交代で城主を務めるようになり、それと同時に
浜松城主に任じられる事は幕閣の登竜門とされたため
別名で「出世城」と呼ばれる有名な城郭でありますな。
現在、城址には模擬天守の資料館が建てられており
浜松や家康に関連した史料が展示されてます。
もちろん、拙者もこれを見せて頂きましたぞ。
模擬とは言え、なかなか気骨のある天守の姿は絵になるもので
今や浜松城といえばこの天守が代名詞になっておりますな。
浜松城模擬天守
浜松城模擬天守

季節柄、藤の花がとても綺麗でした。
下見板の黒い色に紫の花が映えます。
もともと、浜松城に天守があったかどうか
何も記録は残されていないのですが
市民の熱意で復興された天守は
すっかり浜松城の顔になり馴染んでいます。
しかーし!浜松城の真の価値は石垣にあり!!
戦国期からの野面(のづら)積み工法を今に残しつつ
江戸時代を通じた度重なる改修により、ところどころに
新式の工法も入り混じった独特な造り。
しかも石材は(野面積みのため)ゴツゴツとした岩の触感を
直に感じさせる、野趣溢れたもの。こんな荒々しい自然石なのに、
整然と高く積み上げられ、しかもその石垣で区切られた縄張りは巧妙。
浜松城の気風ここにあり!といった感じです。
…って、城マニアしか興味ないだろうなぁ、こんな事 (^^;

浜松城を後にして、拙者は国道152号線を北上。
次の目標は天竜市でございます。
天竜川をさかのぼり、遠州平野の扇状地が山岳地に食い込む北端が天竜市。
すなわち、遠州を扇に例えれば、その要となる場所なのであります。
その扇の要とは、山地の急流を流れ落ちてきた天竜川が
平野に出る最終地点、極端に蛇行している地点でありまして
当然、戦国の世では遠州制覇の要衝として重視された所です。
ここにあるのが二俣城。これまた徳川氏に深く関わりのある城です。
甲斐・信濃から南進する武田軍と、遠州を死守する徳川軍が
この城を巡ってたびたび合戦した経緯を持つ山城。
徳川家康の長男、松平信康が城主を務めた事でも知られてますな。
そんな訳で、オイラが訪れた時には「信康公の御城」という事を売りにした
観光のぼりが沢山はためいておりました。
城址は静かな公園。豊臣政権時代に造られたという石垣造りの天守台は
やや小柄ながら堂々とした風格。城跡の名残を見せつけてくれました。
二俣城天守台
二俣城天守台

決して大きくない天守台なのですが
戦国の気風を残した荒々しさを感じさせ
サイズ以上に存在感があります。
もちろん、上に昇らせて頂きましたよ (^^)
これでちょっと城主気分 ?!

二俣城址から麓に下り、天竜の市街地へ。
天竜の町並みを横断するように走っている鉄路は天竜浜名湖鉄道。
その路線の中でも天竜二俣駅は特別有名な駅です。
何が有名かと言いますと、昔懐かしターンテーブルが残っているから。
ターンテーブル、日本語で言うと転車台、つまり車両の向きを反転するため
その部分の線路が時計のようにぐるっと回るようになった回転台の事です。
いまどきの鉄道車両は前後対称にできているので、
車両を反転させる必要はそれほどないんですが
この転車台が活躍したのは蒸気機関車全盛の時代。
SLは運転台の位置が前後両方にあるわけじゃないので
逆向きに走らせる場合、車両を回転させる必要があった訳です。
また、車両を収納する扇形の車庫に入れる際にも、転車台を使えば
360°どの向きに対する車庫にも入線させられますよね。
そんな事で、車両基地を兼ねている天竜二俣駅には
ターンテーブルが残っているのです。今や貴重な存在となった転車台は
鉄道記念物にも指定された由緒あるもの。拙者これを見るために
車で来たにもかかわらず、わざわざ駅に立ち寄ったのでございます (^^;
まぁ、鉄道ファン以外には何の価値もない話でしょうが、
古き良き時代のノスタルジーを感じられる場所なので、隠れた名所と言えましょう。
天竜二俣駅
天竜二俣駅

天竜浜名湖鉄道の車両基地となっているため
そこかしこにローカル色あふれた車両が並びます。
記念物になっている転車台は
この車両群の奥にあります。
「月見櫓」の頁に写真がありますので、
ご覧になりたい方はそちらを参照して下さい。

その天竜浜名湖鉄道と併走する静岡県道40号線に沿って
天竜市から南東方向へと進むかすこば。
扇の西である浜松、北である天竜を回ったので
最後は扇の東端、掛川を目的地にしているのです。
田舎道(失礼)をのんびりと走る事およそ1時間、
次第に掛川市街地が近づいてきました。が、それに連れて交通量も激増。
茶所として有名な掛川ですが、拙者の狙いは…やはり城!
(そもそも今回は城攻めドライブですしね)
掛川城が次なる目的地です。
こちらも徳川家康が領土拡張の折に攻略した来歴を持つ城。
場所柄、今回は徳川家関連の城攻めばかりですなw
昨今では某大河ドラマの影響か、山内一豊の城としての名が売れてますし
現存する二ノ丸御殿や木造本格復元となった天守など、
見所となる建造物も多彩に取り揃い、今や遠州で一番有名な城跡なのでは?
観光客も沢山訪れる名所となっております。
そんなこんなで、拙者もその一人に紛れて観光しようと思ったのですが…
ちょうど入城時刻が終わるところで、天守も二ノ丸御殿も中に入れませんでした。
止む無く、外から天守を見上げ、御殿入口を垣間見るのみ (x x)
ちっ、道路がもう少しスムーズに流れてりゃこんな事にならなかったのに!
掛川城址
掛川城址

現存二ノ丸御殿(手前)の庭から
復元なった天守を望んだ一枚。
この天守は伝統工法で再建した事から
素晴らしい史跡保存のあり方として評価は高く
江戸期から今に残る貴重な二ノ丸御殿も
当然、国指定の重要文化財です。

それでもまぁ、建物の中には入れなくても城跡を散策し堪能。
日暮れの時刻になったところで、撤収したのであります。
帰りは掛川ICから高速に乗り、元来た東名の道を茅ヶ崎に向けて疾走しました。
ふむ、軽〜いドライブとしては中々のコースだったかな?
本当はもう1つ行きたい城跡があったんだけどねー。
しかし思うに、東海にはまだまだ城跡が沢山ある!
浜松・二俣・掛川を見て感じた事は「もっとしっかりと見るべし」
後日の再戦を期す決意をし…泥沼にハマッていくかすこばなのでありました (^^;

―――今日はこのへんで勘弁してやるが、次はこれで済むと思うなよ!
(何のこっちゃ?!)


◆◇◆ 三角の 形なぞらふ 遠江 扇に纏うは 往く春霞 ◆◇◆




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