2005年4月 韮崎桃源郷

旅行期間:2005年4月16日(土)

主な滞在地
4月16日(土):新府城跡・能見城跡・道の駅にらさき・王仁塚・武田信義館跡
韮崎桃源郷行程地図


韮崎桃源郷は桃満開―――。
ある日の新聞に載った観光情報。
それを見た拙者は、桃の花見に出かけようと
家族を連れて山梨方面へと出発したのでござる。
韮崎周辺には甲斐武田氏の城跡が点在しているし
花見と城見物ならば一石二鳥、といった具合なので(笑)
相模湖ICから一路西へ、韮崎ICで下りた車は
とりあえず韮崎市役所近辺に乗り着けたのでござった。
市の中心街で観光情報を確認した拙者が向かったのは新府城址。
武田勝頼が織田信長の侵攻に備えて築いた城郭の跡は
現在、周囲に桃畑が広がっていて「韮崎桃源郷」の本拠になっており申す。

新府城址にて
桃の花桃の花と菜の花
城址手前の駐車場に車を入れ(やはり結構混み合ってました)
後ろを振り返れば、このように桃の木が何本も。
この時点で、お花見気分は既に最高潮(爆)

新府城址 東出構
新府城址 東出構

駐車場から城址入口へ歩を進めれば
東出構の見事な遺構が目に入ります。
中央に隆起した土壇がハッキリと分かりますよね?
当時はここが鉄砲の射撃陣地になり
迫り来る敵を撃退するように設計されてました。
で、城址入口へやってきたのですが…。
新府城址入口
新府城址入口

えらい急傾斜の階段、しかも果てが見えません…。
こっ、これを登れと言うんですか?
(実は本来の登城路は別にあったのですがw)
さすが戦国の山城、そう簡単には入れないようです (ーー;
しかもこの階段、足の踏み幅も狭くて非常に歩き難い!
当時まだ2歳のチビ助を抱えながらやっとの事で階段を登りましたが
いやはや、山城に慣れている拙者といえどこれはキツい。
まだ春先だというのに、頂上へ着く頃にゃうっすらと汗まで…。

と言ったものの、登った後にはこんな素晴らしいご褒美が!
新府城址 稲荷曲輪の桜
新府城址 稲荷曲輪の桜

ご覧下さい、満開の桜が群れを成してます!
かつて勝頼の悲哀に満ち溢れた城跡が
今では美しい春の情景に満ち溢れています。
城マニアにも十分なご褒美が!
新府城址 本郭土塁
新府城址 本郭土塁

すいません、分かりにくい写真で…。
城マニアが見たら一発で分かる
見事な土塁の遺構なんですが (^ ^;
そして誰の目にも明らかなご褒美が!
韮崎桃源郷を一望
韮崎桃源郷を一望

新府城の本丸から眼下を望めば
韮崎桃源郷と称される
桃畑の全容が目に入ります。
これ、全部桃の花なんですよ !!

いやはや、溢れんばかりの桃花は圧巻。
城の遺構も軽く見ただけで十分楽しめるボリュームでした。
山頂から麓の駐車場に下りてきて、七里岩ラインを北上
穴山駅の脇に控える小山は能見(のうけん)城跡との事なので
これも軽く見物。まぁ、こちらは石碑が建てられている位で
新府城址ほど公園整備されている訳ではありませんが…。
(というか、中心部は私有地なので勝手に立ち入れません)
ま、これはこれで良しとして、そろそろ昼ごはんの時間かな?
穴山駅周辺には特に食事が取れるような場所がないので
いったん国道へ出て、店を探す事に。
1時間ほどうろつき、結局辿り着いたのは道の駅にらさき。
そりゃ、道の駅ならば食事処もあって当然だよねぇ(苦笑)

道の駅で再び周辺の観光情報を収集。
で、向かった先は釜無川の対岸にある王仁(わに)塚。
何でも、ここは桜の名所として名高いとの事。
それは是非とも見てみないと!と思い立ち
韮崎市中心部から川を渡る、その名も「武田橋」を通り
民家が立ち並ぶ静かな旧農村を抜けて行きます。
少々道に迷いつつ、到着した王仁塚には
ご丁寧にも広々とした臨時駐車場まで用意されていて(笑)
やっぱり人が沢山来るんでしょうねぇ、この時季。
さて肝心の王仁塚に目を遣れば…おぉ!こりゃ確かに凄い !!
王仁塚の桜
王仁塚の桜

高さ20m以上あろうかという桜の古木が
1本、威風堂々と天を覆っています。
既に満開を過ぎ葉桜に近くなっていましたが
それでもこの風格、すっかり
圧倒されてしまいました。

陽は西に陰り始めたので、そろそろ撤収の時刻。
韮崎ICへ戻る道すがら(でもないか?)
武田信義館の跡を写真に収めました。
清和源氏の名門、甲斐武田氏の始祖と言われるのが信義。
館から少し離れた山には武田家の氏神となる武田八幡神社もあります。
一方、勝頼が築いた新府の城は武田氏最後の城郭。
戦国期に衰退した武田氏は、西から来たる織田信長の猛攻を
新府で防ごうとしたものの、その備えもままならず東へ落ち延び
遂に天目山で悲劇的な最期を迎えます。
韮崎は、武田家の始まりと終わりを見届けた地なんですね。
戦国乱世の興亡が頭によぎりつつ、彼の地を後にしたのでした。


◆◇◆ 春四月 桃に桜に 山城に 生きる息吹を 伝う韮崎 ◆◇◆




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