2000年8月 中越再訪(2)

8月3日。今日も天気は快晴です。
こんな良い天気なのにどこへも行かないのはもったいない。
城攻め人間としては、是非ともどこかの城を攻略したい日和です。
せっかくだから有名所の城に行きたいなぁ、と考え
新潟県内の有名な城はどこか…と探してみたら思い当たったのが新発田。
守門からは少し離れているけれど、高速使って移動すれば
行けない距離じゃないよな。早速皆に話をして、
「オイラは今日、新発田まで行って城を見てくる」と言ったら
何と同行に名乗りを上げる者が何人かいた!
とんび殿は勿論、後輩のうち3名、それに顧問の先生が2人とも!!
結局、拙者を含めて街一番号の乗車定員に近い7人で
新発田へ行く事になりました (^^;

小出ICから関越道に乗り、新潟市方向へ。越後川口のSAで信濃川を望み、
長岡JCTで北陸自動車道に切り替わり北上します。高速を下りたら
国道7号線を進み、新発田市に突入。徐々に市街地へと入っていきます。
ところがまぁ、新発田の町はさすが城下町だけあって迷路のよう。
地図や道路標識を見つつ前進するも、イマイチ城の位置が分からん。
色々と試行錯誤し(そんな大げさな)、ようやく城跡のそばまでやってきました。
駐車場に車を入れ、珍しく団体行動で城攻めを開始します!

で、やってきました新発田城。駐車場から城へ向かうと
いきなり二重櫓がお出迎えしてくれました。これは二ノ丸隅櫓。現存古建造物で
飾り破風のないシンプルな姿はすがすがしさを感じさせます。
初重壁面の下部には瓦が埋め込まれた海鼠壁。寒冷対策として
特に北陸地方の城郭に多い建築特性でござるな。いいぞ、これは!
晴れた夏の青空をバックに、この建物は非常に絵になります。
隅櫓から少し離れた位置にあるのは本丸表門。
元々は二ノ丸の門だった櫓門建物をこの場所に移築したもので、
これまた現存古建築です。隅櫓同様、壁面には瓦が埋め込まれた海鼠壁で、
2つの建物の調和が取れています。
新発田城の建物は軒並みこういう構造だったのでしょうね。
隅櫓と表門、共に国指定の重要文化財になっています。
国重文 新発田城二ノ丸隅櫓
国重文 新発田城二ノ丸隅櫓

切込ハギと呼ばれる精緻な工法の
石垣(これも素晴らしい)の上に屹立する
均整の取れたスマートな二重櫓です。
ちょうどこの時、水濠の発掘調査中だったらしく
堀の水が抜かれていました。
普段は見えない濠底が垣間見え、
ますます石垣と櫓が高く感じられた日です。
さて、表門をくぐり城内に入ります。櫓門の建物は
城内側からは中に入れるようになっていて、見学させて頂きました。
外がまぶし過ぎるくらいの明るさな分、影になる屋内は薄暗く
何だか独特な雰囲気を醸し出しているこの櫓門。
隅櫓も同じく中に入れるのですが、やはり似たような感じです。
やはり本物はひと味違うのでしょうか… (^^;
ちなみに新発田城の跡地、明治維新後に半分を陸軍に接収され
現在も陸上自衛隊新発田駐屯地となっております。よって、
門をくぐったその奥は壁で仕切られ、残念ながら中には入れません。
国重文 新発田城本丸表門
国重文 新発田城本丸表門

こちらも海鼠壁の映える綺麗な櫓門。
新発田城では近年、三重櫓も復元され
より一層昔の勇姿を感じさせるようになりました。
この三重櫓、屋根の棟がT字型になっている
独特な外観をしている事で有名です。
仕方がないので城跡を辞し、門の外へ出た我々一向。
せめて堀跡と石垣を堪能しようと堀沿いに西へと散策しました。
それもつかの間、堀が切れた所で姿を現したのが陸自新発田駐屯地の表門。
ありゃ、ここが入口なんだぁ。
それじゃこれ以上は進めないねぇ。
自衛隊の敷地じゃ入れないもんねぇ。
諦めて駐車場へと引き返そうと思ったのですが、あれ?
同行していた顧問の先生が、何やら門の守衛さんと交渉してる。
いったい何を話しているのかな?と思って待つ事数分、
「入場許可貰ったから、駐屯地の中を見学させてくれるって」
え゙、えぇぇぇぇー――っ! Σ( ̄□ ̄;
開放日でもないのに、事前連絡も全然ないのに、
そんな簡単に中見せてくれるの、自衛隊ってのは!
信じられない事態に呆然としていたら、程なく中から
広報担当の女性自衛官の方がやってきて、「ご案内します」だって!
ほ、本当に入れるんだ…。思わず緊張。
国防イメージ向上の為なんでしょうか、国民に開放的なんですねぇ。
飛び込みでもきちんと申請すれば基地内に入れると、この時初めて知りました。

女性自衛官の方の案内に従って、基地内の奥へ進む我々。
訓練中の自衛官の姿以外は、写真も自由に撮って良いとの事。
おー、割とフリーなんですねぇ。
身体検査があるとか、周りをビシッと囲まれて睨まれるとか、
別にそういう厳しい取り扱いがある訳でもなく(当たり前か)
むしろ「こんな簡単に見学していいのか?」と心配になるほど。
敷地の奥には駐屯地史料館があり、その中に旧陸軍時代から現在までの
新発田駐屯地の史料が展示されています。これが見学の目玉(?)らしい。
その史料館の建物自体、1874年(明治7年)に建てられた古いもので
美しい白漆喰塗りの建物から「白壁兵舎」と呼ばれています。
陸上自衛隊新発田駐屯地 白壁兵舎と61式戦車
陸上自衛隊新発田駐屯地 白壁兵舎と61式戦車

白壁兵舎の前に展示されている61式戦車。
61式は戦後初の国産戦車として有名な、往年の名機。
「戦国自○隊」や「ぼくらの7日間■争」といった
映画にも登場した“戦車界の銀幕俳優”です。
(↑何じゃそりゃ?!)

敷地を一回りし、また正門前に戻ってきました。
これで駐屯地見学は終了。いやぁ、貴重な体験でした。
城攻め&自衛隊攻め(ォィォィ!)に興奮しつつ、新発田の町を後にします。
帰りがけ、新発田市郊外の回転すし屋で(爆)遅めの昼食を摂り
もと来た道を小出ICに向けてひた走ります。その車窓には
色々な観光表示の道路標識が流れていきますが、早く帰らねばならないので
残念ながらおあずけにして宿へ直行。後ろ髪引かれる思いでしたが
まぁ、新発田城と陸自駐屯地を見学できたのは最大の収穫だったので良しとしましょう。
夕方、守門村の宿に帰り着き、その夜も天体観測。
この夜は何だかおかしな天気で、宿の直上は雲ひとつない星空だったのに
街のほうに目をやると濛々とした積乱雲がかかり、雷が頻繁に光ります。
天体観測と稲妻観察を両方いっぺんに行える、一挙両得な夜でした。
雷光と星空と夜景
雷光と星空と夜景

一枚で3種類の光りを捉えた珍しい(?)写真。
夜景の明かりが一番眩しいので、
ややハレーション気味ですが
左側にはオレンジ色の雷光が入り、
(見難いですが)その上には星が瞬いています。
こんな写真、そうそう撮れるもんじゃありません。
合成ではありませんので、念のため (^^;




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