1999年9月 日光参詣 〜滝見の章〜

旅行期間:1999年9月4日(土)

主な滞在地
9月4日(土):

湯ノ湖・湯滝・戦場ヶ原・竜頭の滝・中禅寺湖
二荒山神社中宮祠・華厳の滝・寂光滝・裏見滝・霧降大滝
日光参詣 〜滝見の章〜 行程地図


茅ヶ崎生まれで茅ヶ崎育ちの拙者としては、日光というと
小学校の修学旅行で行った場所なのでありますが
(茅ヶ崎市立の全小学校は修学旅行→日光です)
成人して、自分で車を運転するようになる歳になって
改めてまともに日光まで行ってみたいなと考えるようになったのでござる。
やっぱり子供のお遊びで見るのと、
大人の目でじっくり見るのとじゃ全然違うからねぇ (^^;
で、地図を確認してみると、勿論東照宮や輪王寺があるのは分かるけど
なんだか日光市周辺には滝が多いぞ!という発見も。
華厳の滝や竜頭の滝といった超有名処は言うまでもなく、
地図上にある各所の滝を見てみるというドライブに出かけたくなり
滝好きのとんび氏を誘って日光行きを決断したのであります。
日帰り強行軍で日光攻めをするにあたり、まだ夜が明けぬ早朝4時に起き
とんび氏と交替で運転し、東北自動車道を北上。
宇都宮ICからは日光宇都宮道路をひた走り、日光市へ。
日光宇都宮道路では路肩に野猿が群れで現れて驚きもしたが
とにかく最初に山の上まで行き、そこから滝を見つつ
山を下って来ようという計画だったので、猿も市内観光もそっちのけで
いろは坂を爆走、中善寺湖畔を通り抜けて一気に湯ノ湖まで向かいました。

日光湯元温泉から湧き出る湯が湖となっている事からその名が付く湯ノ湖は
奥日光の中でも特に奥まった位置にある静かな湖でござるな。
と言っても、流石に有名観光地。朝8時過ぎという早い時間でも
観光客が結構多く居て、駐車場は満杯に近い状態。
何とか空きスペースを見つけて車を入れました。
で、この湯ノ湖から溢れる水は湖の出口で直ぐ滝となって流れ出ています。
これが湯滝で、注ぎ口(というのか?)から下りるにつれ
まるでカーテンのように滝幅が広がって滝壷に注いで行くのです。
日光滝めぐりの旅はここからスタート!
湯ノ湖の湖畔には遊歩道が整備され、当然の事ながら
湯滝の隣をその道が階段となって下に向かい、湯滝の観瀑台に繋がっています。
もちろん、我々もその歩道を伝って下に降り、湯滝の全景を鑑賞しました。
幸運にも?この日は特に水の多い日で、
普段は静かな湯滝が勇壮な大滝になっていたのです。
湯滝
湯滝

湯ノ湖の一番端、湯滝の注ぎ口(でいいのか?)には
木橋が架かっていて、そこから滝の下を覗く事ができます。
画面右手前から左上に向かって流れ落ちる水を撮影しました。

湯滝から流れる水を追って(?)国道120号線を日光市方面へと返していく我々。
湯滝から下る水は、湯川(←まんまやな)となって日光市街地へ進みますが
120号線はこの川と並走するように通っている道です。
湯ノ湖から山を下りてくると、そこには一面に広がる大湿原
戦場ヶ原が待ち受けています。伝承によれば、日光を守る男体山と
赤城山(だったかな?)がここで戦ったからその名が付いたとか。
湯川はここで一回湿原の中に紛れ込み、そこからまた川となって下ります。
やや曇りがちだった晩夏のこの日、山中の高所にある戦場ヶ原では
霧がかかって季節の変わり目を告げておりました。
朝から走り徹しだった我々は、霧の高原でひと休みしたのでございます。

さて、戦場ヶ原を出発して再び湯川沿いに山を下れば
名瀑として名が知られる竜頭の滝が近づいてきます。
次第に川は渓流の起伏を見せ始め、今まで穏やかな小川だった様子から
ガラっと変貌。もちろん、竜頭の滝に至るまでの渓流は観光コースです。
国道脇の観光駐車場に車を停め、ここからしばし歩きで川を散策する事にしました。
平地に比べてやはり涼しげな奥日光でありますが、
紅葉の季節にはまだ早く、山の木々は緑の葉を茂らせていて
その中を下っていく渓流の水はとても白く清らか。
山の間を割って流れる川の勢いを感じます。
のんびり30分ほど渓流散策を楽しんだら、いよいよ竜頭の滝に到着!
言うまでもない事ですが、綺麗ですねこの滝は (^^;
目の前には茶屋があり、滝しぶきを受けながら一服。
茶屋は観光客で大繁盛、我々と同じく皆々こぞって写真撮影に勤しんでました。
湯川の渓流と中禅寺湖
湯川の渓流と中禅寺湖

