2001年5月 諏訪松本旅情(2)

明けて5月5日、こどもの日。しかも土曜日。
ゴールデンウィークの真っ只中で週末と来りゃ、
誰が考えたって外出日和、混まない筈がない (^^;
大混雑を覚悟した上でこの日の行動を開始した我々は
松本最大の観光名所、松本城へとやって来ました。
昨晩は拙者と黒旅殿の2人だけで外観を眺めましたが
今日は4人全員で、中まで入るために来たんですが
朝からまぁ、案の定すごい混みようです。
それでもここは国宝城郭、城に興味のあるオイラだけでなく
全員が見学するつもりで来ましたので、人込みにめげる事はありません。
駐車場に車を停め、いざ出発です!

まず我々が訪れたのは城の東側にある二ノ丸太鼓門。
当時、まだ再建されたばかりの城門は新木の香りが残るほどで
内部の床もピカピカ。観光客の多くが大手方面に行ってしまうので
東側のこの門まで来る人は少なく、我々だけで独占状態でした。
贅沢でありがたい話なんだけど、何だか勿体無いなぁ。
みんなこっちに来れば良いのにと思ったほどです。
さて城の東の守りを突破した我々は、改めて大手方面に向かい
入城料を払って敷地内部へ。大手門を通過した直後、
目の前に勇壮な天守閣群がそびえ立ち、感慨もひとしおです。
しばらく敷地内を散策し、ちょうど見ごろだった藤の花に目を休めた後
いざ、天守の中に入らせて頂きます。
国史跡 松本城
国史跡 松本城

本丸敷地内にて撮影した1枚。
薄紫の藤の花が咲き誇り
その向こうには国宝の天守が。
まるで藤のシャワーを浴びているようですね★
戦国時代から残る天守の建物は勿論国宝。
実戦重視の「戦闘建築物」である建物ですから、
内部は華美なものが全く無く、少し薄暗く階段も急。
階段と言うよりも梯子を登る感覚だね。
1階1階登るごとに空間は狭くなり、そして眺望は良くなります。
最上階まで来れば、眼下に松本の町を掌握する気分。
国宝指定書の写しも展示されていました。
観光客が多くてやや息詰まる感じでしたが、ここまで登るのは格別ですな!

登ったら降りなくてはならないのが当然の理。
あれほど急な階段を登ってきた訳ですから、
下りもやはり急な階段を踏みしめて行きます。
っていうか、ぶっちゃけた話登るよりも降るほうがツライね。
段差が大きい階段なんで、次の一歩を踏み出しても足がなかなか届かない。
下手して踏み外したらそのまま落っこちるワケだし。いやぁ、恐ろしや。
特にオイラは骨董品のカメラを使っているので、
落としたりぶつけたりしないか気を配ってヒヤヒヤもんです。
それでも何とか下まで降りてきて、最後にたどり着くのが月見櫓部分の高欄。
ここはその名の通り月を愛でるための開放的な作りになっていて
風雅な気分にさせてくれる空間です。戦闘要塞のはずの松本城天守にあって
ちょっと異質な雰囲気にある月見櫓、それもそのはずで
この部分だけは江戸時代の太平な世に増設されたものだからです。
ここまで来ればもう急な階段や足元の暗さに心配しなくて済みます。
お化け屋敷を一周してきて無事にゴールした安堵感にも似た感じですね。
(いや、その例えは変だろう←自分ツッコミ)

松本城の外周をぐるりと回り、十分に堪能したら
そのまま歩いて松本の繁華街方面へ。NTT松本局の裏側にある
松本四柱神社に立ち寄ります。大きな町のど真ん中、しかも
周りには金融関係の大きなビルやマンションが立ち並ぶ立地なのに
ここだけポッカリと空間が開き、伝統的な神社の建物と
子供が遊ぶのどかな境内が広がってました。拝殿の前には
城と同じく藤の花が咲き、これまた季節感満点。
神社の参道(凄く短いんですけどね)には露店まで並び
なんだかお祭り気分?! いや、別に祭りでも何でもないんですが
これって、観光客へのサービスとしてやってるんですよねぇ?
普段からこんなに色々なお店が出てるのかなぁ…?

松本の町を離れ、車は美ヶ原高原へ。
街なかの喧騒を離れ、ここからは自然の風景を堪能するコースです。
…とは言ったものの、5月だというのにまだここは冬が抜けきらない光景。
大地の芝草は茶色く冬枯れたまま、木々に青葉は見受けられず
所々には残雪がしっかりと残っている程。何より、寒い!
松本の町には藤やツツジの花が咲き乱れ、春真っ盛りだったと言うのに
ここは1ヶ月ほど季節がずれているようです。
高原のシンボル、美しの塔も荒涼とした中に寂しく建っている感じでした。
美ヶ原高原
美ヶ原高原

この日撮影した写真がこれ。
高原と言えば緑の草原、青い空、白い雲…
とは全然違い、まだ冬抜けきらぬ有様。
美しの塔の向こうに見える白い地表は残雪です。

寒かった美ヶ原高原は早々に退散、一行は今夜の宿へ向かいます。
今日は軽井沢のホテルに予約を入れてあったので
車は上田方面へ抜け、そこから上信越道で軽井沢に。
ここでも少しばかり道に迷いつつ、何とかホテルに到着しました。
ところが流石に連休ど真ん中だけあって、広大な駐車場は満杯状態!
これには本当に驚かされました。
うわ、俺たち停められるのかなぁと心配しながら駐車場内をうろつき、
ようやく1台分空いているスペースを発見、そこに潜り込みます。
しかしまぁ、ここからフロントロビーまでが遠い事遠い事 (^^;
やっとの事でチェックインし、部屋に辿り着いたのでした。




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