橋の種類


各曲輪は堀によって分断されているため
登城は橋を渡る必要がある。
しかし戦時には橋も防衛の要となるのだ。
殺到する敵の軍勢が橋を渡るとき
一時的に戦力は削がれ、行動が制約されるからだ。
さまざまな橋の種類を紹介する。

土橋と架橋
土橋は、特に山城に多い形式で
土を盛った土塁(又は石垣)を橋として使用するもの。
架橋よりも安定性が良く
恒久的に設置されるもので
大量の物資の搬入や多人数の通過に適し、
水濠の水位調節の堤防としても利用される。
しかし戦時にも撤去できないので
敵に奪われないようわざと橋を屈曲させしたり
急傾斜・起伏をつけて工夫している。
架橋は木造・石造の橋を堀上の空間に架けるもので
(ただし石橋が城郭で使用されることは少ない)
戦闘時には撤去して敵を渡らせないようにできる。
また、敵兵が渡ってきた時に崩壊する仕掛や
落とし穴の罠を設定することも可能。
ただし、逆に敵側に橋を落とされて
籠城軍が孤立する危険性もある。

架橋の種類
一口に架橋といっても数多くの種類がある。
敵を渡らせないためにさまざまな工夫がされているからだ。
ただまっすぐの橋が架けられるものもあるが
橋をカギ状に折り曲げて渡してある「折長橋」
堀に対して斜めに架けてある「筋違橋」
橋に屋根をつけて渡櫓とした「廊下橋」
廊下橋を2階建て構造とした「二重橋」といった種類がある。
折長橋折長橋
また、破壊せずに撤去できる橋構造として、
可動橋も城郭で使用されたが
橋の中央部が跳ね上がる「桔(はね)橋」
橋の一部分を車輪で移動させ撤去する「車橋」
橋全体に車輪をつけ可動橋とした「算盤橋」「引橋」などがある。
算盤橋は橋板の底に車輪をつけたもの、
引橋は橋桁の上部に車輪をつけたものとして区別される。




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