竜頭の滝に流れ込む手前、湯川の流れから
遠く望んだ中禅寺湖の姿を撮影しました。
写真上方、山に囲まれた湖が中禅寺湖です。
湯川は竜頭の滝で流れ落ちた後、中禅寺湖に注ぎ込みます。
で、竜頭の滝の写真は…御池の頁を見て下され(爆)

さて、竜頭の滝から遊歩道を引き返して駐車場に戻り
車は再び山を下っていきます。そこで辿り着いたのが中禅寺湖。
湯滝や竜頭の滝は観光客でごった返していましたが
奥日光随一の景勝地であるはずの中禅寺湖は何だか閑散とした感じ。
雨こそ降っていないものの、重く曇った空の下では
どこか寂しげな雰囲気さえ漂ってきます。まぁ、真夏には
避暑地として人が溢れかえる場所ですから、こういう静けさも一興か。
中禅寺湖はすぐ北側に男体山を接した位置にありますが、
この男体山、言うまでもなく日光を守る有名な霊峰。
男体山を御神体とする二荒山(ふたらさん)神社もまた有名で、
日光周辺にいくつもの社がありますな。大きなものだけでも
男体山の頂上にある奥宮、日光市内にある本宮、それに宇都宮市内にある
二荒山(ここだけ「ふたあらさん」と読みます)神社などを数えますが
当然、中善寺湖畔にも社があります。それが中宮祠です。
中宮祠は男体山登山口にある大きな神社で、山の安全を祈願する御宮。
ここの裏手から真っ直ぐに男体山頂上まで登山道が続くのです。
もちろん由緒ある古宮は数々の古建造物を多く有し、その大半が国の重文。
朱塗りの神殿は曇天模様にも負けず神々しい鮮やかさを放っておりました。
旅の安全をお願いしつつ、中宮祠を後にした我々は
そのまま中善寺湖畔の繁華街で昼食も頂く事に。
観光地で混雑もせず食事にありつけたのは、二荒山神社の恩恵でしょうか?

山の上から中禅寺湖まで下りて来ました。湯ノ湖の出口は湯滝ですが
同じく中禅寺湖の出口も滝になってます。云わずともお分かりですね★
日光どころか日本きっての名瀑として名高い華厳の滝です。
確かここは修学旅行で来ている筈なんですが、全然覚えてません(ォィ)
という事なんで、ほとんど初めて見るような状態で訪れました。
霧がかかる中、華厳の滝は大量の水を吐き出していて
「おぉ、これがあの華厳の滝なんだぁ」と感激。一瞬ごとに霧が流れ
滝の姿を写真に収めるのは至難でしたが、それもまた興奮を掻き立てます。
それにしても、崖の上からもの凄い量の水が一直線に叩き落されていて
華厳の滝ってやっぱり有名なだけはある大きな滝なんだなぁと再確認。
考えてみりゃ、巨大な中禅寺湖の水がここ一点で噴き出しているわけだから
これって天然のダム放水になってるって事だよねー。
しかも放水量を調整してるんでもなく、自然にこれだけの水が出てきてる…。
って事は、これだけの水が中禅寺湖に流れ込んでいるっていう意味だよね。
ひえ〜!莫大な量だぜ、これ !! (><)

湯滝・竜頭の滝・華厳の滝という有名瀑布を観光した後は、
もっと細かい滝を見に行きます。華厳の滝から川を下り、
国道120号線を第一いろは坂に進むかすこば一行。行きに山を登ったのは
第二いろは坂でしたが、下り道は第一いろは坂の方になります。
登る道と下る道でいろは坂は分かれているんですよね。
そのまま坂を下りきり、日光の市街地が近くなってきたところで
道を左折。向かったのは寂光滝です。とんび殿と協議し、
何だか趣のある名前のこの滝へ行ってみようという事になったのです。
国道120号線から分かれた栃木県道194号線を進み
終点で突き当たった所にあるのが寂光滝。曇り空の下、
森の木立を縫って歩道を歩けば、真昼でも何だかとても暗く感じます。
その暗がりの奥にありました、寂光滝。その名の通り、寂しい中に
一筋の滝が流れ落ち、神々しい姿を見せておりました。
こうした小さな滝がいくつもこのあたりにあるんですねー★

