琉球国 座喜味城

座喜味城大手口

所在地:沖縄県中頭郡読谷村座喜味

■■駐車場:  あり■■
■■御手洗:  あり■■

遺構保存度:★★★★
公園整備度:★★★★☆



琉球随一の名築城家・護佐丸盛春(ごさまるせいしゅん)が築いた城として有名。
築城時期は1442年頃と言われる。護佐丸は今帰仁(なきじん、琉球北山(ほくざん)の中心)の
按司(あじ、本土で言う地頭職のようなもの)に繋がる出自の人物でござる。
元々は読谷山(よみたんさん)按司を務めていた彼は、後に琉球統一を果たす
第一尚氏王統の始祖・尚巴志(しょうはし)に娘を嫁がせた事で尚氏の重臣に列せられ、
以後尚氏の覇業に貢献するようになったのでござった。
(北山など琉球三山や第一尚氏王統については首里城の頁を参照されたい)
1416年に尚巴志が北山王家を滅ぼした後、旧北山地域を統治するべく新設された
北山監守の役職に任じられ今帰仁城主となり、尚氏治世の安定に努め申した。
尚氏による三山統一事業の一環として、護佐丸による座喜味(ざきみ)築城も行われた。
この後、勝連(かつれん)城で権勢を誇り尚氏王統に抗う阿麻和利(あまわり)に備え
護佐丸は中城(なかぐすく)城へ移封され、守りを固める事となる。
座喜味城は読谷村にある総石垣造りの小城。世界文化遺産に登録された沖縄の城郭の中では
最も小さいものでござる。しかし規模が小さい分、守りは堅固なものと言える。
築城の名手である護佐丸が築いただけあり、石組みの高い技術には感心させられ、
もはや芸術品と呼べるような美しさでござる。石垣の中をくりぬいたような
アーチ型の門(写真)は琉球城郭で最古の物とされ、以後の琉球城郭に取り入れられた。
この写真一枚だけでも座喜味城の壮麗さが解って頂けるのではないだろうか。
城の縄張りは丸みを帯びた星型。北海道の五稜郭をも彷彿とさせる。
☆の形に一周する石垣上には登る事ができ(一部を除く)、城の全体像を望める。
夕暮れの時間には海に沈む太陽を眺められ、これもまたオツなものでござろう。
拙者が登城した時はまさにこの時刻!静かに沈む太陽は古城に良く映え申した。
現在、城跡は史跡公園として整備されている。沖縄本土復帰の1972年(昭和47年)5月15日に
国の史跡に指定され、1978年(昭和53年)3月7日に追加指定、
2000年(平成12年)12月には国連の世界文化遺産にも認定されたため
駐車場や案内看板なども用意されている。駐車料金や入城料などは一切かからないので
気軽に散策できるのも嬉しい。小柄で起伏の少ない城郭で、遊歩道なども完備されているため
女性や子供でも楽に見学する事ができるのでお奨め!
(余談ですが、ウチの嫁さんもかなり気に入っていたようです)
残波岬や琉球村などの観光地が近隣にあり、国道58号線からも近いので
観光するのにうってつけの周遊ができるのではないだろうか。


現存する遺構

石垣・郭群
城域内は国指定史跡
国連世界文化遺産登録




勝連城  今帰仁城