1996年9月 会津旅行(2)

明けて9月17日。
今日は会津から山道を南下し、帰宅への道を辿る予定でござる。
ま、何はともあれ土産物でも物色しようと
磐梯熱海の宿から再び会津若松市内へと向かった。
一通り土産を買い、いざ本日の観光に出発!
国道118号線に入り、阿賀川を遡るように進めば
若松の市街地を抜けた途端、景色が一変し
昔ながらののどかな田園風景が顔を覗かせる。
この変わり様にはちょっとビックリ。
芦ノ牧温泉の旅館街を抜けると、大川ダムで堰き止められた
若郷湖が目の前にあり、次いで湯の上温泉が登場。
住宅地→田園→温泉街→湖…と、目まぐるしく変わる情景に
次なる観光地への期待が膨らんだ。

で、その観光地というのが塔のへつり。
阿賀川の浸食作用でできた独特の奇岩が立ち並ぶ絶景の場所。
石仏風の岩やら、人が通れる通路やら、
こりゃどう考えても人造のものでしょ?と思うのだが
全く自然の造形というのが摩訶不思議なんだよねぇ。
川は澄んで清らか、山は緑に萌えぎ、
白い岩は驚くべき風景で我々を囲いこんでいた。
天然記念物 塔のへつり
天然記念物 塔のへつり

川の侵食でできた奇妙な風景は
国の天然記念物でござる。
ちなみに「へつり」は山かんむりに弗という字。
Windowsのフォントには登録されてません (^^;


弗 ←こういう字ね(やっぱ見にくい…)

国道118号線は会津西街道と呼ばれる他に
日光街道の異名もある道でござる。
塔のへつりから南下、会津田島から左に折れると
今度は国道121号線となり、確かに日光方面へ繋がっている。
山王峠を抜けると、福島県から栃木県へと変わって
鬼怒川温泉、今市市街を通り抜けた。
ここまで来たら日光は目と鼻の先。
時間は早や午後3時を回っていたが、
せっかくなので歴史の町・日光市を散策する事にした。

とは言え、時間が時間なので見学できる場所は限られる。
日光市内の有名な社寺はいくつもあるが、敢えて一ヶ所に絞る事にした。
で、選んだのは大猷院廟(たいゆういんびょう)。
日光と言ったら東照宮だろ!と思うけど
それじゃぁあまりにも当たり前過ぎ〜 (^^)
ちょっとマイナーだけど、わざとこっちを選んだのです。
で、そもそも大猷院廟って何?と言う方もいらっしゃるでしょう。
東照宮が江戸幕府初代将軍・徳川家康を祭る霊廟なのに対して
大猷院廟は3代将軍・徳川家光の霊廟なのであります。
東照宮を少しアレンジした感じの大猷院廟は
むしろ東照宮よりも質素で落ちついた風合い。
人によっては、こっちの方が良いと思うかも?
国宝・国重文 大猷院廟
国宝・国重文 大猷院廟

パッと見、この写真だけだと
「東照宮でしょ?」と思ってしまいますが… (^^;
これはこれで、れっきとした独自の霊廟です。
国宝や重要文化財が多数ある神社ですので
くれぐれも、失礼のないように!

で、大猷院廟を見学したら案の定、時間切れ。
他の寺社は拝観時間終了になってました。
境内を自由に見学できる輪王寺を横目に見つつ
今回の観光はこれにて終幕。
日光の杉並木を通り抜け、東北道の宇都宮ICへ向かい
茅ヶ崎への帰路に着いたのでありました。
いやーそれにしても、綺麗な湖にのどかな田園風景、
川べりの絶景に日光の社寺とくれば、かなりボリュームのある旅だったねぇ。
もうちょっと時間をかけて観て回りたいと思わせる晩夏の旅行でした。


◆◇◆ 湖と 稲穂さざめく 磐梯山 夏の会津は 山紫水明 ◆◇◆




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