1999年2月 水戸梅まつり

旅行期間:1999年2月27日(土)夜半出発〜2月28日(日)

主な滞在地
2月28日(日):袋田の滝・竜神大吊橋・西山荘・常磐神社・偕楽園
水戸梅まつり行程地図


関東の名瀑として知られる袋田の滝は、冷え込みが厳しくなると全面結氷するという。
加えて初春のこの時期、関東は梅の開花シーズン真っ盛り。
袋田の滝+梅、つまり水戸偕楽園=茨城周遊コースの出来上がり!
思い立ったら吉日という事で、俄然茨城行きを決意したかすこばは
2月最後の日曜日に合わせて出発したのでありました。
さてさて、袋田の滝は凍っているのでしょうか?

夜10時過ぎの茅ヶ崎から国道1号線→横浜新道→首都高速と乗り継いで
車は水戸方面の高速道路・常磐自動車道へ。夜半過ぎというのに
渋滞こそしていないものの交通量はかなり多い。
常磐道って、こんなに沢山の車が走ってるんだぁ、と少々驚いた。
茨城県に入った頃、日付は替わり、周囲の景色は…真っ暗 (^^;
昼間走っているのなら、筑波山とか見るものが色々あるんだろうけど
もちろんこの時間じゃ見える筈がない。ひたすら北上すると
時折トンネルをくぐり抜け、そうした事を何度か繰り返した先には
高速警察隊がスピード違反の車を捕まえてたりして(爆)
あらぁ、捕まっちゃったんだねぇ、随分飛ばしそうな車だもんねぇ、それ。
パトカーと並んで停まっている白いスカイ○インを横目に見つつ
拙者は安全運転をキープし(別に急ぐ必要もない旅だし)
那珂ICから一般道へ。国道118号線を北に向かい、大子町方面へ走り
袋田の滝付近の観光駐車場で夜明かしするのでござりました。

陽が差し始めた早朝、早速行動開始。お目当ては凍った?滝だもんね。
寒〜い時間こそ勝負!という事なのです。拙者、桁外れの寒がり(恥)ですが
この一瞬だけは冷え込みを我慢して、滝方面への遊歩道を突進していきます。
さて、袋田の滝の手前は山塊が塞ぐように立ちはだかり
そこにはトンネルがくり貫かれて観瀑台に通じております。
本来、このトンネルは100円ほどの通行料を払わねばならないんですが
朝6時、料金係の人がまだ居ない…。
ここで待っていたとして、何時になったら来るのか分からんしねぇ。
とりあえず、帰りに払うと(勝手に)決めて、行かせて貰う事にしました。
歩行者専用の小さなトンネルをくぐり、折れ曲がった道の先に観瀑台。
そこから前を見れば、手に届くような間近に立ちはだかる滝の姿が!
早朝、まだ薄明るい光の中で見る袋田の滝はやや青み掛かり
何とも幻想的な光景を見せてくれました。いやぁ、寒い中来た甲斐があったわ。
4段に分かれて流れてくる事から、四段(しだん)の滝とも言われる袋田の滝、
さすがに凍ってはいませんでしたが、透明感ある水の流れに満足♪
やはり名瀑と呼ばれるだけの事はありますなぁ。しばし見とれてしまいました。
朝一番だから貸し切り状態だったのがなお良しです!!

で、帰りにトンネル出口を見たのですが、まだ料金係の方は居なくて…(以下略)

袋田の滝を堪能した後は水戸方面へ戻るのですが
その前に常陸太田方面へと立ち寄る事に。そこで国道461号線を通り
更に茨城県道33号線を南下。その途中にある名所が竜神大吊橋でござる。
竜神ダムの上に架かる橋の長さ375m、歩道橋としては日本一の規模との事。
確かに大きい吊橋で、歩道橋と言いつつ軽自動車くらいなら余裕で通れるね。
橋の上からはダム堤の姿がまるで模型のように望めます。
冬晴れで天気は快晴、良い日和で景色も良けりゃ爽快な気分になりますね。
それにしてもよくまぁこんな大きな橋をこんな所に(失礼)造るねぇ。
しかもこの橋、渡った先は行き止まり。何も意味無い橋なんだよねぇ。
観光名所にするための橋、というのが唯一の存在意義みたいです。
正直言うと、もっと役に立ちそうな所に架けりゃいいのに…。
何だか文句が多くなってしまいましたが、とりあえず凄い橋である事は確かです。
ぜひぜひ、皆さんも見てみて下さいませ。
竜神大吊橋
竜神大吊橋

