2011年10月 小島陣屋オフ
旅行期間:2011年10月29日(土)
主な滞在地
10月29日(土):沼津城・長浜城・江尻城・庵原城・横山城・小島陣屋・蒲原城

小島(おじま)陣屋に行きたいっ!
【個人的昔話】遡ること西暦2006年のお話、自作したWindowsマシンでTVの録画が出来るよう
キャプチャボードを組み込み、配線もろもろ行っていざ試し視聴!とした瞬間、
NHKの映像に映し出されたのが小島陣屋の紹介番組。お城好きで知られる春風亭昇太師匠が
石垣の話を熱く熱く語っておられました(笑)それを見た瞬間、試し視聴の筈が即録画(爆)
以来「あー、あそこ行きてぇなぁ」と思い続けて幾年月…今般、ようやく思いを叶えるべく
お城仲間と連れ立って駿東の古城巡りに出立したのでありました。
まぁ小島陣屋だけ行くのも物足りないので、仲間に紹介したい城や
他にも未訪の城を絡めつつの行軍。で、まずは街中のお手軽城址から…と言う事で沼津城です。
沼津駅の南側、狩野川に沿った位置にある中央公園がかつての城跡だとか。今ではすっかり
市街地に埋没して何も遺構らしきものは無いんですが、この「川沿い」という場所が
城に相応しい立地だという証ですな。とりあえず石碑だけ写真に収め、そそくさと次へ…。
小島陣屋方面へ行くならここから西へ進むのですが、いったん南へ向かいます。
伊豆半島の“くびれ”の部分、海に面した小半島にあるのが長浜城。ここを紹介する為にやって来ました。
海に突き出す小さな山が城跡。山と言っても何百mもある巨大な山ではなく、せいぜい30mの高さなので
5~6階建てのビルを登るくらいのもの。だから誰でも簡単に訪れる事ができる城です。でもその山は
切り立った険しさが特徴で、入江を囲い込んでいるので水軍の拠点としてうってつけの形になっています。
当然、そこから眺める景色は抜群のもので―――

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長浜城からの眺望
どうです!海!!
湾を塞ぐ位置に淡島、絶好の防波堤&敵からの目隠しになります。
そしてその向こうには堂々とした富士山!!!
入江には今なお沢山の船が係留されていて
当時の雰囲気を想像させてくれます。素晴らしい~★
湾の彼方に見えるのが、さっきまで居た沼津の町です。
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近年“天空の城跡”として兵庫県の竹田城から眺める光景が有名になってますけど、
こっちも全然負けていないと思うんですよね。個人的に「西の横綱が竹田城、東の横綱はこの長浜城」だと。
海越しに富士山がこんなに綺麗な姿を見せてくれる城跡なんか、他にありませんから! (^ー゚)v

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国史跡 長浜城
一方、海辺から振り返ればこの高さ。
切り立った山の斜面には数段の曲輪が拓かれ
もし海側から攻め来る者がいた場合、上から一斉に攻撃されます。
国の史跡にもなっていて整備も抜群。良いお城です~!
大樹が頂上から見下ろして―――まるで○ピュタみたい。
あ、まさにこっちこそ「天空の城」なのか…。
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あぁそうそう、長浜城と言っても滋賀県の長浜城とは全くの別物ですので念のため(笑)
では今度こそ西へと向かいます。いったん沼津の町に戻って東名高速へ。
この当時はまだ新東名が出来ていない頃でしたので、沼津ICから清水ICへ移動しました。
今だったら新清水ICを使う方が便利なのかな~?とりあえず、清水の町に到着。
清水…先に記した昇太師匠のご出身地ですね。という事で、清水の街中にある城跡に寄り道。
清水駅の西側、これまた川に沿った場所にある江尻城ですが、今は全く遺構がなく
敷地は小学校や神社になっているので、せいぜい石碑があるくらい(爆)
でもね、清水の市街地には「大手」「辻」「永楽町」「入江」と云った“城があった時代”に由来する町名が多々あり
中には「二の丸町」という所も。ここにあった産婦人科医院で昇太師匠がお生まれになったそうで、
自分が誕生したのが“城の中だ”という事に気付いて以来、師匠は城好きになったんだとか。
そういう事なら、江尻城が偉人を生み出した訳ですね~(笑)
さて、国道52号線方面を目標に移動して行くのですが、途中の山にまたまた寄り道。
清水の郊外にあるみかん畑の山が庵原城跡の筈…なんですけど、話に拠れば
新東名の建設工事現場になって(しまって)いるとか。で、実際に行ってみれば

