1998年6月 京都30時間往還

旅行期間:1998年6月2日(火)夜半出発〜6月4日(木)早朝帰着

主な滞在地
6月3日(水):

清水寺・六波羅蜜寺・建仁寺・八坂神社・円山公園
蓮華王院(三十三間堂)・広隆寺・教王護国寺(東寺)・東福寺
京都30時間往還行程地図


一時期かすこばが仕事に疲れ、自由人(フリーター)になっていた頃の事、
横浜に住んでいた知人から「京都にでも行かね?」と誘われた。
既に次の旅行を計画し、その日取りは目前であったが
ま、京都は京都で行ってみたいなと思い、話に乗った。
が、各自の予定を合わせると…行けそうな日はたったの1日だけ。
え?京都日帰り?!んな無茶な!と思ったが
いやまてよ、こんな馬鹿馬鹿しい企画はそうそうあったもんじゃない、
むしろタイムトライアル京都旅行なんて旅行者魂が燃えるじゃないか!!と
くだらないチャレンジ精神に火が点いてしまった。
(↑ホンマにめっちゃくだらんなぁ)
そんなこんなで、横浜発京都行き日帰り旅行が決定。
移動時間を無駄にせぬよう、例の如く夜半に出発し
夜通しで東名高速・名神高速を走破、大津SAで夜明かししたのであった。

大津SAって本当に便利やね。
京都観光を準備するためにあるサービスエリアって感じで
ここから10分程度で京都市内へと到着できる。
朝8時過ぎに行動を開始した我々は、清水寺へと向かった。
が、時すでに遅し。境内は修学旅行生でいっぱい!
うーん、さすが日本を代表する観光地でござるなぁ。
人ごみを避けるため、清水寺は早々に切り上げ
清水山を下り、東大路を渡って祇園方面へと向かう。
その道すがら発見したのは六波羅蜜寺。
民家の間に朱塗りのお堂が突然現れて驚いた。
清水寺に比べると、小ぢんまりしてひと気のないお寺だが
ここには有名な平清盛像や空也上人像が収蔵されているので拝観。
もちろん写真撮影など禁止なので、お見せする画像は無いが
さすがは京都、街中の隠れた寺にも相当な文化財が溢れている…。

六波羅蜜寺から北へ歩けば、そこは建仁寺。
随分と開放的な境内の中に、大きなお堂や山門が点在している。
関ヶ原合戦の後、敗れた西軍の有力武将であった
安国寺恵瓊はこの寺に隠れていた所を捕まったとか。
かなり有名なお寺なのだが、拙者が訪れた時は人影もなく
あたりは静まり返っていたんだよねー。
これならば、恵瓊が逃げ込んだのも一理あるか?

建仁寺を後にして、次なる目的地・八坂神社へと移動。
ここまで来ると、京都の風景として最も馴染み深い八坂塔がよく見える。
この近辺には昔からの宿屋が立ち並び、その向こうに塔がそびえる様は
いかにも古都らしい風情をかもし出している。
八坂神社の境内をぶらぶらと散策し、その裏手にある円山公園で一休み。
さすがに東山近辺だけあって、緑の多い森が目の前に見えますな。
後ろを振り向けば100万都市の京都市街が広がっているんだけど…。
結構このギャップはすごいかも?
さて、円山公園から車を停めた清水寺の駐車場まで戻る道と言えば
これまた京都の名所、一年坂・二年坂・三年坂だね。
さぞかし観光客が溢れているか、と思ったらこの日は案外ガラガラ。
清水寺は朝早くから人だらけだったのにねぇ。
八坂神社
八坂神社

言うまでもないくらいに有名な神社ですね。
楼門・本殿・石鳥居と
境内にある末社の蛭子社社殿は
国指定の重要文化財。
確かに、境内には沢山の末社が
所狭しと並んで鎮座しております。

東山近辺を後にして、次に向かったのは蓮華王院。
って言っても分かりにくいね。三十三間堂の事です。
平安時代末期、後白河法皇が発願し
平清盛が造営した天台宗の寺堂。
中には1001体の千手観音像が収められていて
誰でも必ず一体は自分と似た観音像があるはず、と言われている。
通し矢の行事でも有名ですな。
清水寺同様、これまた修学旅行生がいっぱい!
考えてみりゃ、三十三間堂って…修学旅行で行く定番だけど
普通の京都旅行だと忘れられがちな場所だよねぇ (^^;

