2014年4月 国立博物館キトラ古墳壁画展示
旅行期間:2014年4月30日(水)
主な滞在地
4月30日(水):東京国立博物館
東京国立博物館。通称「トーハク」。
上野公園の北辺にあって、国宝や重文を多数所蔵し、折々に触れ面白い特別展を開催。
上野駅からのアクセスも良く、公園を散策しながら赴くのが常。
なかなか行く機会がないけれど、興味のある特別展があったら猛烈に行ってみたくなる…。
特に城系…なのは言うまでも無く、歴史系でも遠隔地の品を紹介してくれる時なんかは。
そんな2014年、ゴールデンウイークを中心とした前後の期間(4月22日〜5月18日)に
トーハクで「キトラ古墳壁画」の特別展が行われる事に。
おぉ、キトラ古墳!明日香なんか全然行けないし、そもそも特別史跡の古墳の中になんか
入れる訳も無く、当時はまだ展示施設とかも無かったので見られる機会そのものが無い。
それが向こうから東京に来てくれる!
古代史はあまり詳しくないものの(何せ城好き=中世〜近代がメインですからw)
この展示は見ておくべきだろうと思い、何とか日程を確保していざ上野へ!
で…連休谷間の平日、4月30日の水曜日。水曜日だけに雨だったんですが
国重文 東京国立博物館 本館
雨でもズラっと並んでる〜! (><)
やっぱみんな見に来るわなぁw
ちなみに、この建物自体が文化財です。
そんな本館の中へ突入。トーハクは企画展のような特別展示の品を除いて
通常の展示品は原則として写真撮影OK!ですので、目に付いたモノをいくつか撮ってみました。
教科書で見た事ある?ようなお宝がそこかしこに…。
この茶釜は重要美術品の梅竹文釜。
上の短刀は国宝の相州行光。
江戸時代の学問大名・堀田正敦
(ほったまさあつ)
が
作り上げた鳥類図鑑「禽譜
(きんぷ)
」の一頁。
右の彫刻は、有名な高村光雲の作「老猿
(ろうえん)
」重文です。
で、本館1階の特別5室。特別企画展の開催場所まで到達しました。
ここから先は撮影禁止なので、撮ってません…。
どんな展示内容だったのかは、
トーハクの専用頁
をご覧ください。
さぁ、キトラ古墳の壁画も見た事だし帰ろう…と云うのじゃ勿体ない。
せっかくトーハクに来たんだから、通常展示も見て行かないとね。
そんなこんなで、再び「教科書で見た事ある?」ようなお宝が続きます(笑)
これは絶対「教科書で見た事ある!」と言うハズの火焔土器
(かえんどき)
。
燃える炎の揺らめきのような縁取りをしているから「火焔(火炎)」土器です。
どうしてこんな形の器を作ったのやら (^ ^;
同様に、底が尖った尖底土器
(せんていどき)
…
これじゃ自立しない(置けない)形なんですよね。
穴に埋めて使ったとか言われますが、ホンマかいな?
それから銅鐸
(どうたく)
に埴輪
(はにわ)
。
どれも歴史の教科書でお馴染みです〜!本物が見られてちょっと感激w
これも古代史のスーパースター、遮光器土偶
(しゃこうきどぐう)
。
遮光器と言うのは読んで字の如く、光を遮る器具=ゴーグルをかけたような土偶と言う事。
これもホンモノですよ〜♪
やっぱモノホンを目の前にすると、古代史詳しくなくても気分がアガります! (^-^)v
続いては古文書…
国宝 延喜式 紙本墨書
延喜式
(えんぎしき)
と言うのは平安時代に制定された法律。
その条文を記した墨書ですが、原本では無いものの
ほぼその当時に記された写本。内容も完全なものなので
国宝に指定されている古文書です。
文面をよく見れば、冒頭に「延喜式」と書かれています。
お次は木像…
国重文 伝源頼朝坐像
頼朝さんと言うと、よく知られたアノ肖像画が思い浮かびますけど
最近、あの肖像画は別人ではないか?と言われるようになりました。
でもこちらの坐像を見てみると、やっぱり面長で細目の鋭い眼光。
あの肖像画、当たらずと言えど遠からずなのでは? (^ ^;
この坐像も国の重要文化財です。
そして茶碗…
黒織部沓形茶碗
桃山時代の一時期だけ爆発的に流行した織部茶碗。
へにゃっとして、ミュヘっとして、黒と白のモノトーンが渋くて乙。
思いっきり「へうげ(ひょうげ)」ております。
(分かる?この元ネタw)
んでもって戦国ネタ…
左:一の谷形兜と黒糸威胴丸具足 右:前田利家肖像画
一の谷形兜
(いちのたになりのかぶと)
と言うと、
福岡藩主・黒田長政の兜として有名ですが
これはその息子・黒田高政が父の兜を写して作らせたもの。
そして前田利家は言わずと知れた加賀百万石の太祖。
この肖像画は、結構みなさん(歴史好きじゃなくても)
見た事あるんじゃないですかねぇ??
