2000年6月 信濃騒動(3)

そして1週間が過ぎ、次の週末・24日の土曜日。
佐久に抑留(?)されてしまった光冠号を回収するため
再び我々は信濃を目指したのであります。今度は拙者の車、
街一番号に乗り、前回のメンバーにナビゲーター役の黒旅殿を加え
4人での出陣です。これで佐久まで行き、帰りは光冠号と街一番号の
2台連れで戻ってくるのであります。今回は長野直行ルートなので
行きも帰りも中央高速を利用。茅ヶ崎から国道129号線を北へ向かい
途中、厚木から国道412号線に入ります。中央高速へはこれがお約束の道。
相模湖ICで高速に乗ったなら一路西へ。笹子トンネルを抜けたら甲府盆地、
葡萄郷として知られる勝沼、山梨県の県庁所在地である甲府市を越え
車は次第に八ヶ岳山塊に近づいてきました。
須玉ICで高速を下り、清里方面に進む街一番号。
そういや須玉ってそれまで「すだま」だと思ってたんですが
実は「すたま」って読むんですね。この時初めて知りました。

いくら車を回収しに行くとは言え、タダ行って帰ってくるだけじゃ面白くない。
黒旅殿も来ているし、少しくらいは観光したいよねぇ。
とりあえず、清里に来たので牧場にでも行こうかという事になり
それじゃぁ、以前の某職員旅行では行かなかった
清泉寮(せいせんりょう)のアイスクリームでも食べようかと。
この日もあいにくの雨模様、何せ梅雨時なんでしょうがないんだけど
曇天の中、牧場見物をしつつアイスを食した我々。
って、寒いわこりゃ!(爆)
もう少し日を選ぶべきだと思ったのですが、時既に遅し。
何だかやるせない気分でしたが、気を取り直して次に向かう事としました。

先週は小海線で南へ下った路、今度は国道141号線で北上していきます。
光冠号が故障した現場を通り過ぎ、車は佐久市へ。
田園風景が広がるのどかな光景は、青々とした田圃の中に
鎮守の小さな祠が祀ってあったりして、日本の原風景といった感じの眺めです。
とりあえず車を引き取り、本来の目的を達成。
これで帰っても良いのですが、せめてもう少し観光したいもの。
待ち歩きが好きな黒旅殿が加わったので、先週の小諸同様
どこか古い宿場町でも見て歩こうかという話になり
地図を広げてみました。するとまぁ、色々ありますなぁ!
この辺には東山道や北国街道に関連した宿場町が散在し
地図には望月宿や茂田井宿、追分宿などの名所が掲載されてます。
もちろん、小諸や上田は有名な城下町。どれにしようか迷いましたが
その中でここ!と決めたのが海野(うんの)宿。小諸よりも奥、
上田より手前にある宿場町で、現在の国道18号線と千曲川に挟まれた
静かな街でござりまする。まぁ、距離的にも場所的にも手ごろだったのね (^ ^;
伝統的建造物群保存地区 北国街道海野宿
伝統的建造物群保存地区 北国街道海野宿

いきなり写真をお見せします!
こちらが北国街道の宿場町・海野宿。
古き町並みがそのまま残るこの街道は
日本の道100選にも入選しております。
そんな感じでやってきました、海野宿。
駐車場も完備されているので観光するにはバッチリです。
雨がそぼ降る中、古い宿場町散策はなかなか乙なもの。
普通だったら雨降りで観光する気なんか無くなりますが
むしろここだったら雨のほうが向いているかも?とも思えます。
(まぁ、負け惜しみに聞こえなくもないが…)
さて、海野宿は「うだつ」のある建物が並ぶ町としても有名。
全国各地に点在する「うだつの町」、元々うだつは防火施設として
町屋の壁面に取り付けた張り出しの事ですが、次第に装飾化し
家にうだつがあるのは富のある象徴とされるようになりました。
「うだつがあがらない」というのは、うだつが付けられない
つまり十分な稼ぎがない、という事から来る言葉なんですね。
古き良き町並みには様々な歴史があるという裏話なんでしょう。
海野宿にて
海野宿にて

古い歴史を物語る道祖神も居たりします (^ ^)

のんびりしていたら、だんだんと日が傾いてきました。
もともと雨降りの曇天、もたもたしていたらあっという間に暗くなりそう。
佐久市内から今日辿ってきた道を遡り、国道141号線を中央高速へ向かいます。
ところが日が沈んだ後、今度は霧が立ち込め始めました。
しかも高原の道はどんどんと高度を上げ、山に入っていきます。
とうとう白濁した霧で前がまともに見えなくなりました。
あちゃー、こりゃヤバい (><)
最後まで気の抜けない旅だね、今回は。
時間も押しているので、いつ晴れるかわからない霧の中で停まる訳にも行かず
フォグランプのない光冠号に代わり、フォグランプ装備の街一番号が前に出て
先導する事にしました。まぁ、それで霧が解決する訳でもないので
安全運転のため、徐行しつつの前進です。小海町〜南牧村あたりが
最も霧の激しい区間でしたが、それを抜けて清里まで来た頃
ようやく少し前が見通せるようになりました。ここから一気に加速、
遅れを取り戻すように先を急ぎ、須玉ICまで到着しました。

高速に乗ればあとは一直線。今までの濃霧がウソのようです。
結局、すっかり夜遅くなってしまいましたが
2台連れの高速ドライブ、今日は故障する事もなく(爆)
相模湖ICに帰り着き、厚木市を抜けて帰宅。
日帰り記念ドライブだったのが、翌日持ち越しの上
週をまたいで再来訪という思わぬ長期遠征企画になってしまいましたが
なんだかんだ言って信濃の古い宿場町めぐりを果たした良い経験でした。
まぁ、次回は故障なきように、ね★ (^ ^;


◆◇◆ 川煙 たなぶ信濃に 無常の日 古き町には 愛着の車(とも) ◆◇◆




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