2011年5月 天空の白鷺2011

旅行期間:2011年5月20日(金)出発〜5月22日(日)帰着

主な滞在地
5月21日(土):竹田城・姫路城
姫路城周辺地図 (C)まっぷるnet


姫路城で平成の大修理が行われていた頃の話。
工事中の大天守が2011年の春から一般公開されるようになり
それに合わせてオフ会のお招きを受けた次第。現地の方にご案内頂ける上に
滅多に見られない工事中の姿が見られるのだから、そりゃ行くに決まってるっしょ!
と言う事で、前日の夕方から出発し1日かけてじっくりと姫路を堪能する!!となりました。

で、例の如く夜通しの運転で現地に乗り込んだ訳ですが
兵庫県に入ったのはまだまだ夜が明ける前。
当たり前ですが、こんな時刻に姫路城へ入れる筈もなく、オフ会のメンバーも寝てる時間w
となれば、どこかこの時間でも行ける城を夜討ちで見てみる事になる訳ですわな (^-^)
(と言うか、勿論それを計算に入れての行軍なんですがね)

そういう予定の上で、訪れたのが竹田城。ちょうどこの頃から「天空の城」として人気が出始めて
あちらこちらのメディアで紹介されるようになってきたんですが
逆に言えば、城マニアとしては必須のアイテム(?)と言った場所。
まぁ、以前にも行った事のある城ではあるのですが、あまりじっくり見た訳では無かったので
改めてこの機会に見ておこうかと。「天空の城」としての話題はもっぱら雲海ネタですから
5月じゃそれは無い訳で、今日夜討ちしたとて人混みになる筈も無く、独り占めできるだろうとも考えまして。
という事で、いったん姫路方面への道から外れて播但道へ進み和田山へ。
竹田城の駐車場に到着したのが午前4時頃、そこから夜道を歩いて城域へと踏み込みます。
荒城の月…
荒城の月…

月明かりに照らされた道を歩けば
徐々に石垣の姿が見えてきました。
そう、舞台はまさに荒城の月…。
城の中心部へと進み、天守台から辺りを見回すと…
竹田城の夜(1) 竹田城の夜(2)
月光の下、静かな史跡が何かを語りかけて来るようです。
ここで暫く、定点観測的に写真を撮ってみて、朝焼けの姿を堪能してみました。

定点観測した写真を繋いで
簡単な動画にしてみました。
朝日が昇る… 赤く色付く石垣
朝日が昇り、石垣が赤く色付く一瞬…この時間、独り占めです。
それにしても、こうやって見上げる石垣は本当に不沈戦艦という姿です。
16世紀の造形と近代の技術、何か通じるものがあるんでしょうか?

※ちなみに、現在では竹田城内への立入が時間・区域などの点で制限されています。
  この当時はまだ規制前のお話なので、「古き良き時代の事」と御理解下さい。
  今ではこのような時間での入城が出来ません。決して真似しないように。
  なお、城マニアの矜持に誓って遺構の破壊や危険行為、問題になるような行動は一切行っておりません
  夜間登城も十分経験を積んだ上での事ですので、その点も御承知置き頂きますようお願い致します。

では改めて、姫路でのオフ会に向かって移動。播但道を戻って姫路市内に入りました。
西二階町通りの商店街…ここがかつての西国街道。そこでメンバーと合流した後、
ちょうど午前10時になった所で姫路城の中堀沿いを歩き始めました。
この中堀沿いが現在は国道2号線。そこを東から西へ向かって歩いて行きます。
「大手前」交差点からスタートし、途中で土塁の上にも登らせて貰って進むと…
姫路城 G門跡
姫路城 G門跡

G門(くまたかもん)の枡形を上から見る。
枡形を上から眺めるって、ありそうで
なかなかないシチュエーションです。
しかもこの枡形、現在でも車道として
使われている“現役の城門”だったりします。
船場(せんば)川に行き遭った所から北上。川沿いに見事な石垣が並びます。
姫路城 外濠石垣