これは誰しも知ってるでしょ?
国重文 風神雷神図屏風
元は俵屋宗達が描いた風神雷神図屏風を、
尾形光琳が模写したもの。宗達の原画は国宝ですが
こちら、光琳の屏風も重要文化財。手前で布を扇いでいるような姿が風神で
奥に居る、デンデン太鼓(?)を叩いている感じなのが雷神。
さて、本館の展示物を一通り見たので他の展示館へ回ってみる事にしたのですが…
外に出たらいよいよ雨が激しくなってドシャ降り。
でもお客さんはさっき以上に長蛇の列。
みんな雨でも良く来るなぁ〜!(←人の事言えないけどねw)
左:飛鳥時代の再現装束 右:平城京の再現ジオラマ
キトラ古墳壁画の特別展に合わせて
展示されていた、飛鳥時代の再現装束。
原色バリバリでハデだね、どうも… (^ ^;
でもこのデザインはなかなか恰好良い。
現代風にアレンジして(色は控えめにしてw)みれば
今でも結構イケるんじゃない?(そうか??)
ちなみに右の写真は平城京の再現ジオラマ。
古代の雰囲気を味わうに、これも良い題材ですわな。
こういうのを見るのが博物館の面白さだと
個人的には思うのですが…w
外に出てみても色々と…
黒田家江戸屋敷の鬼瓦
屋外展示にはこんな物も。先に記した福岡藩主の黒田家、
その江戸屋敷に取り付けられていた巨大な鬼瓦です。
雨に濡れて、より一層重厚感が増します。
国重文 因州池田家江戸屋敷黒門
そしてこちら、鳥取藩主池田家(因州池田家)の
江戸屋敷にあった巨大な門。この門は博物館の敷地外からも
見られるように建ってますが、敢えて内側(裏側)から撮影。
裏から見ると、ちょっと質素(笑)
東京国立博物館 法隆寺宝物館
今度は法隆寺宝物館へやって来ました。
敷地内にある、法隆寺の宝物を所蔵している展示館。
キトラ古墳=古代の遺物ですから、法隆寺の宝物も一緒に見ておこうかと。
それにしても、古刹の宝物とは真逆で近代的なスタイルの建物…。
宝物の用具入れには三ツ葉葵…。
法隆寺が徳川家の庇護を受けていた証。
宗教系の法具は詳しくないのでよう分からんのですが
仏壇を装飾する紋様が入った織物とか
右側の器は香炉…国宝だそうです。
千年以上前の工芸品ですが、素晴らしい完成度。
よくこういった物が作れたもんですねぇ…(感嘆)
国重文 海獣葡萄鏡
昨今、古代史上で色々と話題となっている
海獣葡萄鏡
(かいじゅうぶどうきょう)
。そのうちの1枚が
こうして展示されています。細かい装飾が凄い…。
「鏡」ですから、この裏側が鏡面になっているんですけど
装飾面の凹凸がある事で、鏡面反射に像が出るとか。
その反射像を見てみたいんですよねー(笑)
法隆寺に遺された古文書の中にも、興味深いものがいくつか…
左の書状は室町幕府8代将軍・足利義政によるもの。
法隆寺の所領に対して免税を行う…的な内容。
右の書状は室町幕府10代将軍・足利義稙
(よしたね)
のもの。
書面の末尾に「権大納言源朝臣義植(義稙)」の署名が。
義政も義稙も、この頁を編集している時点で連載中の漫画「新九郎、奔る」の中で
色々と大活躍(?)されているので、その書状を見ると「あぁ、あの人か」と妙に親近感(爆)
いや別に全然顔見知りな訳がありませんけどねwww
さて、そろそろ帰ろうかと言う感じで外に出てみれば
相変わらずの雨に、躑躅もしっとり。
E657系 ひたち
上野駅では常磐線特急に遭遇。
当時の新鋭車両、E657系は
先頭が丸っこくて…プチ新幹線みたいw
オマケ動画
キトラ古墳の展示に合わせて、古代の謎を膨らませるイメージで
博物館内では「猿石プロジェクションマッピング」が投影されておりました。
猿石と言うのは、明日香にある謎の古代石像。猿の形をしているので猿石。
そのレプリカ石像が館内に置かれ、それを照らし出すプロジェクションマッピングが。
古代の遺物…の筈なんですけど、プロジェクションマッピングを写すと何とも現代アートな雰囲気に!
「アスカの神秘」 ― 猿石360°プロジェクションマッピング
音声はオリジナルのものではなく(騒音交じりなので消去)別に充てたBGM。
ですが、気持ち良い程にピッタリと馴染む選曲…!
まるでこの為の曲と思えるくらいですけど、しかしやっぱり元の使い道は最高です(謎)
実は某映画の劇中曲なんですが、ご存知の方(お分かりになる方)いらっしゃいますか? (^^;
◆◇◆ 春の雨 濡れる上野に 列長く 時の彼方を 垣間見る幸 ◆◇◆
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