1999年2月 西伊豆修学行

旅行期間:1999年2月21日(日)

主な滞在地
2月21日(日):雲見くじら館・室岩洞・岩科学校・明治旧商家中瀬家
西伊豆修学行行程地図


高校時代の後輩に誘われて、この日は伊豆へとドライブ。
何やら行きたい所がいくつかあるらしい。
指示されるままに車を運転する事となった拙者は
何はともあれ、伊豆方面へと向かうべく茅ヶ崎から国道134号線を西へ。
大磯から西湘バイパス、国道1号線、国道135号線を乗り継いで
小田原から熱海への道を進むのでありました。
伊豆半島を東回りで一周するコースです。

それにしても東伊豆の道路は万年混みますな。
小田原で1国を左折し135号に入った途端に渋滞、
熱海市街地を過ぎて錦ヶ浦の辺りでまた渋滞、
網代を抜けて伊東市に入る所でまたまた渋滞、
伊東市街地の先で新道と旧道が合流する地点で渋滞、
一碧湖へと分岐する道が出入りする辺りでも渋滞、
伊豆高原は断続的に渋滞、城ヶ崎付近も渋滞…。
いつまで経っても渋滞続きでほとほと嫌になります (x x)
下田に着く頃にゃ、すっかりお昼を過ぎておりました。
もうちょっと道路事情が良くならないものですかねぇ?

下田を過ぎ、石廊崎も通過し、ようやく最初の目的地
西伊豆・雲見海岸に到着。何だか午後から観光スタートという感じですな。
で、雲見で何を見るのか?というと、雲見くじら館という展示館。
1977年、雲見湾に1頭のセミクジラが迷い込んでしまい、
砂浜に打ち上げられ残念ながらそのまま亡くなってしまった。
セミクジラは捕獲禁止種とされていたため、それまでなかなか完全な
標本を得る事が出来ず、生態もあまり解明されていなかった品種。
そのため、打ち上げられて亡くなったこのセミクジラの遺体を利用して
学術標本とし、当地に保存しようという運動が起こり、水産庁や
国立科学博物館の専門家の協力を得て骨格標本にする事ができたという。
工費は約3500万円。
その骨格標本を展示し、併せて雲見の風土を紹介している記念館が
雲見くじら館というワケ。拙者はこういうのあまり詳しくなかったのだが
後輩達に連れられて中に入ってみるとビックリ!
全長12mの鯨が骨格標本となって建物の中狭しと安置されている。
いやー、鯨の骨ってこうなってるんだぁ…。直に手で触れる事もでき、
こりゃなかなか経験できない貴重体験だわい、と感心したのであります。
入館者にはところてんのサービスもあります (^^)
雲見くじら館
雲見くじら館

こちらがその骨格標本。
鯨の骨なんて、普段見ないものですから
こんな形をしているなんて知りませんでした。
なんだかマンモスの牙みたいにも見えますよね。

冬の海、ひと気のない雲見海岸は実に静か。
穏やかな陽気だったので、荒波が打ち寄せるような事も無く
やや西に傾いた陽に照らされた海は紺碧の青色で美しいものでした。
そんな雲見を堪能し、次に向かったのは道部(みちぶ)集落にある室岩洞。
昭和20年代まで採掘が行われていた採石場跡地で、約2000uの洞内のうち
入口から180mまでの区間を見学できるように遊歩道などが整備されている。
何でもここは江戸城の石垣に使う石材を切り出した場所との事。
石切ノミの跡が残る加工途中の石材が放置されていたりするので
確かにこりゃ石垣構築の史料で見たのと同じ状態の石だなぁ、と
城マニア的発想で見物してしまうかすこばなのでありました (^^;
室岩洞
室岩洞

室岩洞の入口です。
この先、何だか不思議な空間が広がってます。
ここから江戸まで石を切り出したんですねぇ。
晴れた日には展望台から富士山が望めるそうです。

室岩洞からわずかに走れば、もう松崎の市街地に入ります。
そこからやや山の方に向かうと、現れたのが重要文化財の岩科(いわしな)学校。
松本の開智学校と同じく、明治初期に建てられた擬洋風建築の学校校舎で
もちろん伊豆半島で最古の現存洋風建築物。扁額として飾られた
「岩科学校」の文字は、時の太政大臣・三条実美の筆によるもの。
内部を見学する事もでき、明治の初等教育がどのように行われたかが
目に見えて分かるようになっています。
ちなみに、この建物の建築費用は当時の金額で2630円66銭3厘。
かなりのお金をかけて建てられた校舎なんでしょうねー。
明治から残る建物の裏には、現在使われている岩科小学校の近代校舎が建ち
新旧そろって学校の歴史を今に伝えております。
何か羨ましいですよね、こういう伝統ある学校って。

さて松崎市街地にようやく到達した我々でしたが、午前の渋滞のせいで
はっきり言って時間切れ状態。古い町並みが残る松崎の町は
本当ならば見所満載の良い町なんですが、とても見る暇はありません。
仕方がないので、その中で1件だけ選んで観光する事にしました。
そこで伺ったのが旧商家の姿を今に残している中瀬家住宅。
松崎特有のなまこ壁で建てられた商家は、川沿いにたたずんでいて
風情満点。何かそこだけ時が止まっているような感じでありながら
家の前にはメルヘンチックな時計台も置かれていたりして
不思議な空間を作り出している観光名所です。
この時計台、文字盤が13まである奇妙な時計。
いったい何を表現しているんでしょうか、13時というのは??
明治旧商家 中瀬家
明治旧商家 中瀬家

真ん中にあるのが13時まである時計台。
この後、色を塗り替えたようで
現在はさらにメルヘン度アップ?!という色合いです (^^;
和風の商家とファニーな時計台、
ミスマッチですが結構面白い組み合わせです。

すっかり陽が暮れる時間を過ぎ、あとは帰路に着くのみ。
大瀬崎経由で駿河湾沿いをかっ飛ばし、沼津から国道1号線に乗り換え箱根越え。
山坂道を走りぬけ、小田原に着いた頃にようやく夕食を摂り
茅ヶ崎に帰ったのはもう深夜という時間になっておりました。
ま、伊豆一周というとどうしてもこれくらい時間がかかるのは仕方ないかな。
雲見のくじら館、室岩洞、岩科学校、それに中瀬家と、今回のドライブは
西伊豆各地の文教施設廻りの旅?まさに修学旅行的行程でした。


◆◇◆ 西伊豆の 豊かな海が 育んだ 重き文化は 今も息づく ◆◇◆




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