向こう岸が霞む長さの大吊橋。
歩道橋というにはあまりにも贅沢ですね。
橋脚のデザインも凝った感じで立派。

そのまま県道33号線を山から下りれば、常陸太田の市街地。
ここ太田は戦国時代に常陸国の雄・佐竹氏が本拠とした町で、
それに関連した史跡が多くあります。しかしもっと有名なのが
水戸黄門こと徳川光圀が隠居所とした庵、西山荘(せいざんそう)。
水戸藩主を引退した光圀は、この山荘に隠棲し
山野を眺め、学問の研究をし、領民と共に田を耕して過ごしたといいます。
そんな開放的なお殿様なんてそうそう居ませんよね。
現存する西山荘、光圀が住んでいた当時の姿ではありませんが、
江戸時代のまま残る萱葺きの建物はとても情緒あるもの。
あたり一面の山や田んぼもそのまま残され、見える限り現代の建物はなく
まるで西山荘の周囲だけは江戸時代そのものという状態になっています。
あまりに良い保存状況なので、TVドラマの水戸黄門は
実際にここで撮影している事でも有名。
思わず時間を忘れるような、本当にいい場所ですよー。
西山荘
西山荘

西山荘御殿裏側にあった小さな釣鐘。
少し変わった光景を写真に収めてみました。
黄門様もこういう鐘を叩いたんですかねぇ?

昼食を済ませ、いよいよ水戸市へ。国道349号線で一直線に水戸市へ入り
目的地はそう、偕楽園。日本三名園の一つとして有名な偕楽園は
水戸城の山里曲輪として造営された庭園で、もちろん梅の名所です。
千波湖畔の駐車場に車を停め、JR常磐線の線路を渡った所にあるのが
常磐神社なる神社。偕楽園の端にある神社で、水戸徳川家ゆかりの社です。
偕楽園に入る前に、ここへお参りしていきましょう。
神社の境内には義烈館という資料館がありまして、
館内には水戸徳川家の有名な2君、徳川光圀と徳川斉昭に関する
様々な史料が展示されております。江戸時代初期の名君として有名な
光圀公の贈名が義君、江戸時代末期の宰相として名高い斉昭公は
烈君と呼ばれるため、2人を合わせた展示館で義烈館という訳です。
その他、境内には斉昭が鋳造させたという大砲の模型も置かれており
水戸徳川家の歴史を凝縮した場所がこの常盤神社なのでありまする。

神社境内の隣からが偕楽園の園地。この庭園は江戸時代後期、時の水戸藩主
徳川斉昭が武士と庶民の区別なく共に皆が楽しめる庭園として造営した事から
偕楽園と名付けられた場所です。花を愛で、実を産物として利用するために
園内一面には梅の木が植えられまして、このため現在では「梅の名所」として
広く知られるようになったのでありますな。
強烈な個性で国政を揺るがせた斉昭公、その激しさ故に
歴史家の間では好き嫌いが分かれる人物ですが
基本的には領民を愛する信念で政策を進めたという点は評価すべきでしょう。
で、もちろんその梅が満開のこの時期は観光客で一杯!
梅の合間に通じる道には人の波ができていて、歩くのも一苦労。
まぁ、これだけ綺麗な梅が山ほどありゃ、みんな見に来ますやね。
拙者もその内の一人なんだから文句も言えません (^^;
梅まつりのイベントとして、茶会が開かれていたり
黄門公の姿をした方が記念撮影のお供に招かれたり、実に賑やか。
出店の中には記念切手を揃えた郵便局の臨時出張所もあったりして(爆)
冬の午後、晴れた日ざしの中では少し暖かい感じもして
梅が綺麗な偕楽園一面、のんびりと過ごす事ができました。
国史跡・名勝 偕楽園
国史跡・名勝 偕楽園

常磐公園の名で史跡・名勝登録されている偕楽園。
黄門様と一緒に写真撮影♪
辺りには色とりどりの梅の花が咲き乱れています。

梅花を楽しんだ後は、帰宅コースへ。
せっかく水戸まで来たんだから水戸城跡も見たいところでしたが
何せこの人混みの中じゃとても市中心部へは動けません。
だいたい、現在は城跡らしい遺構が残されてないしねぇ。
また今度来た時に、と諦めて水戸市を後にしました。
(それ以来、まだ水戸に行ってないんですが…)
国道50号線を西へ走り、再び常磐自動車道に向かいます。
水戸ICから高速に乗り、前夜に来た道を戻るかすこば。
滝や渓谷、梅の花など、茨城の自然を満喫したドライブでありました。


◆◇◆ 冬と春 移ろう季節の 境目は 滝に花見に 充つる常磐(ときわ)路 ◆◇◆




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