さて、暗がりの中にあった寂光滝はとても静かでしたが
どうもこれだけでは物足りない。で、次の滝へ素早く移動です。
またも道路地図を取り出して、どの滝がいいかと相談していたら
ちょっと山へ戻った位置に裏見滝があるとの表示。
よくネタで「うらみ=怨み」、呪われた滝という意味で小噺に使われますが
いやいや、字を見りゃ分かる事で、
滝の裏側から眺める事ができるというものですよね。
結構裏見滝というのは全国各地にあるようですが
実際に行ってみる機会はなかなか無いもの。という事で、
次に向かうはこの裏見滝と決定いたしました。
国道120号線を中禅寺湖方面へ少しばかり引き返し
日光安良沢郵便局の先から横道に入ります。で、細い道を進む事約5分
道の終点は広々とした駐車場になっており、そこからは徒歩。
ちょっと心細い山道を20分ほど歩きましたが、その先に絶景が待っていました。
山の谷間が突き当たる所が滝になっているのですが、大きな滝筋の他にも
そこかしこから小さな水の流れが噴き出して、谷間全体が水煙に包まれています。
これはもう筆舌にし難い美しさ!迫力の華厳の滝も良いですが
「水の国」といった感じのここは荘厳さに覆われた感動の場所です。
とんび氏と一緒に、「こここそ日本一素晴らしい滝だ!」と勝手に決定 !!
その中で一番大きな滝筋こそ裏見滝。もちろん、裏側に回ってみましたよ!
先ずとんび殿が滝の裏側に行き、その姿を拙者がカメラで撮影。
彼が戻ってきたら、交替で拙者が滝へ向かいました。
お互いにお互いの姿を写真に収め、裏見滝の感動を記念に残したのであります。
裏見滝
裏見滝

とんび殿が滝の横に回りこみ撮ってくれた
拙者と滝の姿。え、小さいって? (^^;
滝の裏から見る風景は凄く独特なもので
大きな滝の流れはまるでカーテンのように目前を覆い
その隙間から覗く滝壷の様子は…
まるで空を飛んでいるかのような感覚でした。
水に濡れるのを覚悟しなければなりませんが
ここはもう、絶対にオススメの場所です!

裏見滝があまりに素晴らしかったので、しばらくそこに留まり
滝の姿を長々と眺めておりました。もうほとんど放心状態。
随分と時間をかけて滝見物をしていた拙者たちでござりまする。
そうこうしていたら、帰る時刻が迫ってきました。
帰路の走破を考えれば、残り時間はあと僅かです。
何とかもう1箇所、滝を見ようと考えて
とんび殿と決めたのは霧降大滝。やはり最後の締めは有名処です。
国道120号線を急いで走り、日光市街地をスッ飛ばし(え?)
霧降大橋で大谷(だいや)川を渡り北へ向かった我々の車。
霧降高原有料道路の入口から脇に進み、霧降大滝の観瀑台に到着しました。
そこから見た滝の姿は、勇壮という言葉がピッタリ♪
何たって山の斜面全体が滝の流れになってるんですから。
観瀑台の向かいにある山に、山頂付近の窪地から水が流れ出て
そのまま斜面を滑り落ちて谷底まで大きな滝が出来上がっているんです。
よくもまぁ、こんなに良い場所を水が流れて壮大な滝になったもんだ!
霧降大滝の夕景は、自然の造形美を思い知らせてくれましたぞ。

霧降高原から日光市街に戻り、レトロな感じのJR日光駅まで来た所で日暮れ。
時刻はもう17時半を過ぎておりました。日光街道の杉並木を眺めつつ
宇都宮方面に走り、そこから東北自動車道で帰宅の途に。
茅ヶ崎に着く頃にゃ、すっかり夜遅い時刻になってしまいましたが
日光の滝を存分に楽しめた旅でございましたぞ。
でも、よくよく考えりゃせっかく日光まで行ったのに
東照宮やら輪王寺やら、日光なればこその旧跡は全然見なかったんだよねぇ (ーー;
これは是非もう一回日光へ行って、今度は寺社めぐりをしなければ!


◆◇◆ 日光の 清き流れに 潤され 濁れる心 今は楽しき(←コラッ!) ◆◇◆




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