濠沿いに歩きます。これが姫路城の醍醐味。
ぐるりと外縁から攻略しないとねw
そして広さを体感しないとねww
新緑の季節ですので、目に青葉が沁みます(笑)
姫路城 外濠石垣
姫路城 市之橋門付近
姫路城 市之橋門付近

市之橋門付近は複雑に水路が交差します。
川を2列に並べて多重の濠を構成…。
こりゃ攻め手は面倒な事になりそうだ。
この辺りで濠からちょっと離れ、西側の民家密集地を抜けて行きます。
路地を抜け、案内された先にあったのは…随分と長い一直線の階段?!
男山
男山

姫路市街地の真ん中にある小さな山。
階段を登るのは結構自信あるんですが
この一直線の登り道は…流石に
途中で少々バテました(苦笑)
この男山、実は姫路城の出城で男山構と言います。
出城だっただけあって、そこからの眺望は抜群。それがこんな感じでして…
男山から眺める姫路城

姫路城の全体像が掴めます。
やっぱり、姫路城って「山」なんですねぇ。
木々が並ぶ中に、天守や櫓が見え隠れします。
男山から眺める姫路城
その「天守」ですが…
大天守素屋根(1) 大天守素屋根(2)
大天守素屋根(3)

大天守素屋根

工事中の大天守には大きな素屋根が掛けられ
姫路の町のどこからでも見上げられるようになっていました。
その素屋根には天守の立面図が描かれており
ある筈の大天守を想像させてくれました。
国の特別史跡になっている姫路城では、地中に杭を打ったりする事が出来ないため
こうした素屋根や資材搬入橋なども総て「置いてあるだけ」という状態で稼働していたそうです。

男山から県立歴史博物館、市立美術館→市立動物園と反時計回りに巡って来て
大手前公園でちょっと遅めの昼食を。この日、公園ではB級グルメのイベントが開かれており
海鮮わっぱ飯

お弁当を購入〜♪
お昼時にこういうお弁当を丁度良く入手できて
B級グルメのイベントさまさまと言った感じです。
姫路の町を歩き倒す遠足気分を味わいながら
わっぱ飯も味わいました。
海鮮わっぱ飯
B-1グランプリ in HIMEJI
B-1グランプリ in HIMEJI

近畿・中国・四国エリアのB-1グランプリだったそうで
人気のお店には長い行列が。いやはや、人が一杯…。
大天守素屋根

そしてここから見る素屋根も
バッチリと立面図が確認できました。
大天守素屋根(4)

昼食も摂った事だし、改めて姫路城の主郭エリアへ突入します。
桜門橋
菱ノ門を入って
西ノ丸から定番の構図
姫路城内にて

どこから見ても…素屋根が目立ちます(笑)
いやまぁ、敢えてそれを見に来たんですけどね (^ ^;
西ノ丸多聞櫓の中
男山を眺める
多聞櫓の軒を見る
西ノ丸多聞櫓から眺める

さっき居た男山を姫路城側から。
千姫が毎日こうやって
眺めていたんでしょうねぇ。
そして反対を振り向けば
例の素屋根がw
大天守素屋根(5)
二ノ丸から

徐々に天守が近づいてきました。
こうして見上げると、やっぱり大きい…。
大天守素屋根(6)
リの一渡櫓 内部
リの一渡櫓 内部

この時、公開されていたリの一渡櫓の内部展示。
甲冑がいくつも並んでいました。この他にも、
数々の屋根瓦や鯱なども。なかなか勇壮です。

そして資材搬入用の橋が近づいてきました。
資材搬入橋(1)
資材搬入橋(2)

ゴツい鉄骨が頭上を行き交います。
これが「置かれているだけ」とは
ちょっと信じ難いと言うか、
倒れたりしないの?と
心配になったり… (^ ^;;;
だって、文化財の真上だよ?
資材搬入橋(3)