ここからしばらくは京都市街を車で走りぬけ、今度は西へと向かう。
万年渋滞?といった感がある京都の道路状況をひたすら我慢し、
たどりついたのは広隆寺。嵐山の一歩手前、
映画撮影の名所である太秦(うずまさ)にある名刹でござる。
お寺自体はもちろん高名だが、それ以上に有名なのが寺仏の弥勒菩薩像。
もちろん、これもしっかりと拝見させて頂きました。
(やっぱり撮影禁止なので写真はありませんが)
お寺の境内は人ごみもなく、静かな雰囲気。
かと思えば、山門の外は車がひっきりなしに行き交う大通りで
目の前を京福嵐山線の市電までもが通っている賑わい。
京都の町って、こうした落差が激しいねー…。

時刻は午後3時を過ぎ、そろそろ帰りの行程を気にし始める頃。
それでももう少し京都見物を楽しみたい我々は、
京都駅のすぐそばにある有名処、東寺へと向かう。
正しくは教王護国寺(きょうおうごこくじ)という古刹で
かの弘法大師空海が開いた由緒あるお寺である。
同行の知人は、何でもこのお寺の御坊と知り合いらしく
ちょっと話をしてくると言って奥へと消えてしまった。
それならそれで、拙者はひとり散策を楽しもうと
境内のあちらこちらを周遊。大師堂や講堂、金堂に五重塔など、
東寺の寺堂は何もかもが大きいのにビックリ。
京都駅の目の前、京都市街のド真ん中だというのに
こーんなに広々としてスケールの大きな建物が沢山あるというのは
さすが歴史の町だなぁ、と感心しきり。

さて、夕暮れが迫る時間になり、いい加減帰るべきかと悩んだが
陽が落ちるまでは何とか頑張ってみようと思い
続いて向かったのは洛南の東福寺。
東寺から真っ直ぐ東に向かった所にある寺で
境内一円にはもみじの木だけが植えられているという。
紅葉の季節になるとさぞかし壮観な絵になるのだろうが、
新緑の6月も負けず劣らず風情があって良かった。
夕刻のせいか、境内に観光客の姿はなく貸切状態!
これはなかなか良い贅沢をさせて頂きました。
東福寺
東福寺

見て下さい、この緑の木々!
これ全部もみじの木です。
何と素晴らしい眺めでしょう。
それに負けず、境内にあるほとんどの建物が
国の重要文化財だというのもまた素晴らしい!!

夏至まであと数週間、というこの日は6時を過ぎてもまだ明るく
辺りが暗くなるまで京都に居座ろうと覚悟を決め、
東福寺から北上、どこか観光できそうな場所はないかと探したが
知恩院の巨大な山門の前まで来たところで観念。
明るくても時間は時間、お寺の方が閉まっちゃうんだよねー。
これ以上ねばっても拝観できないという事にようやく気付き
洛中観光を終了、高速の入口へと向かったのでした。
知恩院からもと来た道を戻り、東山五条の交差点から
国道一号線に乗り換え、一路東へ。県境を越えて滋賀県へ入り
名神高速の大津ICを目指して走っていくかすこば一行の車。
と、その途中にあった吉○家の看板に気付いた我々は、
誰ともなく牛丼の話題に。そういえば、関東と関西って
料理の味付けが違うけど、全国チェーンの○野家だと
牛丼の味に差があるの?というくだらない疑問が… (^^;
山科の渋滞に時間をとられつつ、それでも解けないこの疑問は
結局、誰も答えがわからないままでござった。
ようやく陽が暮れ、あたりが薄暗くなった7時過ぎに
大津ICに到着、ここから高速に乗って横浜を目指す。
さすがに丸一日動き回ったせいもあり、途中のSAで仮眠をとりつつ
夜通し走る事7時間弱、日付の変わった午前2時頃に横浜へ帰着。
往復路を含め、合計30時間で京都観光トライアルを終えたのでありました。
あーしんど…。


◆◇◆ 今日の日に 追いつ追われつ 京の路 萌ゆる若葉に 古刹たゆたう ◆◇◆




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