1995年2月 九州旅行(6)

もう山口県に戻ってきてるので、九州ではないですね (^^;
もはや茅ヶ崎の我が家へ帰る行程に入っているのだが
せっかく山口へ立ち寄ったのだから、
この辺りを観て周ってから帰りたいもの。
ってなわけで、24日は山口から山陰方面を周遊した。
まず訪れたのが秋芳洞。秋吉台の地下に広がる天然の洞窟は
国の特別天然記念物に指定されており、
時に美しく、時に不気味な光景を醸し出している。
地下から湧く水は川となり、洞窟の入口から地表へ流れ出し
稲川、朝尾川、厚東川と名を変えながら宇部港にまで達する。

次に向かったのが秋吉台。
言わずと知れた、日本最大のカルスト台地である。
山肌にゴツゴツと浮き出た白いカルスト岩の模様は
何とも言えない不思議な光景でござる。
ちょうど拙者らが訪れた日は春の山焼きが終わった直後で
芝草が燃えて土に還った、黒々とした山になっていたので
カルスト岩がより一層白く見えた。
晴れた青い空に黒い山、そして白い岩々が続けば
色のコントラストが目に眩しい。
国特別天然記念物 秋吉台
国特別天然記念物 秋吉台

山焼き直後の秋吉台。
日本最大のカルスト台地なので、
これまた当然、国の特別天然記念物です。

秋吉台を通り抜けた一行は、国道262号線に出て
阿武川沿いに萩市へ到着した。
言わずもがな、萩と言えば城下町。
明治維新の原動力となった、長州志士達の町です。
車での移動なので、街中を通り抜けながらの見物だったが
江戸時代の町割りがそのまま残った景観に感心。
昔ながらの武家屋敷や街路、それに菊ヶ浜海岸から望む日本海。
どれを取っても美しい風景。
拙者、日本海を見るのはこれが初めてでござった。
日本海初体験の感動に興奮しつつ、萩の町を後にした。

県道11号線からいったん国道9号線へ出て、
次に向かったのは島根県の小京都・津和野町。
9号線から津和野の町並みへ別れる道には大きな鳥居が目印になっている。
これは津和野にある大社・弥栄神社の大鳥居。
山口線のSLでも有名な津和野町は
萩同様に江戸時代から続く町並みが残されており
鷺舞の舞踊も伝統芸能として良く知られている。
昔ながらの古民家が立ち並ぶ町なみをしばし散策しながら
伝統文化の重みを噛み締めたのでござった。
国史跡 森鴎外旧宅
国史跡 森鴎外旧宅

津和野の静かな町の中に
森鴎外の旧宅も残されている。
明治の文豪が住んだこの家は、
現在において国の史跡となっている。

再び国道9号線に戻った我々は、そのまま北上し
益田市でまたもや日本海と対面した。
ここからしばらくは日本海に沿って東に向かう。
もうぼちぼち日が沈む時間。
丁度その時見えてきたのが、三隅町にある「ゆうひパーク三隅」。
9号線沿いにある休憩所で、現在は道の駅となっている。
その名の通り、夕日を望むのに絶好の場所で
西の海に消えていく太陽が美しく見えた。
かなり欲張った九州・中国旅行もこれにて終了。
浜田市から浜田自動車道に乗り、夜の闇の中を
中国道・名神高速・東名高速と経由して
茅ヶ崎へ帰着したのは翌25日の午前。
随分な長旅に疲れたけど、京都・熊本・宮崎・鹿児島・山口そして島根と
地方の風土や伝統に深く深く感じ入った、有意義な旅でした。


◆◇◆ 火の国の 猛く荒ぶる 山の端(は)に 桜菜の花 姿麗し ◆◇◆




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