天空の白鷺(1) 天空の白鷺(2)
さぁいよいよ本日のお目当て!大天守工事現場を見学できる施設「天空の白鷺」に入ります!!
天空の白鷺(3) 天空の白鷺(4)
エレベータで上へ揚がれば、目の前に大天守の姿が!
眼下を眺む(1)
眼下を眺む(3)
外側を見れば、真下まで覗き込む事が
出来ます。これも素屋根の中ならでは。
こうして上から見ると、やっぱり姫路城って
巨大な迷路なんだなぁ…。
眼下を眺む(2)
良く見れば、瓦が少しずつ外されてきていますね。
天空の白鷺(5) 天空の白鷺(6)
大天守の「外壁」や「屋根」をこんな至近距離から見られるのは、この工事期間だけ!
普段は下から見上げるだけですから、同じ目線で見るなんて事はありません (^-^)
天守曲輪
天守群の中にある小さな空間に
足場がしっかりと組み込まれています。
これ、総て天守の外側に建てたクレーンで填め込んだそうです。
素晴らしい職人技ですねぇ…。

ところで、大天守は工事中なので立ち入りできませんが
周りの小天守には入って見学する事ができました。
天守群内部
天守群の中、武者走りには
往時の武具掛けが並びます。
わずかな明かりに灯された姿が
古の栄光を静かに物語ります。
排水管

窓の下から突き出た排水管。
窓に吹き付ける雨が、戸板のレールに溜まって腐食させるので
それを防ぐ為、窓枠に排水穴を仕込み外側へ排出させるよう
窓ごとに排水管が取り付けられているんです。
姫路城天守の排水管はひときわ長いもののようです。
排水管
個人的意見なんですがね、城マニアにも色々な嗜好がありまして、
例えば石垣の矢穴に萌える方とか、屋根瓦の装飾を追求する方とか、土塁の風化具合が堪らないという方とか、
(鉄道マニアだと「撮り鉄」「乗り鉄」「音鉄」とかありますでしょ?)
色々いらっしゃいますけど、オイラとしてはこの「排水管」が面白いと思うんですよね。
正直、矢穴って石が割れるならどういう形でも良いような気がするんですけど(矢穴ファンの方すいませんw)
排水管のギミックって、城の建物ごとに特徴があって、比較すると相当なバリエーションがあると思うので
一つ一つ見る度に、飽きないんですがねぇ。誰もそんな点は気にしてないですか? (^ ^;;;

転用石
転用石

姫路城の石垣と言えば転用石ですよね。
こちらは五輪塔の部材。この他にも
石臼や墓石、石棺なんかも随所にあります。
そういうのを探すのも、城めぐりの醍醐味(?)
油壁

姫路城の名物と言えば油壁ですよね。
ここだけ漆喰になっておらず、古い形態のまま。
版築で築いた塀が、丸見えになっています。
そういうのを探すのも、城めぐりの醍醐味(??)
油壁
矢狭間
矢狭間

狭間があると、つい覗き込んじゃうんですよねー♪
でもこの狭間、どこを狙ってるんだ?!?!
にの門

にの門を外側から。この建物、複雑な形状をしていて
しかも迷路になった通路と上手く繋がって、綺麗な
曲線美を作り出しています。その向こうには天守群。
圧倒的な迫力を見せてくれるアングルですなぁ。
にの門
キリシタン瓦?
キリシタン瓦?

姫路城の謎、十字架を模った瓦。何故かここだけ。
歴代城主の家紋の家紋に十字は無いので、本当に謎です。
矢狭間

狭間があると、つい覗き込んじゃうんですよねー★
でもこの狭間、どこを狙ってるんだ?!?!?!
矢狭間
菱ノ門を出て しろまるひめ
菱ノ門を出て姫路城とはお別れ。しろまるひめがお見送りしてくれました。
楽しかったよ〜♪♪♪また来るねー!
オフ会にお招き下さった皆様、どうもありがとうございました〜 m(_ _)m



今回のオマケ
姫路おでんのしょうちゃん
姫路おでんのしょうちゃん

B-1グランプリ会場に置いてあったカートなんですが
全身がゆるキャラになってます。いやぁ、随分と思い切ってるなぁ… (^ ^;
姫路のB級グルメとして「姫路おでん」が推しのようなんですが
それをゆるキャラにすると、最高にユルい(爆)




◆◇◆ 白鷺が いずれ発つまで 伏せる今 それを見るのも 趣深し ◆◇◆




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