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新東名建設中…
城跡から眺めればこんな感じ。
写真の左端部分が庵原城の城山に乗っかってます (^ ^;;;
工事現場ですから、当然これ以上近寄れる訳もなく
諦めて退散するしかありませんでした。残念。
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まぁね、開通した今となっては日常的によく使ってますよこの区間。だから文句は申しません(爆)
さてさて、国道52号線方面を目標に移動して行くのですが、途中の山に更に寄り道。
今度は横山城。もう小島陣屋の目前なんですが、ちょうど良い位置にあったもので。
でもこちら、完全にみかん畑の山。私有地そうなので、あまり勝手に分け入るのも憚られるので
軽く景色を眺め、城址碑を撮影して退散。その代わりと言っては何ですが、すぐ近くにある
龍津(りょうしん)寺というお寺で、絵になる風景を撮影…

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龍津寺にて
お寺の軒先にて。別に庭園という訳でも無いんですが、
こんな感じで風情のある光景が見られます。
良いお寺~♪ (^_^)b
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んで、今度こそ小島陣屋!今日のメインイベントです。
山間の小島集落を治めた江戸時代の陣屋跡は、広い敷地を有した上にその斜面を見事な石垣で囲んでいます。

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国史跡 小島陣屋
これこれ!凄い立派な石垣です。
城郭史からすると、既に“退化した石垣”の時代のものなんですが
それでも、この規模の陣屋にこんな精緻な石垣があるなんて…。
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もちろん、江戸幕府が成立してからの陣屋なんで堅固な構えでもないし
石垣と言ってもせいぜい高さ2m程。登れないような高石垣ではないんですけど、
でもむしろこういう“頑張って良い陣屋を作ろうとした心意気”を感じるような情緒が素晴らしい。
山(という程でも無いんですが)の斜面を上手く利用して、城下町にせり出したような構えなので

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小島陣屋からの眺め
眺めが良いんですよ!
見渡す家々が全て視線の下。
よく「天守からお殿様が城下を眺めて…」なんて言いますが
元来、城の天守は日常的に立ち入る場所じゃないのでそれはあり得ません。
でも、陣屋のキワから眺めるこの風景はお殿様が普段から見ていた景色。
今も昔も、こういう感じの風景だったんでしょうねぇ。
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小島陣屋の背後
反対に、陣屋の背後に目を向けると
どっしりした山々が控えています。
これまた、田舎の良い風景。そして空が高い…。
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陣屋は明治になって廃されましたが、御殿の古材が転用されていて

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市指定有形文化財 小島町文化財資料館
文化財資料館になってますが、これは陣屋の御殿。
国道52号線沿いに建ってます。良い意味で古典的な建物ですな。
と云った感じで目一杯小島陣屋を堪能しました~!
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本日のお目当てはこれで終了。でもまだ時間がありそう。じゃ、オマケでもう1つ。
ってなワケで、ちょっと帰宅ルートを進みながらやって来たのは富士川の畔。
山を登るルートを行くと、思った以上に急な坂道で難儀しつつ…ここにあるのが蒲原城でして、

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蒲原城から海を眺む
夕陽に海が光ります。そして何より高~い!
海岸線の先にあるのが薩埵(さった)峠、富士見の名所。
その先に霞むのは家康公の廟所である久能山のようです。
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この城、今川~後北条~武田と名だたる戦国大名が使い続けた“隠れた名城”で、激しい争奪戦が続いた名所。
そんな戦国城郭を再現するかのような整備が行われていて、城址公園には―――

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模擬逆茂木w
崖下から攻め寄せる敵へのバリゲートになるよう、城には
刈ってきた木の枝や、引っこ抜いた木の根を突き出した
逆茂木(さかもぎ)と呼ばれる障害物が置かれるものでした。
ここ蒲原城では模擬で逆茂木を再現。
逆茂木を常設した城跡ってなかなか無いよなぁ… (^ ^;
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そんなこんなで、駆け込みで訪れた城跡でしたがなかなか楽しい場所でした! (^ ^)v

城の彼方に沈む夕陽でお別れです…。
◆◇◆ 海囲む 城眺むれば 景色良し 富士の間近に 雲の間に間に ◆◇◆
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